【今すぐやめて】お風呂で寝る7つの危険とその対処法11選

公開日:2022/04/18
更新日:2023/03/04

ポカポカ気持ちいいからといって、お風呂でつい寝落ちしていませんか?
お風呂での寝落ちは、実はとても危険なんです!
最悪の場合、命にかかわるケースも…。
今回はお風呂で寝る7つの危険と対処法11選を紹介します。
安心してゆっくりお風呂に入れるように、ぜひ参考にしてくださいね!

  • 記者 WRITERステロンライター
    H_Maki

お風呂で寝てしまう2つの理由

お風呂に浸かりながら居眠りをしてしまった経験がありませんか?

SNSを眺めていると、結構たくさんの人が「お風呂で寝てしまう」と言っているのを見かけます。

最近、お風呂で寝ちゃう(20代女性 学生)

この女性もついお風呂で寝てしまうようですね。

風呂で寝落ちしてた。ぬるま湯で寝ちゃうからダメだね…(30代女性 営業職)

ここにも!

ぬるま湯に浸かって寝てしまっては、風邪をひく恐れがあります。

どうしてお風呂に入ると眠くなってしまう人がたくさんいるのでしょうか?

それにはきちんと身体の仕組みを踏まえた理由があります。

 

1.脳貧血を引き起こすから

お風呂に長く入っていると頭がぼーっとする感覚になり、眠気を感じる人もいるのではないでしょうか。

原因は身体が温まって脳貧血を起こしているからかもしれません。

まず、お風呂に入り身体が温まると血圧が上昇します。

そして徐々に体が温まるにつれて血圧は下降。

この血圧が下がるときに、脳への血流が低下して脳貧血になってしまうのです。

脳貧血が起こるとぼーっとしたり、上手く考えられない状態になります。

ひどい時には気分が悪くなり、気を失ってしまう場合も。

お風呂に長時間入っていて眠くなったり、熱いお風呂に浸かって寝てしまったりする人は、脳貧血で眠気を感じているのかもしれません。

 

2.副交感神経が優位になるから

お風呂に入ると温かさや水圧の作用で血行が促進され、副交感神経が優位な状態になります。

副交感神経は夜の神経とも呼ばれる、睡眠に関与する神経のこと。

副交感神経「夜の神経」:ゆるやかに反応し、呼吸や心拍数を下げる事で、身体の回復や精神をリラックスさせ睡眠にも関与します。(引用:むらいクリニック通信)

副交感神経が優位になると、頭と身体はリラックスし、自然に眠気が発生します。

布団に入るとリラックスして眠くなる現象と同じ状態がお風呂でも起こってしまうのです。

 

お風呂で寝落ちする7つの危険

お風呂で眠気に襲われたり寝たりしてしまう原因についてわかりましたね。

では次に、お風呂で寝落ちするとどんな危険があるのか、7つご紹介します。

お風呂でのリスクを回避するためにも、しっかりチェックしていきましょう。

 

1.浴室内熱中症を引き起こす

お風呂で寝落ちすると、思いがけず浴室内熱中症になる危険があります。

元々人間には体温を適切に調節する機能が備わっていますが、お湯に長く浸かっていると体温調節が間に合わなくなる場合も。

結果、熱中症になり体調不良になってしまうのです。

夜中になろうかという時刻、救急車で運ばれてきた1人の患者さん。間違いなく熱中症です。原因は、閉め切った浴室内での筋トレ(40代男性 医療関係)

症状としては夏場に起きる熱中症と同じで、のぼせや眩暈(めまい)、ひどい時には頭痛や嘔吐を引き起こします。

十分に水分を取っていない・持病がある方などは特に熱中症になりやすいので気を付けましょう。

 

2.脱水症状を引き起こす

お風呂で寝落ちすると脱水症状を引き起こす危険もあります。

水場なのでイメージがつかない人もいるかもしれませんが、実はお風呂に入っていると人間はたくさん汗をかきます。

汗をかくと体内の水分量が低下し、一定の水分量を下回ったところで脱水症状が起こるのです。

風呂でぶっ倒れて全身が痺れて力が入らなくなっても、目が見えなくなっても、それはただの脱水症状。これからは風呂場に水を常備しておきます(30代男性 不動産関係)

体温を調節するために汗は必要不可欠。

お風呂でたくさんの汗をかいてもいいように、水分補給を意識しましょう。

 

