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【論文で裏付け】タルトチェリーに期待できる7つの健康効果
公開日:2023/02/06
更新日:2023/02/28
数あるチェリーの中でも、『タートチェリー(タルトチェリー)』をご存知ですか?
アントシアニンやビタミンA、メラトニンなどを豊富に含むタートチェリーには、さまざまな健康効果が期待されています。
今回は臨床データをもとに、タートチェリーの効果を7つお伝えしましょう。
Contents [目次を開く]
タルトチェリー(タルトチェリー)とは?
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、タルトチェリー(タルトチェリー)は要チェックの健康成分です。
モンモランシー種と呼ばれるさくらんぼの一種ですが、非常に酸味が強いためサワーチェリーに分類され、スイートチェリー(普通のさくらんぼ)と区別されています。
イラン、トルコからドイツまでの地域では伝統料理の材料として人気があり、その名の通りタルトなどのお菓子、ジュース、肉料理、ジャムなどに使われてきました。
抗酸化作用や抗炎症作用があるポリフェノールの一種アントシアニンを100gあたり約33mg含有しており、ビタミンAはスイートチェリーの約20倍、イチゴの100倍以上も入っています。[1]
さらに睡眠成分メラトニンも豊富で他のチェリーの数倍、100gあたり1,346ng含むとのこと。[2]
色々期待できそうですね。
この記事では臨床データに基づき、タルトチェリーの7つの効果をご紹介いたします。
タルトチェリーの効果7つ
ではここから、タルトチェリーの効果を7つご紹介します。
タルトチェリーに豊富に含まれるアントシアニンは、病気の予防だけでなく、生活の質を向上させるのにも役立つ成分です。
健康的な生活を送るためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
運動後の筋肉ダメージ回復
タルトチェリーは、国際オリンピック委員会(IOC)から筋肉へのダメージ軽減や回復に期待できる成分として認められています。
2018年、IOCは医学・科学委員会の検討を踏まえて「栄養補助食品とハイパフォーマンスアスリートに関する合意声明」を発表しました。
その中(表5)でタルトチェリーを取り上げ、運動の前後に摂取すると抗炎症作用で筋肉ダメージ軽減や回復に役立ったと評価。[3]
この合意声明は、サンパウロ州立大学などブラジルの大学研究グループによる2015年のレビューに依拠しています。
レビューの検討対象は臨床試験6件、被験者は合計130人のアスリート。
運動の種類はランニング、サイクリング、肘や膝の屈伸運動など様々ですが、みなタルトチェリージュース500~600ml程度を数日間飲みました。
すると体内の抗酸化成分や抗炎症成分が増加し、筋力回復、筋力低下防止、筋肉痛緩和などの効果が得られたそうです。
運動後、筋肉内部では活性酸素が増加して細胞膜が傷ついたり、炎症によって細胞死が促されたりして、筋肉へのダメージが発生します。
そこでタルトチェリーを摂取すると、有効成分アントシアニンが抗酸化と抗炎症に効果を発揮するわけです。[4]
例えばノーザンブリア大学での2010年の臨床試験は、マラソン後の回復効果を報告しています。
被験者が5日前から236mlのジュースを毎日2回飲み続けると、完走48時間後の膝伸展筋力は試験前を超えました。
一方、プラセボ(偽薬)を飲んだ被験者の筋力の回復は90%にとどまっています。[5]
睡眠改善
タルトチェリーは筋肉ダメージ回復と同じ成分の働きで、睡眠改善にも効果的と考えられています。
2019年、レタケニー工科大学などアイルランドとイギリスの国際研究グループが、アスリートの睡眠と栄養の関係に関するレビューで2件の臨床試験に注目しました。
2010年ロチェスター大学(アメリカ)では、高齢男女15人(平均年齢71.6歳)がタルトチェリージュース8オンス(約236ml)を朝晩2回、2週間摂取した効果を調査。
プラセボと効果を比較したところ、不眠重症度指数(ISI)は13.2対14.9、中途覚醒(WASO)は62.1分対79.1分となり、優位が確認されたそうです。[6]
2012年にはノーザンブリア大学のマラソンの臨床試験を行なった研究グループが、ボランティア20人を対象に睡眠改善効果の臨床試験も行なっています。
タルトチェリー濃縮液30mlを1日2回・7日間摂取すると、プラセボ摂取者に比べ就寝時間(ベッドに入っていた時間)が24分、実際の睡眠時間も34分長くなりました。
