寝る前の日本酒はメリットゼロ!少量でも健康を破壊してしまう理由8選

公開日:2023/03/30
更新日:2023/05/08

    寝る前のアルコール摂取は絶対NG!日本酒をひとなめするだけでもNGな理由8選

    コミュニケーションの円滑化からストレス解消まで、様々な効果があるアルコール。

    中には「グッと飲めば気持ちよく寝れるんだよな~」とぐっすり寝るために飲んでいる方もいるのでは?

    確かに、ビールや日本酒などで程よく酔うと寝つきは良くなります

    中には、「薬を飲むよりも良い」と考えてる人もいるかもしれません。

    また、最近はコロナの影響で自宅でお酒を飲む人が2割ほど増えていると言います。[出典]

    家での晩酌は寝る直前まで飲めてしまうので、ついつい遅くなりますよね。

    むしろ、眠くなったらドカッとベッドになだれ込むこともできるので、心地よさから晩酌をやめられないという方も多いのではないでしょうか?

    しかし!寝る前にアルコールを摂取することはデメリットしかありません

    今回は、寝る前に日本酒ひとなめでもNGな理由をご紹介していきます。

     

    中途覚醒が起きる

    「程よいアルコール摂取なら体にいい」と思っている方は意外と多いかもしれません。

    確かに、アルコールには中枢を麻痺させる効果があるので、寝つきは良くなります。

    しかし、アルコールが代謝することで、肝心な睡眠が乱れてしまうんです。[出典]

    顕著な症状は、中途覚醒

    アルコールで気持ちよく寝たのはいいものの、ふと夜中に目が覚めてしまいませんか?

    結果的に、アルコールは睡眠の質を低下させている言えるんですね。

    実際、愛知県の藤田保健衛生大学での臨床試験でも、週3回以上アルコールを摂取する人は、中途覚醒に悩むことが多いという結果もでているほど。[出典]

    さらに、同試験では、毎日の飲酒がスムーズな入眠を妨げる可能性についても言及されているんです。

    また、中には毎日のストレスを発散させるために飲んでいる人もいますよね。

    ただ、アルコールが睡眠の質を低下させるということは、その日のストレスも処理できていないということと同義なんです。

    脳がリフレッシュするために必要なレム睡眠アルコールの作用によって減少することが分かっています。[出典]

    さらに、日本医療研究開発機構が協働で行った研究では、レム睡眠が減少すると認知症アルツハイマーのリスクが上昇するとの結果が確認されました。

    ”心地よく寝始めるため”には、アルコールは最適かもしれないですが、睡眠の質だけではなく将来の健康も悪化させてしまっては元も子もありません。

    身体を回復させ、爽快に目覚めることができる”質の良い睡眠”には、少量のアルコールでも悪影響を及ぼします

    この機に、「寝る前のアルコールは良い」という考え方は改めましょう。

     

    睡眠時無呼吸症候群を発症する

    寝る前のアルコールの摂取量が多い人は、睡眠時無呼吸症候群になる可能性が25%高まるという研究結果をイギリスのアルコール研究センターが示しています。[出典] 

    睡眠時無呼吸症候群は、非常に恐ろしい疾患。

    寝ている間に息が止まり、低酸素状態になることで脳卒中心筋梗塞などのリスクを増加させてしまいます。

    それだけではなく、健康な人よりも夜間の突然死のリスクが高い疾患でもあるんです。

    実際に、アメリカのメイヨークリニック医科大学では、深夜から午前6時の間に、閉塞性睡眠時無呼吸患者の46%が、心臓の異常により突然死したことも報告されています。[出典] 

    では、なぜアルコールが睡眠時無呼吸症候群の発症を促すのでしょうか。

    アルコールには喉の奥の緊張を低下させる作用があります。

    そのため、舌が喉の奥の方へと落ちてしまい空気の通り道を塞いでしまうために、睡眠時の無呼吸を増加させてしまうそう。

    寝る前のお酒は少量であっても悪影響です。

    将来も健康に過ごすためにもアルコールの摂取は控えましょう。

     

    二日酔いの元になる

    「酒に強いからアルコールなんてすぐに抜けるよ」と考えている方は要注意

    実はアルコールの分解には思っている以上に時間がかかるんです。

    例えば、アルコール依存症患者の支援を行う特定非営利活動法人ASKの調べでは、日本酒1合(180ml)ビール500mlであれば、分解するのに4時間もかかることがわかっています![出典]

    倍の量になると、分解には8時間も要することに…

    8時間なんて寝てればあっという間だから問題ない」と思っている方!