3.肌の乾燥を引き起こす

寝落ちしてお風呂に長時間浸かると、肌の乾燥が引き起こされます。

お湯につかっているので一見肌の表面は潤っているように感じますが、実際は肌の奥から潤い成分が流れ出ているのです。

湯船に浸かっていると、お湯の中で皮膚が水分を含み、一見、潤っているように見えます。しかし、皮膚表面にある角層は、水分を含んで飽和状態(水分を最大限含んだ状態)になり、角層細胞の間隔が広がることで、肌の潤いを保つ天然保湿成分やセラミドなどが流れ出ているのです。(引用:資生堂

また、このような肌の乾燥はお湯の温度が高く入浴時間が長いほど起こりやすくなります。

熱いお風呂に入ると気持ちよくてつい寝てしまいそうになりますが、肌の乾燥につながり老化を早めるため、長時間の入浴は避けましょう。

 

4.お風呂上がりの寝つきが悪くなる

寝落ちで長時間お風呂に入ると、上がった後の寝つきが悪くなります

原因は高温のお風呂に浸かりすぎて体温が上がり、交感神経が優位になるからです。

37~39℃のぬるいお湯にじっくり浸かると、副交感神経が刺激されてリラックスした状態に。

逆に42℃以上の熱いお湯につかると、交感神経が刺激されて血圧が上昇します。

交感神経が優位な状態だと、人の身体は活動的になろうとするのです。

風呂入ったら眼が冴えて眠れないってマジ??(10代男性 建設業)

結果、お風呂で疲れをとって眠りたいのに、妙に目が冴えて眠れない状態に。

寝る前の入浴は、熱いお湯に長時間浸からないように気をつけましょう。

 

5.心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす

寝落ちして長くお湯につかってしまうと、心筋梗塞脳梗塞が起こる危険性も。

人の身体は気温の変化によって血圧が上下し、体温を調節します。

血圧の変化に伴って、心筋梗塞や脳梗塞といった疾患が起こる可能性があるのです。

気温差による心筋梗塞や脳梗塞はヒートショックとも呼ばれ、特に高齢者に起こりやすいと言われています。

ただし、若い人でもヒートショックを起こした事例があるので決して油断できません。

2006年のデータですが、交通事故による死亡者が約7,000人であったのに対し、ヒートショックでは倍の14,000人が亡くなっています。(引用:済生会

特に寒い季節、11月~2月にはヒートショックを起こす人が多く、実際に亡くなった人の例も毎年多く報告されているのです。

寝落ちしてしまい慌てて湯船を出るなどすると、急激な温度差に血圧が変化しヒートショックを引き起こします。

持病がある人は特に気を付ける必要があるので、覚えておきましょう。

 

6.首の痛みや腰痛を引き起こす

湯船で寝落ちすると首の痛み腰痛が起こる場合もあります。

通常ベッドや布団で寝るときは寝返りを打てますが、狭い浴槽内では寝返りを打てません。

そのため湯船で寝落ちすると長時間身体の同じ場所に負荷がかかり、腰痛や首の痛みを引き起こすのです。

風呂で無理な体勢になって、腰痛が悪化…(40代男性 製造業)

湯船は硬い材質で作られているため、ベッドと違ってクッション性などもなく体の負担を軽減できません。

脚を伸ばせないサイズの浴槽だとさらに無理な体勢になるため、身体に痛みを発生させるリスクが上がります。

加えてお湯につかっていない首や肩は冷えて筋肉が緊張し、ひどい肩こりや首の痛みを発生させるのです。

やはり眠るときにはベッドや布団など、無理のない体勢でリラックスして寝なければいけませんね。

 

7.溺死する

お風呂で寝落ちすると溺死してしまう可能性があります。

実際にお風呂で溺死した人の例は毎年多く報告されており、対策が求められている状況です。

毎年12月と1月は浴槽内で気を失うなどして溺れる人が増えます。昨年1年間で家庭の浴槽で溺れて亡くなった人は5,004人でした。(引用:Yahoo!ニュース

お風呂での溺死事故を分析すると、先ほど紹介したヒートショックや熱中症、持病の発作等が原因であるケースが多数。

そして単純に寝落ちした結果、口と鼻がお湯に浸かってしまい溺死したケースも多く報告されていました。

普段から長風呂をする習慣のある人は、家族からの発見も遅れます。

最悪の状況を免れるためにも、万が一寝落ちしたときを考え、前のめりの体勢で湯船に浸からない・緊急時には大きな音を出せるようにしておくなどの対処が必要です。

 

