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【癌になる】カゼインプロテインは体に悪い?9つの噂を徹底調査してみた
公開日:2023/02/27
更新日:2023/03/14
ダイエット効果が高いと言われるカゼインプロテイン。
しかし、体に悪いとの噂もある、リスキーなプロテインでもあるんです。
果たして、本当に体に悪いのでしょうか?
噂を徹底的に調査するので、ぜひ参考にして下さい!
Contents [目次を開く]
- 1. カゼインプロテインとは?ホエイやソイと違う3つの特徴
- 特徴1:カゼインは牛乳由来の凝固するタンパク質
- 特徴2:体への吸収が遅く、減量に効果的
- 特徴3:夜に飲むなら、ホエイやソイより圧倒的に良き
- 2. 【おすすめできない?】体に悪いと言われるカゼインの噂9つを徹底検証
- 噂1:便秘になる
- 噂2:アナフィラキシーショックが出やすい
- 噂3:麻薬の一種『モルヒネ』に類似した物質が体内精製される
- 噂4:鉄分を過剰に吸収し副作用が起こる
- 噂5:腸の粘膜を傷付け、腸内の炎症が継続
- 噂6:ルチンが少なく筋肉増強には向かない
- 噂7:カゼインががん細胞の成長を促す
- 噂8:チョークを食べるのと同じ?
- 噂9:認知症など脳の病気の原因に繋がる?
- 3. 結論:常識の範囲内なら問題はなし
注目度が高まっている、”カゼインプロテイン”。
ダイエットにも効果的と言われているため、試したい方は多いのではないでしょうか?
しかし、体に悪いって噂もあるんです・・・
今回は、カゼインプロテインが本当に体に悪いのか、9つの噂をもとに徹底的に調査していきます!
カゼインプロテインとは?ホエイやソイと違う3つの特徴
そもそもカゼインプロテインとは何なのでしょうか?
まずは、他のプロテインとは異なる、カゼインプロテインならではの特徴を3つ紹介していきましょう!
特徴1:カゼインは牛乳由来の凝固するタンパク質
カゼインは牛乳由来のプロテイン。
ミルクに含まれる成分のうち、水分に溶けない部分から精製されています。
なんと、牛乳に含まれるタンパク質のうち80%が、カゼイン部分(不溶性固形成分)に含有されているんです。
そのため、タンパク質の含有率が高いのがカゼインプロテインの特徴。
ちなみに高タンパクで有名なチーズやヨーグルトは、凝固するタンパク質の性質を利用したものです。
牛乳由来のプロテインと聞くと、ホエイプロテインが思い浮かぶ方もいるかもしれません。
しかし、ホエイプロテインはカゼインプロテインとは異なり、ミルクの液体部分から精製されたものです。
特徴2:体への吸収が遅く、減量に効果的
カゼインプロテインの最大の特徴は、体への吸収スピードが遅く減量に適している点。
吸収にかかる時間はホエイプロテインの3~4倍で、7~8時間ほどかかるといわれています。
吸収スピードが遅いプロテインを摂取すると、満腹感の持続が可能。
食事コントロールとあわせてカゼインプロテインを活用すれば、タンパク質をしっかりと摂取しながら減量をサポートできるんです。
ちなみにカゼインプロテインの吸収スピードが遅い理由は、胃の中が酸性であるから。
カゼインは胃酸により固体や半液体のジェル状になるため、腸内での吸収もゆっくりになります。[1]
一方、同じく牛乳由来のホエイプロテインは、吸収スピードが非常に早い点が特徴。
タンパク質がすぐに必要な状態のときにプロテインを飲む場合は、カゼインよりホエイのほうが適しているといわれています。
特徴3:夜に飲むなら、ホエイやソイより圧倒的に良き
吸収スピードがゆっくりであるカゼインプロテインは、ホエイやソイと比較して就寝前の摂取に適しています。
そもそも、筋肉は寝ている間に大きくなるもの。
筋肉を大きくするためには、摂取したタンパク質をアミノ酸に分解し、筋繊維を精製するアミノ酸を作り出さなくてはいけません。
タンパク質がアミノ酸に分解されて筋肉に変わるプロセスを、タンパク質同化作用といいます。
タンパク質同化作用の過程では、テストステロンや成長ホルモンなどのアナボリックホルモンが必要。
アナボリックホルモンは睡眠中に分泌されるため、筋肉を大きくしたい場合は睡眠前のタンパク質摂取が効果的です。
カゼインプロテインは吸収がゆっくりな分、睡眠時にテストステロン分泌量が多くなるタイミングでも、まだ体内に存在することが可能。
実際に運動した日の状況を確認した実験でも、睡眠前のカゼイン摂取とタンパク質同化作用の関連性が認められています。
睡眠前に30gのカゼインを摂取させた結果、全身のタンパク質バランスが改善され、筋繊維に組み込まれるアミノ酸が作り出されました。[2]
より筋肉がつきやすい体を目指したい方は、就寝前にカゼインプロテインを取り入れてみましょう。
【おすすめできない?】体に悪いと言われるカゼインの噂9つを徹底検証
減量や筋肉のつきやすい体作りが期待できるカゼインですが、体に悪いからおすすめしないとの噂が立っていることも事実。
ここからは、カゼインが体に悪いといわれている噂を徹底検証していきます!