    その考えは間違いです!

    就寝中にはアルコールの分解にさらに時間がかかることがわかっています。

    そのため、起床時でも二日酔いが続くときがあるのはまだアルコールが残っているからなんですね。

    ”寝てもアルコールは抜けない”ということは覚えておきましょう。

     

    飲酒運転で捕まる場合も…

    ”朝になっても二日酔いが続いている”状態は、非常によくありません。

    もし、車で通勤している方であれば、飲酒運転になってしまう可能性もあります。

    また、電車通勤をしている方でも、駅まで自転車に乗っている場合も飲酒運転として捕まってしまう可能性もなくはありません。

    実際、道路交通法でも自転車は”軽車両”扱い[出典]

    車と扱いは同じなので「自転車だから捕まらない」ではないんです。

    酒気帯び運転では、90日間の免許停止または免許取り消し(2年間は再取得できない)といった厳しい罰則が与えられます。[出典]

    寝てしまうとアルコールの分解は通常の2倍以上かかるとの研究結果もあるので、法律違反になるリスクがある以上、寝酒は絶対にやめましょう。[出典]

     

    概日リズムを崩して次の日も眠れなくなる

    寝る前に飲む日本酒のデメリットは飲酒してすぐの就寝後だけに留まりません。

    アルコールは、体内時計とも言える概日リズムも崩してしまうんです。[出典]

    概日リズムとは1日24時間の中で朝は起きる、夜は寝るといった生活リズムのことを指します。

    ただ、概日リズムは私たちの行動だけではなく、自律神経や内分泌ホルモンなどの周期的な働きにもかかわるため、人間が日常を送るためにかなり重要な仕組みなのです。

    正しい概日リズムであれば、ホルモンの働きなどから決まったリズムで睡眠をとることができますが、アルコールはこうした恒常性も乱します。

    結果、夜に寝つきが悪くなりお酒を飲む時間が増え連日飲酒するという良くない習慣が身につく原因にも…。

     

    毎晩飲酒量が増えてアルコール依存症の元に

    晩酌するのが1日の楽しみになり、習慣化してしまいますよね。

    しかし、同じ量のアルコールを毎日摂取すると催眠効果が失われていきます

    アメリカにあるミズーリ大学がマウスを対象に、1日2回のアルコール摂取と睡眠促進に関する実験をしています。

    結果、1日目のアルコール摂取ではノンレム睡眠への促進作用が確認されましたが、2日目では睡眠促進はされず耐性が確認されたと報告しています。[出典]

    つまり、アルコールで眠りやすくなるのは初日だけで、2日目以降は睡眠促進を急速に妨げるということが分かったのです。

    また、アルコールは毎日飲んでいくと、同じ量でも酔いを感じづらくなり飲む量がどんどん増えていくとも言われています。[出典]

    もしも、晩酌時に日本酒3合弱以上、またはビール500ml缶を3本以上飲んでいるのであれば多量飲酒です!