お風呂で寝落ちした時の危険を軽減する対処法11選

長くお湯に浸かっていると体温が上昇して脳に巡る血流が減ってしまい、寝落ちが引き起こされます。

つまりお風呂での寝落ちは、睡眠よりも気絶に近い状態なのです。

そのため長く湯船に浸かるのが好きな人は、寝落ちの回避が難しいでしょう。

次はお風呂で寝てしまったときの危険を軽減する対処法を11選ご紹介します。

長風呂が好きな方、よく湯船に浸かったまま寝落ちしてしまう方はしっかりチェックしてくださいね。

 

1.お風呂カバーを掛けたまま入浴する

お風呂カバーやお風呂の蓋は多くのご家庭にあるかと思います。

通常お風呂に入る際にはすべて外してしまうお風呂カバーですが、長風呂で寝落ちしてしまう方はお風呂カバーをかけたままの入浴がおすすめ。

カバーの端を少しめくって、肩から上だけが出る形で入浴するのです。

実際の現場に出場する数多くの救急隊員へのアンケートの結果によれば、浴槽から引きあげなければならなかった現場では、要救助者は前のめりになって顔を湯面に浸けていたことが比較的多いことがわかっています。(引用:Yahoo!ニュース

カバーがあれば、もし寝落ちしてしまって前のめりになってもお湯に顔が浸かる可能性が低くなるため溺死のリスクを下げられます

逆に横向きの体勢で寝落ちしたり、湯船のへりにもたれかかって寝ると、身体が徐々に滑ってしまう場合も。

なるべくもたれられる場所を増やし、顔が湯船に浸かる可能性を減らしましょう。

 

2.お風呂の設定温度を基礎体温+3℃にする

長時間高温のお風呂に浸かると、身体にかかる負担が大きくなります。

したがって、少しぬるいと感じる程度のお湯での入浴がおすすめです。

目安は自分の基礎体温+3℃。

大体の人は36℃前後かと思うので、37℃~39℃のお湯に入浴するとよいでしょう。

ぬるま湯であれば寝落ちして長時間身体が浸かっても、熱中症や肌の乾燥と言ったデメリットが起こりにくくなります。

もともと長風呂が好きという人は特に温度に気を付けて入浴するのが良いですね。

 

3.アルコール摂取した後は湯船に浸からない

アルコール摂取後は湯船に浸からないようにしましょう。

理由は、アルコール摂取後は判断力や感覚が鈍るから。

身体が熱くなっていても気づけず、熱中症に陥りやすくなるのです。

また、アルコールを摂取していると体内の水分量が減少し脱水症状も起こりやすくなります。

入浴で血流が促進されるとアルコールが急激に回り、急性アルコール中毒になる危険性も。

多くの面でリスクが高まるため、アルコール摂取後は入浴を控えるか、シャワーなどで簡単に済ませるのが良いでしょう。

 

4.ミネラルの入った麦茶を一杯飲んでから入浴する

お風呂で寝落ちすると長風呂になり、汗をかきすぎて脱水症状に陥る危険があります。

脱水を避けるためには、しっかりと水分補給をしてから入浴し入浴の最中も水分補給をするのがおすすめ。

特に水分補給に良いと言われているのがミネラルの入った麦茶です。

汗をかくと水分と同時にミネラルが身体から出ていき、ミネラル不足に陥ります。

麦茶にはミネラルが豊富に含まれているので、水分とミネラルを同時に補えるのです。

また、麦茶の原料である大麦には身体を冷やす働きがあると言われ、熱中症対策に効果があります。

入浴時の熱中症、脱水症状への対処として備えるのが吉ですね。

 

5.浴室のドアを開けておく

脱衣所と浴室内に大きな温度差があると、気温の変化によってヒートショックが起こる可能性があります。

ヒートショックは、特に暖かい室内から服を脱いで寒い浴室内に行く際に起こりやすいのです。

ヒートショックは冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、浴槽に入るときなどに起こります。リビングから脱衣所に移動した際には、寒さに対応するために血圧が上昇します。そこで衣服を脱ぎ、浴室へ入るとさらに血圧は上昇します。その後、浴槽に入ると、急に身体が温まるため、血圧が下降します。(引用:済生会

ヒートショックのリスクを減らすには、入浴前から浴室のドアを開けておき、脱衣所と浴室内の温度差を小さくするのが効果的

また、浴室内暖房などの設備がある人は活用するとよいでしょう。

身体が温まってから脱衣所に出る際も、脱衣所が寒いとヒートショックの危険性が高まります。

脱衣所も寒くなりすぎないように工夫をしておくとさらに良いですね。

 