噂1:便秘になる
1つ目の悪い噂は、カゼインプロテインを飲むことで便秘になるというもの。
カゼインは胃酸によって凝集反応を起こすため、カゼインを消化する酵素が少ない体質の方は、便秘になる場合があります。
たしかに、日本人をはじめとしたアジア人は、カゼインを消化する酵素が少ない・・・。
乳糖分解酵素を作り出す遺伝子で比較した場合、北欧人を100とすると、アジア人は5%ほどしか保有していないとのデータも存在するんです。
しかし、カゼインを消化する酵素が少ないからといって、病気になるわけではありません。
大腸に善玉菌が多ければ乳糖は分解され、便秘のような不快症状も出にくいことが明らかになっています。
便秘が不安な場合はカゼインプロテインに加え、善玉菌を増やす働きが期待できる食材を積極的に摂取しましょう。
善玉菌を増やす食材は、乳酸菌やブルガリア菌が入ったヨーグルトや、納豆やチーズのような発酵食品です。
噂2:アナフィラキシーショックが出やすい
カゼインプロテインの摂取により、アナフィラキシーショックが起こる可能性があるとの噂も。
アナフィラキシーショックとは、スズメバチに刺されたときに発生するもので、最悪の場合死に至ることもあります。
twitterでも、アナフィラキシーショックを避けるためには、カゼインを摂らないほうがよいと考えている方がいました。
カゼインさえ入ってなければアナフィラキシーショック起こさないのでは
(引用元:Twitter)
アナフィラキシーショックはアレルギーに対する免疫反応であって、カゼイン自体が体に悪いから発生しているわけではありません。
ただ、カゼインプロテインは牛乳由来のため、牛乳アレルギーの方は何らかの症状が出る危険性があります。
とくに注意すべきは、カゼイン由来の添加物である「カゼインNa」。
強い抗原性があるため、カゼインNaが含まれているタイプのプロテインは避けるべきです。
カゼインNaに関しては、実際にメディカル日経でも次のような指摘がされていました。
カゼインナトリウムの抗原性は非常に強く、ごく微量でもアナフィラキシーを起こす患者がいるため、注意が必要です。牛乳アレルギー患者に対しては、食品表示に「乳化剤(乳由来)」と表示された食品の摂取は避けるよう指導する必要があります。
引用元:臨床:牛乳アレルギーで注意すべき乳化剤がある?:DI Online
牛乳アレルギーの方はカゼインプロテイン、とくにカゼインNaが含まれているタイプのものは避けましょう。
噂3:麻薬の一種『モルヒネ』に類似した物質が体内精製される
カゼインの摂取により、麻薬の一種であるモルヒネに類似した物質が、体内で精製されるとの噂もあります。
自閉症を患っている場合、特殊な酵素によりカゼインがカソモルフィンに変異することは事実。
カソモルフィンはモルヒネよりも強い快楽物質で、自閉症の特徴としても挙げられる認知能力の欠如や行動の原因になります。[3]
しかし、自閉症を患っていない場合、カゼインの摂取により体内でカソモルフィンが精製されることはありません。
とはいえ、牛乳にまったく中毒性の物質が含まれていないわけではないため、注意しておきましょう。
実際、牛乳にはオピオイド受容体(麻薬性鎮痛薬)の成分が、微量ながら含まれていることが確認されています。[4]
しかし、微量のオピオイド受容体により中毒症状が発生したとの報告はありません。
牛乳やカゼインでも同様の実験は存在しないため、常識の範囲内で飲んでいれば体に悪影響はないと判断できます。
噂4:鉄分を過剰に吸収し副作用が起こる
カゼインプロテインを飲むと鉄分を過剰に吸収し、副作用が起こるとの噂もあります。
たしかに、カゼインプロテインは鉄分の摂取を助ける働きがあるため、過剰吸収の可能性がないとは言い切れません。[5]
カゼインは、アミノ酸が多数結びついた構造をしているもの。
体内でカゼインが消化されるとアミノ酸の結びつきが短くなり、鉄分の吸収を高めるCPP(カゼインホスホペプチド)が発生します。
鉄分を過剰に吸収した場合の副作用は、便秘や胃腸障害、その他ミネラルの吸収阻害など。
しかし、ソイやホエイとカゼインの鉄分吸収率を比較した実験では、ソイやホエイの20%増し程度の結果でした。[6]
カゼインプロテインの摂取のみでは、大きな問題にはならないと考えられます。
噂5:腸の粘膜を傷付け、腸内の炎症が継続
カゼインは胃酸により凝縮された状態で腸に送られるため、腸に負担をかけるとも噂されているもの。
腸に負担がかかると炎症が発生し、リーキーガット症候群になるといわれています。
リーキーガット症候群とは、腸のバリア機能が崩れることで、異物や未消化のタンパク質が体内に取り込まれる症状。
全身の炎症や、アレルギー反応を引き起こすといわれています。
調査の結果、たしかに類似の実験データは存在しました。