    続けていけば、お酒の飲む量をコントロールできなくなるアルコール依存症につながりかねません。

    疲れているとなおさら酔いたくなりますが、晩酌よりも睡眠をとることを優先した方が疲れは溜まらず健康にも良いですよ。

     

    夢遊病で怪我につながる可能性もあり

    他にも、アルコール摂取が夢遊病につながることもあります。

    夢遊病とは、眠っている間に歩いたり、他の行動をしてしまう障害です。

    意識がない状態で徘徊したり、外に出て車を運転したり、あるいは叫ぶなど攻撃的な行動にでることもあります。

    もちろん意識はありません。

    なので、起きたら車で人を轢いていた、日常生活を送れないほどの大けがをしていたなんて可能性は大いに考えられるんですね。

    フィリピン・マニラで起こった男性の転落死は夢遊病が原因とされる、なんてニュースもあったほどです。[出典]

    夢遊病は、若年成人に多く見られると言われている病気。[出典]

    アルコール摂取が夢遊病の引き金となることをアメリカの国立衛生研究所が発表しています。

    無意識のうちに自分を不幸にしてしまう前に、寝る前のアルコール摂取は控えた方がいいと言えるでしょう。

     

    おつまみと一緒に飲めば肥満につながる

    「寝る前にビールを飲むと太る」と思っている人は多いのではないでしょうか?

    健康が気になる年代になると、ビールじゃなきゃ太らない…と信じ、他のアルコール飲料に変えるなんてよくある話ですよね。

    ただ、寝る前のビールなどと一緒に食べるおつまみが太る原因になるということが多いんです。

    アメリカの睡眠健康研究所が110〜18歳の22人の参加者を対象に30日間行った試験では、就寝前に食べ物を食べる人ほど肥満傾向にあるとの結果を報告しています。[出典]

    寝る前に日本酒などのアルコールを飲むことは健康を損なうことにつながり、おつまみは肥満につながる‥。

    寝酒の習慣にはいいことがありませんね‥‥。

     

    睡眠に影響のない飲み方はある?

    「これじゃあ、お酒なんて飲めないじゃないか!」そんな声が聞こえてきそうです。

    私もお酒好きなので、どうにかして体に良い飲み方はないものかと探してみました。

    結論、睡眠に影響が出ないように飲むならタイミングと量に気を付けるべき

    アルコールの分解は、純アルコール20gあたり4時間程度[出典]

    純アルコール20gの量となると、ビールで言えば500ml缶

    日本酒であれば1合(180ml)相当となります。

    缶ビール1本・日本酒1合は寝る4時間前まで!と覚えましょう!

     

    寝る前の日本酒以外に寝つきを良くする方法5選

    今まで、お酒で寝つきを良くしていた方は、ビールや日本酒などのアルコールには頼らず、安全な方法で改善しましょう

    ここからは、寝つきを良くするおすすめの行動を5選紹介します。

     

    習慣的な運動を行う

    運動は、質の良い睡眠を行う上で最も根本的な解決策

    寝つきだけではなく、睡眠時間や睡眠の質も向上させる効果が期待できます!

    でも、習慣的な運動と聞くと定期的なジョギングや筋トレをイメージし、取り掛かるのが億劫になりますよね。

    安心してください!

    アメリカのカンザス州立大学の研究によると、運動の種類に関わらず寝つきや睡眠の深さ、睡眠時間などが総合的に向上したとのこと!

    具体的には、眠りに落ちるまでの入眠潜時と、浅い眠りのレム睡眠の時間が減少したことが明らかにされています。[出典]

    さらに、アメリカの運動生理学研究所からは、運動の強度の関係なく睡眠が改善したとの研究結果も。

    つまり、睡眠の質を上げるにはウォーキング程度の運動量で良いということ!

    ”運動すること”がめんどくさいと感じる方は、英会話用のポッドキャストを聞く、オーディブルを聞く、といった他の目的を設定と続きやすいですよ。

     

    毎日必ず日光を浴びる

    運動が苦手だな‥という方は、日光を浴びるのもおすすめです!

    日光浴には、体内時計を整える効果があります。

    アメリカのイリノイ大学が共同で行った研究では、窓のない環境で働く労働者と日光が差し込む職場で働く労働者の幸福度と睡眠の質を比較。

    すると、日光にさらされている時間が多いデスクワーカーほど、睡眠への満足度が高く、身体活動に向かう傾向も高いとの結果が得られました。[出典]

    私も運動を続けるのが苦手で、とりあえずごみ捨てのついでに日光を浴びるようにしたんです。

    すると、いつでもやる気がでて元気になるんですよね。

    今では、調子を整えるために外に出てそのままウォーキングするという習慣を続けていますよ。

    だるいと感じた日こそ太陽の光を浴びべき!