6.化粧水で全身を保湿をする

入浴中、入浴後の皮膚は水分や脂質といった潤い成分が失われやすい状態です。

しかし、逆にスキンケア用品などの美容成分が浸透しやすい状態でもあります。[1]

長時間お風呂に浸かった後は、乾燥をカバーするために全身に化粧水を塗るようにしましょう。

全身に塗るとなるとかなりの量が必要になるので、高価な化粧品は使いたくありませんよね。

筆者のおすすめは大容量で安く購入できるハトムギ化粧水です。

べたつきはほとんどないので、全身どこでも気にせず使えます。

それでも人一倍べたつきが苦手だという方は、肘や膝の裏側、脇などの関節部分を避けるのがおすすめですよ。

 

7.窓を開けて換気する

長時間の入浴で浴室内に熱気がこもると、浴室内熱中症のリスクが上がります。

回避するためには窓を開けて換気をするなど、浴室内の気温が上がりすぎない工夫をしましょう。

浴室に窓がない場合は、入浴中も換気扇をつけておく方法がおすすめ。

湿気の対処がきちんとできる人なら、浴室の扉を少し開ける等の方法もあります。

 

8.食後1時間は入浴しない

食後は胃や腸などの消化器官に血液が集まり、血圧がやや低めの状態。

血圧が下がった状態で入浴すると、血圧が急激に変化します。

ヒートショックが起こるリスクが高まるため、食後すぐの入浴は避けましょう

入浴の際には血管内の変動がより大きくなり、ヒートショックを引き起こしやすくなるので、食後に入浴する場合は1時間以上のインターバルをおきましょう。(引用:学研ココファン

1時間あれば消化の早い食べ物は胃から小腸に運ばれるため、食後1時間はあけてから入浴するのが目安です。

きちんと消化する時間を取ってから入浴したほうが、身体によいリズムで生活できますよ。

 

9.ゆっくりと立ち上がる

長時間の入浴によって血圧が下がった状態から急に立ち上がると、眩暈が起きる可能性があります。

浴室での立ち眩みによる転倒事故も多く報告されているため、回避のためにゆっくり立ち上がるよう意識しましょう。

また、足腰の弱ってきた人や怪我などで立ち上がりが難しい方は手すりを取り付けるのがおすすめです。

住居が賃貸であるなどの理由で壁に穴をあけられない方にむけて、吸盤で取り付けるタイプの手すりも販売されています。

しかしねじ止めされていない分、体重をかけた際に外れてしまう可能性も。

外れた拍子に怪我をする危険性もあるため、やはり手すりはしっかりと固定できるタイプがおすすめです。

 

10.掛け湯をする

血圧の急激な変化を避けるため、入浴前には掛け湯がおすすめ[2]

湯船にためたお湯を洗面器ですくい、身体がお湯の温度になれる程度かけましょう。

目安としては身体全体に2~3回、特に汚れていると感じる場所には多くかけても◎。

掛け湯を行うと血圧の変化を緩やかにできますし、身体の汚れを落とせて一石二鳥です。

浴槽のお湯がもったいないという方は、シャワーでも構いません。

とにかく身体をお湯の温度に慣らしてから湯船に入る行動が大切なのです。

 

11.浴槽用クッションを利用する

よく湯船に浸かったまま寝てしまう、長風呂が習慣という方には浴槽用クッションがおすすめ。

お風呂で寝たりくつろぐ際に使うクッションで、入浴中の身体への負担を軽減できます。

浴槽に吸盤で固定して使うので、ずり落ちるなどの使いにくさもありません。

寝てしまう人だけでなく、本を読んだり映画を見たり、長時間浴槽に浸かっていたい人はぜひ使ってみてくださいね。

 

対策を組んでお風呂での寝落ちのリスクを減らそう

お風呂は本来リラックスするためのもの。

寝落ちによる事故や体調不良を避けるためにも、しっかりと対策をしてリスクを減らしていきましょう。

今回は寝落ちを避ける方法ではなく、寝落ちから引き起こされる危険を回避するための方法をご紹介しました。

長時間入浴したい方や寝落ちが気持ちよいという方もいるかと思います。

自分の好きな生活スタイルを維持しつつ、危険を回避する上手なやり方で日々を楽しく過ごしましょうね。

※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERH_Maki

    猫ちゃんと一緒に暮らす毎日。リサーチ&執筆が趣味ってくらい楽しんでます。
    読者の皆さんにも記事を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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