肥満の原因は実は睡眠?寝不足による食の好みの変化に驚愕・・

公開日:2022/02/11

睡眠不足で大食いの男性

睡眠と肥満、実は関連性がある事をご存じでしょうか?
米国の最近の調査によると、睡眠が足りていない場合、食の好みに変化が発生してしまうのだとか・・
今回は睡眠と肥満の関係性について紹介します。

  • 記者 WRITERみり
    みり

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    今年(2022年)始めにScienceDailyで「十分な睡眠をとれていない10代の若者は、睡眠が十分な若者に比べて1年間の学期中に2kg超、糖分を多く摂取してる可能性が示唆されました。

    私たちはみんな、実体験から知っていますよね。「夜更かしするとお腹がすく。お菓子が食べたくなる。」

    適度な睡眠がとれておらず疲れていると、コンビニで菓子パンやスナック、インスタントヌードルに肉まんがあなたを呼んでいる声が聞こえます。

    「まぁ買っていきなよ、俺たち美味しいよ。」

    もちろんこれは成人していない子供たちにも当てはまります。

    ジャンクフード

    睡眠不足は若者に、精神不安定、成績不振、素行の悪さなどを引き起こす原因となることはすでにこれまでの研究で明らかにされていますが、最近アメリカのブリガム・ヤング大学で発表された研究によると、不十分な睡眠は若者の体重増加や心血管疾患の頻度も上げることが明らかになりました。

    研究ではその理由を、睡眠時間が短いと、若い人たちは健康に悪い食べ物を摂取するようになるからとしています。

    「睡眠時間が短いと、十分な睡眠を取っている時と比べて、炭水化物や甘い食べ物、また糖質の高い飲み物をより欲するようになります。」

    ドラチオ博士は言います。

    実験では93人のティーンエージャーの睡眠の質と食事の内容が分析されました。

    被験者たちは、2種類の睡眠時間のグループに分けられました。一晩に6時間半だけベッドで過ごすグループと、長めの9時間半ベッドで過ごすグループです。彼らはこの睡眠パターンを1週間続けました。

    そして彼らのカロリー摂取量、摂取された栄養素、食べ物の系統、そしてどれほど血糖値を上げる食べ物を摂取したかなどが詳しく計量されました。

    血糖値

    短い睡眠時間の生活では、血糖値を上げる食べ物がより消費されていました。

    炭水化物や砂糖たっぷりの食べ物、飲み物などです。

    この傾向は午後9時以降により顕著に表れました。

    睡眠時間の短い若者は十分に寝ていた時と比べると、野菜や果物を取らなくなることもわかりました。

    「この結果の興味深いところは、睡眠不足の若者は、十分眠っている若者と比べて食べる量自体はあまり変わらなかった事です。

    どちらのグループもだいたい同じくらいのカロリー消費量でした。

    ただ、睡眠不足の子たちはより、「ジャンクフード」を食べていたのです。

    私たちはこれを、睡眠不足で疲れた若者グループは、一日を乗り切るために、血糖値スパイクを得られる食べ物を欲していたためだと見ています。」とドラチオ博士。

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    確かに疲れている時や、物凄く忙しい時は、健康にいい間食とされているフルーツやナッツ、ヨーグルトなどがなんだか物足りなく思えます。

    研究で打ち出された数値は12g。

    睡眠時間の短いグループは1日12g多く糖質を摂取していました。

    学期間中は、登校時間の都合で朝寝坊できず、アメリカでは73%の子達が十分な睡眠をとれていないとされています。

    学校のある日だけで計算すると、寝不足の若者は2kg超の余分な糖質を摂取している計算になります。

    休暇中も夜遊びなどで、1年を通して寝不足だとすればこの推定値が倍になります。

    「子供の肥満が問題になっており、私たちは原因と解決策を模索してきました。しかし、これまで睡眠との関係はあまりフォーカスされてきませんでした。もし私たち大人が本気で子供たちの理想体重をキープしたいと思うなら、まずは彼らに十分な睡眠時間を確保してあげることが必要です。」

    ドラチオ博士はそう言いつつも、それがそう簡単にできることではないとも言います。

    ティーンエージャーは学校、その他の活動、友達との交流などとても忙しく睡眠不足が慢性化してしまっているのです。

    寝不足

    高校生ともなれば、スマホを持っているでしょうから、早く眠りにつくのはより難しくなります。

    「やらなくてはならないことが山積みな時、人は誰しも睡眠時間を削ってしまうものです。私たちは、十分に眠ることが生産性を上げ、むしろその山積みになったやることリストを片づけるのに有効だと理解していないのです。十分な睡眠を勧めることは、子供の肥満を予防するための解決策としても取り入れられるべきです。

    人は疲れているとき意思の力が弱まります。

    「これだけ食べて終わりにしよう。」が普通の時ならできるのに、疲れているともうひとつ、あとひとつと結局一箱間食。後で後悔するのですが、疲れているときはその時の欲望に従ってしまいがちです。

    寝不足=夜中まで起きています。晩御飯を食べてから時間がたち、小腹もすきます。そして、寝不足は食欲に関係するホルモンバランスを崩します。

    何か食べたほうがいいよと知らせてくれるグレリンは、寝不足になるとより分泌されます。したがって常に何か食べたいような気になるのです。

    そしてレプチンは満腹に近づくと食欲を抑えてくれます。

    レプチンもグレリンのように、寝不足でより分泌されればグレリンの効果を無効にしてくれるのではと思うのですが、レプチンは寝不足により減少します。

    つまり、より何か食べたくなり、しかもなかなかお腹いっぱいという気分にならないのです。

    これは太ること請け合いです。

    寝不足→甘いものが欲しい→血糖値が急に上がり→急に下がるためまた甘いものを食べる→血糖値が安定せず眠くならない→夜更かしでお腹がすいてさらに食べる…そして寝不足へ戻る。

    まさに負のループ。

    思い返すと10代の時なんて、健康にいい食べ物や習慣の大切さを実感することができず、その時やりたいことをして食べたいものを食べるので、どうやって子供たちをより良い習慣へ導くのか難しい所です。

    ただ、いつも機嫌が悪かったり、勉強に身が入らないのは、糖分の取りすぎである可能性があります。

    野菜や果物を買ってきて勧めても「いらない」と言われたり。そしてその傾向は質の良い睡眠を十分な時間取ることで解決するかもしれません。

    高校生にさっさと寝なさいと言っても聞くかどうかは別の話ですが、ある程度年齢を重ねてきて健康の重要性に気づいている私たちなら、自分の睡眠パターンを自分たちで見直すことができるでしょう。

    ※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

    • 記者 WRITERみり

      ケーキと菓子パンが主食の20代後半に全身に蕁麻疹が何度も出て30代から一転健康志向に。「穏やかに心身健康」をモットーに南の島で生活中。早朝に浜辺を愛犬と散歩するのが日課。世界のいろんな人の変わったニュースを読むのが趣味。

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