人間は寝ている途中でも見知らぬ人の声を警戒していることが判明!

公開日:2022/02/17

  • 記者 WRITERみり
    みり

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    長い1日が終わりやっと家でゆっくり…ごはんを食べた後ゴロゴロテレビを見ていると睡魔が襲ってきてそのまま寝落ち。

    誰しもが経験があると思います。

    床で眠ったわけでもなく、ベッドや布団の上で割と長時間眠ったのに、次の朝なんだか寝た気がしないことありませんか?

    これには科学的な理由があったのです。

    今回の新しい研究では、潜在的な危険に備えて人間の脳は睡眠中に聞き慣れない声を警戒するため、見知らぬ音声を聞きながら眠るときちんと休めないことが明らかにされました。

    参照記事:Why falling asleep in front of the TV leaves you tired: Unfamiliar voices heighten your brain activity and stop you getting a restful night’s sleep, study finds

     

    オーストリアの研究者は、睡眠中の成人の脳の動きを2つの異なった状況で検証しました。

    聞き慣れている声を聞いた時と、知らない声を聞いた時です。具体的には、両親や恋人などの親しみのある音声と、全く知らない人の音声が交互にスピーカーから流されました。

    参加者は睡眠ポリグラフィ装置により、就寝中の脳波や呼吸、筋肉や心臓の動きなどがモニターできます。

    睡眠 研究

    すると、睡眠時に聞き慣れない声を聞いた人の脳は、入眠直後のノンレム睡眠中(脳が眠っている状態)でもその声に注意を払おうとしていました。

    知らない人の音声を聞いた時、脳波にはK複合体と呼ばれる特徴的な波形を示しやすいことが分かったのです。K複合体は音などの感覚刺激で誘発されるものですが、親しみのある声の時と比べると刺激に対する反応の度合いが大きかったとのこと。

    このデータから、眠っている間も私たちの脳は周囲に気を払い、睡眠を確保しつつ、万が一目覚める必要がある状況に備えていることが分かります。

    人類の進化をさかのぼると納得のいく機能ではありますね。

    睡眠時に何かに襲われるなどの潜在的な危険から身を守るには、当然いつもと違う音声に反応する必要がありました。

    その名残から、聞き慣れない声、テレビの音声などは脳の警戒を高め安らかな睡眠を妨げるのです。

    眠りにつこうとする時、近所から聞こえる騒音が日中に聞こえるよりも気になるという人もいるでしょう。

    眠りにつく前はリラックスしていて、アルファ波が出現します。

    この状態では、聴覚がより敏感になることが分かっています。

    眠りに落ちて安全かどうか、脳が見極めようとしているのかもしれません。

    睡眠 騒音

    そして実験中は同じ音声が使用されましたが、実験が進むにつれて参加者は知らない人の声にも慣れてきて、反応が緩やかになっていたそうです。

    このことから睡眠中でも、脳は得た情報を学んでその後に生かしているということがうかがえます。

    音声は具体的に、参加者自身の名前と参加者が知らない人2名の名前を読み上げるというものでしたが、見知らぬ名前に対して特に変わった反応は見られませんでした。

    つまり、内容ではなく、純粋に音声に反応するということになります。

    これも起源を思えば当然。

    見知らぬ人や動物が近づいてくるのを警戒するのであれば、音声を拾うことが重要であり、内容は関係ありません。

    音声がすべてダメなのではなく、見知らぬ音声が睡眠を妨げるという事です。

    赤ちゃんでも、ちょっとした物音ですぐ起きてしまうからと、家族の方がつま先歩きで起こさないように家の中を移動する…なんてよく聞く話です。

    また、お腹の中にいる時でさえ、臨月には母親の声で心拍数が増え、知らない女性の声を聞くと減少するのだそうです。

    睡眠中の音に対する反応は、ずっと以前から人間に備わっている身を守る本能。

    寝落ちしてしまうくらい疲れている時ほど、音声をシャットアウトしてゆっくり休むことが大切です。

    ウトウトしてきたら、テレビや動画を止めて、1日頑張った脳みそが一晩中警戒していなくてもいいようにしてあげましょう。

     

    ※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

    • 記者 WRITERみり

      ケーキと菓子パンが主食の20代後半に全身に蕁麻疹が何度も出て30代から一転健康志向に。「穏やかに心身健康」をモットーに南の島で生活中。早朝に浜辺を愛犬と散歩するのが日課。世界のいろんな人の変わったニュースを読むのが趣味。

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