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カフェインが筋トレに効果的な6個の理由
公開日:2022/02/22
更新日:2022/02/26
コーヒーやお茶で摂取することも多いカフェイン。実は筋トレにも役立つ成分として知られていて、スポーツ、フィットネス、ダイエットの世界でも活用されています。そこでこの記事では、そもそもカフェインとは何か、筋トレにどのように役立つのか、適正な摂取量、注意すべき副作用についてご紹介していきます。
Contents [目次を開く]
そもそもカフェインとは?
カフェインはメチルキサンチン類の有機化合物です。[1]
アメリカでは成人男女の実に89%がコーヒー(64%)、紅茶(16%)、ソフトドリンク(18%)などからカフェインを摂取しています。[2]
カフェインは他の成分やサプリとは違い、筋細胞、脂肪細胞や神経系の細胞など、体全体の細胞に影響を及ぼします。
摂取後30分~120分程度で血中に取り込まれ、新陳代謝、酸化・炎症、運動パフォーマンス向上などの効果が数時間持続します。[3]
東京福祉大学の栗原久教授は具体的効果として、中枢刺激、強心、末梢血管拡張、脳血管収縮(頭痛緩和)、利尿、代謝亢進、胃酸分泌などをあげています。[4]
カフェインが筋トレにもたらす効果6つ
カフェインには
- 脳や神経系を活性化して注意力向上
- アドレナリンの循環を高め運動パフォーマンス向上
- ドーパミンを分泌して運動中の気分高揚
- 脂肪燃焼によって筋肉内の糖質減少を防ぎ、持久力向上
- 体温を向上させてカロリー消費増加
などの特質があります。
実際にカフェインを飲むと筋トレにどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
1. 上半身の強化に役立つ
カフェインを摂取すると、上半身トレーニングの成果も改善します。
ビクトリア大学と各国の大学の研究者グループが行った2021年のレビューでは、5つのデータベースから、女性の上半身と下半身の筋トレに関する実験結果を収集し分析しました。
その結果、下半身のトレーニングに関しては目に見える差はありませんでしたが、上半身のトレーニングでカフェインを摂取すると筋持久力と筋力が向上することが分かりました。[7]
またスペインの研究者グループによる2020年の実験では、12人の参加者が体重1kgあたり3mgのカフェインを摂取した後8回4セットのベンチプレス運動をしたところ、平均バー速度が7.8%、最大バー速度が8.7%、平均力が1.5%、平均出力が10.1%、最大出力が3.2%改善していました。[5]
この結果から、カフェインは上半身のトレーニングに役立つことがわかります。
2019年の別のレビューでも、多くの実験でカフェイン摂取によりトレーニングの筋持久力と筋力が一層向上したことが分かっています。[9]
2. 持久力の向上
カフェインを服用すると、持久力も向上します。
ニュージーランドのマッセー大学の研究者たちによると、体重1kgあたり3~6㎎のカフェインを服用した場合、プラシーボ(偽薬)を服用した場合よりも平均出力やタイムトライアル完了時間でよい結果が出ていることが確認されました。[10]
2013年にはイギリスのバーミンガム大学の研究では、8人のトライアスロン選手が体重1kgあたり5mgのカフェインを含むドリンクまたはインスタントコーヒーを飲んだ時、サイクリングのタイムが向上しました。[11]
2016年の研究でも15人の20代男女サイクリストが120分のサイクリングの途中で100mgまたは200mgのカフェインを摂取したところ、カフェインを摂取するほどパフォーマンスが向上しました。[12]
ただし、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)という遺伝子のタイプによってはカフェイン摂取の効果がない人もいる、という研究結果もあります。[13]
しかし、タイムトライアルで数%の効果は魅力的ですね。
持久系のスポーツ選手やパフォーマンス向上を望む人は、カフェインを一度は試してみるべきでしょう。
3. 高強度運動への効果
カフェインは負荷の高い高強度運動でも有益です。
2017年のブラジルサンパウロ大学とイギリスのケント大学の共同研究では、7人の男性に体重1kgあたり4mgのカフェインを摂取した後、低酸素環境下での高強度サイクリングをしてもらいました。
すると、カフェインを摂取した参加者の疲労時間は12%も改善しました。[14]
2018年にイギリスのセント・メアリー大学(トゥイッケナム)の研究者がカフェインを摂取した高強度運動の研究結果をレビューしました。