カゼインが豊富な食事をネズミに摂取させた実験では、リーキーガット症候群を表す、ゾヌリンと呼ばれるタンパク質が増加しています。
しかし、クリンダマイシンと呼ばれる医薬品を与えている、特殊な場合での実験データであることも事実。
この実験データのみでは、カゼインが体に悪いとは言い切れません。[7]
噂6:ルチンが少なく筋肉増強には向かない
カゼインプロテインはルチンが少ないため、筋肉増強には向かないとも噂されているもの。
たしかに、ホエイのほうが26%も多くルチンが含まれていることは事実です。[8]
ルチンとはBCAAのひとつで、筋肉を作るために重要なアミノ酸の一種。
筋肉中のタンパク質分解を抑えるほか、体作りにも深く関わっているものです。
しかし、筋肉増強にはほかのアミノ酸とのバランスや、前述したアナボリックホルモンとの関連性も重要。
カゼインプロテインも筋肉増強に役立っているため、一概におすすめできないとはいえません。
噂7:カゼインががん細胞の成長を促す
なんと、カゼインが癌細胞の成長を促すとの噂もあります。
噂の原因は、カゼインの55%を構成するαカゼインにあり。
実は、カゼインはαとβとKに分類できるのです。
調査の結果、αカゼインが癌細胞の成長を促すとの論文を発見しました。
αカゼインを与えた際、前立腺がんの原因となるPC3とLNCaPが増殖しています。[9]
論文のみを見ると、カゼインプロテインは癌細胞の成長を促す物質だと感じるかもしれません。
しかし、実は前立腺がんの直接的な原因は遺伝要素が最も強いんです。
58%もの前立腺がんは、DNAによる遺伝子的な問題により発生すると報告されています。[10]
前立腺がんの原因まで含めて考えると、カゼインプロテインがおすすめできないとまでは言えません。
噂8:チョークを食べるのと同じ?
カゼインプロテインの摂取は、チョークを食べることと同じだといった声も。
たしかにチョークの中には、カゼインNaが使用されているものもあります。
しかし、そもそもカゼインNaはカゼインとは異なる物質。
カゼインNaとはカゼインを原料としたもので、水に溶かしやすくするために加工を施しています。
主な使用用途は乳化剤・安定剤・強化剤で、畜肉加工品や水産練り製品など、さまざまな食品にも使用されているもの。
牛乳アレルギーの方はアナフィラキシーショックの恐れがあるため、避けたほうがよいですが、基本的には口にしても問題ない物質です。
チョークを製造していた日本理化学工業株式会社によると、2015年までのダストレスチョークにはカゼインNaが使用されていました。[11]
しかし、あくまでも粉が出にくい点や安全性を考慮した上で、カゼインNaを採用していた模様。
チョークにしか使用できない素材をプロテインにするような、体に悪いとあからさまに判断される事態は発生していません。
噂9:認知症など脳の病気の原因に繋がる?
カゼインプロテインによって腸が炎症を起こすと、脳機能にも悪影響を及ぼし、認知症のような病気に繋がるとの噂もあります。
なぜなら、脳と腸は生物にとって重要な器官であり、密接に影響を及ぼしあうと考えられているから。
しかし、そもそもカゼインによって腸の炎症が引き起こされる可能性は低いため、脳に悪影響を及ぼす危険性も低いといえます。
カゼインプロテインのようなタンパク質は、むしろ脳機能にポジティブな影響が期待できるもの。
慢性的なストレスを抱えている方は、ポジティブな傾向がとくに顕著に表れます。
なぜなら、タンパク質に含まれるトリプトファンは、落ち着きやリラックスをもたらすセロトニンのもとだから。
セロトニンが発生することで心や脳が落ち着き、結果的に脳機能の改善に役立ちます。
カゼインと脳機能の関連性は、ネズミの実験ではあるものの実証済み。
軽度のストレスを与えたネズミにカゼインを10週間投与した結果、セロトニンなど神経伝達物質の発生が増加しました。
一方、脳機能にネガティブな影響をもたらす物質の発現は減少しています。[12]
カゼインプロテインが原因で認知症になる危険性は低いため、安心してください。
結論:常識の範囲内なら問題はなし
カゼインプロテインに関しては、体に悪いからおすすめしないとの声もありますが、基本的には心配する必要はありません。
実際、海外の医療系ウェブメディアである「WebMD」や「Healthline」にも、カゼインに大きな副作用はないと記載されています。
カゼインプロテインは、むしろホエイやソイより優れている点もあるもの。
体に悪いと決めつけて避けてしまうのは、もったいないといえます。
ホエイとカゼインを混ぜたプロテインも販売されているため、上手に取り入れて効率的なボディメイクを実現しましょう。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
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