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【検証】オナニーと筋トレなど筋肉に関する5つの都市伝説解明
公開日:2020/01/17
更新日:2022/02/09
男性の私生活の一部であるオナニー(自慰)。
筋トレブームもあってかオナニーと筋肉に関する噂はたくさんあります。
オナ禁で男性ホルモンが増える、オナニーをし過ぎると筋肉が減るなど。
一体これらの噂は本当なのでしょうか?
実際に調査してみました。
Contents [目次を開く]
自慰と筋肉に関する噂や都市伝説
男性の私生活の一部と言っても過言ではない行為がオナニー(マスターベーション)。
2017年にテンガヘルスケア社が行った5000名以上を対象にした「全国男性自慰行為調査2017」によれば、日本人のオナニー平均頻度は週に2.94回[1]。
つまり男性は平均して週に約3回ほどオナニーをしているのです。
そんな事もあってかSTERON編集部に届く質問の中でも、オナニーと身体の健康に関するテーマは非常に多いのです。
最近特に増えてきているテーマがオナニーと筋肉(筋トレ)の関係性についての質問。
実際にネット上でも筋トレと自慰行為に関する噂が散見されます。具体的に世間の声や質問を覗いてみましょう。
オナニーは筋肉を付けるのに大事なモノなどを出すから筋トレに悪影響っていうの聞いたのですが本当ですか?(引用:Yahoo知恵袋)
マスターベーションとは精子や精液などを体外に排出する行為。筋肉増強に必要な栄養が排出されてしまうのでは?と不安に感じる男性も多いのです。
筋トレをすると男性ホルモンが増えますが、筋トレ後にオナニーをしてしまうと、増えた男性ホルモンは減りますか?(引用:Yahoo知恵袋)
オナニーと男性ホルモンに関するテーマの質問も非常に多いですね。
確かに男性ホルモン(テストステロン)は筋肉の合成を促進します。自慰行為がホルモン分泌に大きな影響を与えるのでは?という考えから筋トレを台無しにしてしまうと信じている男性も多いようです。
オナニーと筋肉に関する噂調査
オナニーによる筋トレへの悪影響に関する噂は本当なのでしょうか?
今回はそんな自慰行為が筋肉合成に与える影響について、科学的な根拠に基づき解説をしていきます。
噂1.射精するとタンパク質が出ていく
まずオナニーと筋トレの関係性について良く聞くのが、マスターベーションをすると筋肉が付きづらくなるという噂。
筋力アップに必要なプロテイン(タンパク質)が射精時に体外に排出されてしまうため、せっかく筋トレ後にプロテインを飲んで意味がないのでは?という懸念。
この質問に回答するのは非常に簡単。精液に含まれている成分を調査すれば良いだけだからです。
医療誌「Journal of Andrology」に掲載された調査結果によれば、精液の成分は1%の精子と残り99%は酵素やタンパク質、ミネラル分等である事が判明しました[2]。
厚生労働省によると成人男性に必要なたんぱく質の量は一日あたり60g[3]。筋トレをしている男性であれば倍の120gの摂取も良しとされています。
男性の精液100mlに含まれるたんぱく質の量は約5gです[4]。平均的な男性の一回あたりの射精量は約3.7mlと言われているので、30回射精をしても一日当たりに必要なたんぱく質の十分の一にも満たないのです。
つまり結論としてはどれだけ自慰行為を行って射精したところで、筋肉合成に必要となるタンパク質が大きく欠如する事はないのです。
噂2.オナ禁による筋力増強効果
続いてよく聞く都市伝説がオナ禁をすると筋肉が付きやすくなるという噂。
特によく聞くのがオナ禁をすると男性ホルモンが増える。男性ホルモンには筋肉を増やし、脂肪を燃焼させる効果があるので、結果的にオナ禁が筋肉増強に効果的という内容。
まず最初に説明しておきたいのが男性ホルモンの役割について。
確かに男性ホルモンの一種であるテストステロンを増やす事で、筋トレをより効率的にする事が可能です。実際に筋肉が豊富で体脂肪の少ないアスリートは一般男性よりも遥に遊離テストステロン量が高いのです。
順天堂大学の研究院のFink Julius氏は、テストステロンとは筋肉を太くするための信号を細胞核から送る働きをすると発表しています[5]。
となると論点になるのがオナ禁に筋肉の合成を促進するテストステロンを増やす効果があるのか否かです。
結論を言ってしまう数日間~数週間のオナ禁はテストステロン量を増やす効果があります。
中国の大学(Hangzhou Normal College)が28名の男性にオナ禁をさせた結果、オナ禁1週間後の血中テストステロン量が45%も上昇していた事も確認されています[6]。
しかし注意して頂きたいのが長期間のオナ禁は逆効果であるという事。
イタリアの大学(University of L’Aquila)の研究チームが83名の被験者に3カ月間オナ禁やその他一切の性行為禁止をさせた結果、総テストステロン量は37%減、遊離テストステロン量は29%も低下したのです[7]。
つまりオナ禁は長くても数週間程度にしておかないと、せっかくの筋トレの効率が落ちてしまうのです。
噂3.オナニーによる男性ホルモン量低下
オナニーをたくさんすると男性ホルモン量が低下して、筋肉が減ってしまうという噂も聞きます。
たしかに短期間のオナ禁には筋肉の源となるホルモン量を増やす効果があります。
では逆に高頻度でマスターベーションを行って、射精をたくさんするとテストステロン量は低下するのでしょうか?
