【統計から読み解く】アメリカで幽霊を信じる人が急増したワケ

公開日:2022/02/19

  • 記者 WRITER
    Takano

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    あなたは幽霊の存在を信じますか?

    昔から世界的にメジャーな論争ですね。

    この問題を統計学の観点から分析した人がいるんです。

    CNNのデータ・レポーター、ハリー・エンテン氏(以下ハリー氏)は、データ分析が大好きなジャーナリスト。ロジカルな彼は、もちろん幽霊なんて信じていませんでした。

    ところが、このところアメリカで幽霊を信じる人が急増している事に興味をもち、自身のポッドキャストで話をすることに決めたのです。幽霊の正体は統計学的に明らかになったのでしょうか?

     

    参照記事:https://edition.cnn.com/2021/09/21/politics/harry-enten-podcast-margins-of-error-ghosts/index.html

     

    ↑アメリカのジャーナリスト、ハリー・エンテン氏

    ハリー氏の話によると、アメリカで幽霊を信じる人が1970年代から現代にかけて4倍にも増えているのだそう。この数字がハリー氏の興味を駆り立てました。

    さらに幽霊を信じている人や専門家の話を聞き、幽霊を信じる人が増えたのは、社会の多くの問題に関連していることを発見しました。

    つまり、幽霊を信じる人が増えたのには社会的な不安が個人の精神に影響を及ぼしていることが原因ではないかと考えられるのです。

    不況

    確かに、不安な時や大きなストレスを抱えた時は、普段起こりもしないネガティブなことを考えてしまいますよね。

    となると、みんな恐怖の対象として幽霊を見ているのでしょうか?意外にもハリー氏はこう語っています。

    「幽霊は恐ろしいものと思われることが多いですが、多くの人にとって幽霊は、わたしたちのもとを去った家族や友人の思い出を伝えてくれる存在であることがわかりました。アメリカ人の1/4が、幽霊を信じているだけではなく、実際に見たと言っているのも不思議ではありません。この取材を通して、いろいろな人から話を聞き、さまざまなことを理解していくうちに、自分の信念が揺らぎはじめたことを感じました。」

    ハリー氏は、親しい友人が5人以下しかいない人の割合が1990年には35%だったのが、今は60%にものぼっていることに注目しています。

    なるほど…つまり、幽霊は孤独に対する安らぎを与えてくれる存在でもあるのですね。

    hug 安らぎ

    いずれにせよ、社会的・個人的な不安が幽霊を信じる人の数に影響を与える…という仮説は、あながち間違いではなさそうですね。

    最後にハリー氏はこう語っています。

    「みなさんには、世界はわたしたちが思っているよりも複雑で入り組んでいるということを学んでほしいと思います。

    わたしたちにこれからどうすればいいのか教えてくれるものはたくさんありますが、それはその日のニュースとは関係ないものかもしれません。

    もちろん、幽霊の話だけをするつもりはありません。

    日々の生活に影響のあるトピックを統計的に掘り下げていくことが目的です。」

    あなたも一見するとあまり関係のない統計データの関連性に注目することで、思いもしなかった原因や解決策が出てくるかもしれませんよ。

     

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    • 記者 WRITERTakano

      自動車関連会社で社内翻訳に従事するかたわら、ミステリーやエンタメの書籍の翻訳も手掛けてきました。代表作には『空飛ぶモンティ・パイソン』などがあります。
      趣味は旅行と読書、それに語学です。中国に留学し、香港で働いた経験もあります。今はイタリア語を学習中です。

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