    できれば毎日、外にでて日光を浴びる時間を作りましょう

     

    寝る前は絶対にスマホを見ない

    寝る前にスマホを見ないようにするだけでも寝つきがよくなります。

    スマホなどの液晶画面から発するブルーライトは睡眠に悪影響

    実際に、モロッコで学生294名を対象に行われた試験では、睡眠前にスマホをいじっていた学生286名に、睡眠への満足度低下の兆候が確認されました。[出典]

    さらに、そのうち65.7%にあたる188名には、睡眠障害の認識があったとのこと!

    ただ、スマホにある様々なコンテンツを楽しみにしているのも事実ですよね。

    そんな時はスマホを見る際も、ブルーライトの露光量を下げる、もしくはブルーライトカットの眼鏡を使用することで対策できます!

    きちんとした根拠もあり、コロンビア大学の研究では、ブルーライトを琥珀色、あるいは透明のレンズで遮断することで睡眠時間が延び、不眠症の症状が軽くなったとの研究結果も。[出典]

    iPhoneであればNight Shift設定、Androidであればナイトモードがブルーライトを弱める設定です。

    睡眠の質を上げるためにも、スマホを使う時間を減らしてみたりブルーライトの露光量を下げてみたり工夫してみましょう。

     

    就寝前1時間前にぬるめのお湯に浸かる

    お風呂が好きな人の中には、熱いお湯に浸かるのが心地よいと感じる人もいるでしょう。

    でも、もしかしたらお風呂に入るタイミングや温度が寝づらさを引き起こしているのかもしれません‥。

    心地よく寝るためには、就寝1時間前にぬるめのお湯に浸かるようにしましょう!

    人間の体というのは入眠時に深部体温(体の中心の温度)が下がるようにできています。

    そのため、お風呂に入る時間が寝る時間に近いと体の温度が通常よりも高くなってしまうため寝づらくなるのです。

    株式会社バスクリンが行った研究によると、リラックス効果が得られるお風呂の入り方は40℃のお湯に15分間浸かること[出典]

    特に、お風呂に入ってから30分後に心地よさを感じることもわかっています。

    寝つきを良くするために、お風呂に入るタイミングに気を付けて熱いお湯に長時間浸からないようにしましょう。

     

    寝る直前にTo Do リストを作成する

    最後に紹介する寝つきを良くする方法は、To Do リストを作成すること!

    頭の中が忙しくて眠れない!と感じたことありませんか?

    アメリカ・ベイラー大学の研究では、30~35歳の成人男性18名に、就寝5分前にTo Do リストをつけさせたところ、完了したタスクを書き込んだ場合より早く眠りについたとの結果が報告されています。[出典]

    また、同研究では1日の中でクリアできたことを書くよりもTo Do リストをつける方が寝付きやすさには効果的との結果も示されました。

    心配事などのストレスは眠りを妨げます

    心地よく寝るためにも、晩酌ではなくTo Do リストをつけて心の中を整理してみるといいですよ。

     

    寝る前の日本酒に頼らず自然に寝られる方法を意識しよう

    質の良い睡眠

    今回は、寝る前に日本酒やビールなどのアルコールを摂取することのデメリットを紹介してきました。

    晩酌が1日の楽しみだとしても、睡眠の質を下げたり突然死のリスクを上げたりなど将来に関わる問題に繋がりかねません。

    お酒はあくまでも嗜好品。

    寝つきの良さを上げるためのものではないことを心に留めておきましょう!

    また、軽い運動日光浴To Do リストをつけるなどの習慣、スマホの使用時間お風呂の入る時間を変えるだけで寝つきが改善されることが証明されています。

    ストレスなく寝つけたときの快感は晩酌の比になりません!

    自分のできることから少しづつ習慣化していき、自然に寝れるように努力してみましょう!

     

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