最初に結論を言うとこれは単なる噂にすぎません。
確かに人間は性的な興奮をするとテストステロン量が増えて、射精するタイミングで一時的にテストステロンは低下します。
しかしテストステロン量が低下するのはほんの一種。直ぐに通常値まで回復すると言われています。
つまり自慰行為をして程度で筋トレの効果が薄れる事などまずありません。
噂4.筋トレ後と筋トレ前で効果が違う
筋肉とオナニーに関する噂の中には、オナニーのベストなタイミングについての議論もあります。
これは筋トレ後のオナニーが良いのか?筋トレ前のオナニーの方が良いのかというもの。
結論を最初に発表してしまうと、筋トレ前も筋トレ後も関係ありません。関係ないと言い切れる理由は次の2つ
- 精液で排出されるタンパク質は微量
- 射精一回でホルモン値はほとんど変化しない
むしろ意識すべき点はオナニーによる自分自身のメンタル面への影響。
実際に性的な絶頂(イクという行為)にはストレスを緩和する効果があります。
アメリカの大学(Northwestern University)研究チームによれば、絶頂時にはドーパミンやノルアドレナリン、幸せホルモンであるオキシトシン等の気分を高める物質が分泌される事が確認されています[8]。
例えば気分が乗らないのであれば、サクッとマスターベーションをしてジムに行くべき。逆にオナニーをすると疲れてしまうのであれば、しっかりと運動した後に自慰行為に入るべきです。
人それぞれベストなオナニーのタイミングは異なるという事です。
噂5.オナニーの脂肪燃焼効果で痩せる
さて最後に紹介する筋肉とマスターベーションの関係性の噂は、筋トレというよりはダイエット効果。
筋トレや有酸素運動は確かに脂肪を燃焼させる効果が期待出来ます。しかし中にはオナニーをするだけで体重を減らすオナニーダイエットという言葉があるのです。
アメリカのメディア「The SUN」によると射精の際に消費されるカロリーは約60~100キロカロリー[9]。
絶頂の際は体中の血管や前立腺や骨盤付近の筋肉が激しく収縮する事でカロリーを消費する効果があるとされています。
では一体オナニーをするだけでどのくらい痩せる事が出来るのでしょうか?
1キロ痩せるために必要な消費カロリー量は以下の通り。
1カ月で1kgの脂肪を減らすために消費すべきエネルギーは、7200÷30=240kcalとなり1日あたり240kcalになります。毎日240kcal分のエネルギーを多く消費する、もしくは摂取を抑えられれば1カ月で1kgの脂肪を減らすことが出来るのです(引用:株式会社タニタ)
一日に240キロカロリーを消費していけば、一カ月間で1キロ痩せる事が出来るという事。
オナニー1回で60~100キロカロリー痩せられる事を考えると、オナニーダイエットだけで一カ月に1キロ痩せるには一日に最低2.4~4回毎日行う必要があるのです。
残念ながら運動せずにオナニーだけで脂肪を燃やしてスリムな体を手に入れるのは非現実的ですね。
【まとめ】オナニーが筋トレに与える影響は少ない
今回はオナニー(自慰)が筋肉に与える影響について、様々な噂を調査しました。最後に今回の調査の結果を少しまとめてみました。
- オナニーは筋肉合成にほとんど影響しない
- 精液に含まれるタンパク質はごく微量
- 短期間のオナニーは男性ホルモン量を増やす
まとめとすると、基本的にオナニーを少ししたくらいで筋トレの効率が下がったり、筋肉量が低下するような悪影響はほとんどありません。
オナ禁は確かに一時的に筋肉増加と関係性の高いテストステロン量を増やす効果があります。
しかし長期間に渡るオナ禁は逆効果になるという調査結果も存在します。
もしあなたが筋肉を効率的に付けたいのであれば、余計な事をせずに自分に合ったタイミングと頻度を継続する事が一番なのかもしれません。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
記者 WRITERHIROSHI
STERON編集部
健康食品のOEMメーカーにて10年間勤務。その後性に関する某ベンチャー企業にて商品の企画開発に従事。
仕事でもプライベートでも性を医療的側面から見ているので、常に冷静な顔でとんでもないページを見ています。
過去の経験を生かし、科学的な根拠にもとづいた記事の執筆を心がけています。
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