カフェイン服用により分時換気量、血中乳酸濃度、血糖値など客観的データだけでなく、主観的な疲労度にも改善が見られたことが分かりました。[15]
つまりカフェインを摂取すると、高強度のトレーニングを長時間行うことができるのです。
ただし、カフェインはよくトレーニングしたアスリートの高強度運動には効果が高いが、トレーニング初心者やトレーニングしない人への効果は小さいという研究もあります。[16]
4. 脂肪燃焼効果
カフェインには脂肪燃焼効果もあります。
筋肉の糖質を使う代わりに脂肪を燃焼すると、体力の消耗を遅らせることができます。
スペインのレイ・ファン・カルロス大学などのスポーツ科学者たちによると、カフェイン服用後には酸素を多く吸い込んで脂肪の燃焼が進むことが明らかになりました。
また、運動中の脂肪の燃焼を起こすには、体重1kg当たり3mgのカフェイン摂取が必要だと分かりました。
カフェイン摂取による脂肪燃焼効果は日ごろ運動していない人の方が運動している人より高いことも分かりました。[17]
カフェインには褐色脂肪組織(BAT)に影響して、肥満やメタボリックシンドロームを改善する効果も期待されています。[18]
5. 集中力アップ
カフェインは集中力を高めることでトレーニング効果を高めることもできます。
アメリカ陸軍などの研究者たちによれば、カフェインはアデノシン受容体をブロックして注意力や反応速度を高め、身体機能を高める効果があります。[19]
国際スポーツ栄養学会(ISSN)も、カフェインの効果の一つとして、認識機能を改善してトレーニングのパフォーマンスを向上させる働きを認めています。[20]
6.疲労緩和
カフェインは疲労を緩和する効果も認められています。
カフェインを摂取後の高強度運動では疲労困憊するまでの時間が12%長くなり[14]、主観的な疲労度も緩和されることが分かっています。[15]
こちらは普段コーヒーなどで実感している人も多いかもしれませんね。
カフェインはいつどのくらい摂取すべき?
カフェインは運動前30分以上前に摂取すれば効果があり、同量のカフェインを摂取できるなら、サプリメントでもコーヒーでも効果に大差はないという実験結果があります。[21]
ただし、日常的にカフェインを摂取しているアスリートが大量のカフェイン(体重1kgあたり9mgまたは11mg)を摂取しても効果はないという実験結果もあります。[22]
カフェインを15日以上常用すると、耐性がついてパフォーマンス改善効果が低下するという研究もあります。[23]
摂取量については、オーストラリアのビクトリア大学などの国際研究グループは、トレーニングの1時間以上前に、体重1kgあたり3~9mg摂取することを推奨しています。[9]
コーヒーからカフェインを摂取する目安について、豆からいれるレギュラーコーヒー1杯(約250ml)はカフェイン90mg程度、エスプレッソ1杯(30-50ml)ならカフェイン60mg程度を含むとされています。
カフェインは摂りすぎによる副作用だけ注意!
ここまでカフェインには様々な効用があることを見てきました。
それでは、カフェインには副作用はないのでしょうか?
よく知られているように、カフェインには不眠作用があり、飲みすぎれば胃に不快感をもたらすこともあります。
他にもカフェインの過剰摂取によって不安、めまい、イライラ、震えなどの症状が起こることもあります。
特に注意すべきは心拍数増加です。
心臓病、高血圧、胃食道逆流症(GERD)の患者や妊婦は、カフェイン摂取については医師と相談したほうがよいでしょう。
イタリアの研究者グループによると、あまりに大量のカフェインを摂取して死亡した例もあるそうですが、生命に危険な量(血中濃度が1リットル当たり80mg)を摂取するのはきわめて困難です。[25]
以上、カフェインの筋トレでの効果を見てきました。
カフェインはベンチプレスなど上半身の強化で効果が大きいことが分かりました。
また、持久力、高強度運動、脂肪燃焼などの効果によって、長時間のトレーニングが可能になり、集中力を高めて効率的なトレーニングができることも期待できます。
過剰摂取による副作用を避けつつ、筋トレのおともとして試してみてはいかがでしょうか。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
記者 WRITERDarchan
好奇心旺盛で、硬軟とりまぜ色々なコトの真相を知りたいライター。昔は会社の同僚に誘われてたまにハーフマラソンに参加していたが、最近は食べる専門。おなかの脂肪が気になりだしたので、また運動するつもり。
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