さらに睡眠効率は82.3%に上昇、昼寝の時間も22%減少したそうです。[7]
この試験では、タルトチェリー摂取で体内のメラトニンが増加したことも確かめられました。
メラトニンは夜になると脳にある松果体から分泌され、眠気を促すホルモンとして知られています。
イギリスのレビューグループによれば、メラトニンは睡眠改善に役立つだけでなく抗酸化成分も増加させるので、筋肉ダメージ回復促進にも効果があるそうです。
痛風の軽減
タルトチェリーには痛風の症状を和らげる効果もあります。
ノーザンブリア大学などイギリスでの2014年の臨床試験では、20代の健康な被験者12人がタルトチェリー濃縮液60mlを摂取しました。
すると1時間後には血液中のアントシアニン濃度が増加し、8時間後には尿酸値が178µmol/l(36%)減少。
また、2時間後に尿中の尿酸値が250%に増え、体内の炎症を示すたんぱく質hsCRPの血液中の濃度が29%減少したそうです。[8]
2019年にはアメリカのメンフィス大学とアリゾナ州立大学の研究者グループも、BMI平均31.3の肥満男女26人を対象に同様の臨床試験を行いました。
この実験ではタルトチェリージュース240mlを4週間飲み続けたところ、血液中の尿酸値が19.2%、hsCRP が19.4%減少したそうです。[9]
尿酸の排出が促される一方、アントシアニンなど抗酸化成分が体内の炎症を押さえて痛風の症状を改善できたと考えられます。
中国の河池市第三人民医院と台湾の大学などの研究グループは、これらの結果を踏まえて2019年にレビューを行い、チェリーの中でもタルトチェリー摂取が尿酸値低下にポジティブな効果があると評価しました。[10]
鎮痛効果
タルトチェリーは筋肉痛だけでなく、様々な病気の鎮痛でも効果が報告されています。
2013年ペンシルバニア大学(アメリカ)の研究グループは、変形性膝関節症のグレード2(初期)または3(進行中)の患者58人に対する効果を調べました。
平均年齢56.7歳の被験者が間に1週間の休薬期間をおいて、タルトチェリージュースとプラセボのブラックチェリージュース236mlを6週間ずつ摂取して効果を比較します。
タルトチェリージュースを飲むと、症状全般を評価する関節症スコア(WOMAC)が46.1から39.2へ、6.9ポイントの大幅改善。
一方、ブラックチェリージュースでは45.8から43.0に、2.8ポイント改善にとどまりました。
苦痛スコアでは42.1から36.3への5.8ポイント改善に対し、41.5から40.0への1.5ポイント改善となり、タルトチェリーが明らかに優位を示しています。
血液中のhsCRP濃度もタルトチェリージュースを飲むと下がり(平均23%減)、ブラックチェリージュースを飲むと大幅に増加(同51%増)。
特にhsCRPが10%以上改善した被験者では、それ以下の被験者と比べて関節症スコアも苦痛スコアも30%近い差が出たとのことです。
この結果から、抗炎症効果が症状改善と鎮痛に役立ったと考えられています。[11]
また、2022年にはマーシャル大学(アメリカ)の臨床試験で乳がん患者の鎮痛も検証されました。
被験者は平均年齢約60歳でアロマターゼ阻害薬を使用中の乳がん女性48人。
この薬は関節痛誘発によって患者が治療を続けられなくなるケースがあるため、鎮痛は文字通り死活問題です。
23人が約30gのタルトチェリー濃縮液を水に薄めて4週間飲むと、苦痛のスコア(VAS)が平均49.39から32.13へと大幅改善し、4人が苦痛がなくなったと回答。
一方、プラセボシロップを飲んだ25人は44.20から40.08の小幅改善でした。[12]
心臓病の予防
シーラーズ医科大学などイランの研究グループは、2022年8月の最新レビューで心臓病を予防する効果も示唆しています。
10件の臨床試験で被験者合計272人が130~480mlのタルトチェリージュースを飲むと、空腹時血糖が0.51mg/dl減少し、インスリン濃度も低下。
脂質の状態でも、動脈硬化の原因になる中性脂肪トリグリセリド(TG) が4.82mg/dl、悪玉コレステロール(LDL)が4.16mg/dl減少し、善玉コレステロール(HDL)が3.76mg/dl増加するなど改善が見られました。
レビューによれば、タルトチェリーは3つの要素で心血管疾患を予防します。
まず、アントシアニンなどポリフェノールが抗酸化作用で悪玉コレステロール増加などを防止。
その次に、乳酸菌などを増やして腸内環境を改善し、脂質の状態を改善し、腸内の炎症を抑制します。
さらに、100gあたり161mgもカリウムを含んでいるので血圧を低下させるとのことです。[13]
認知機能の保護
タルトチェリーは肉体だけでなく、頭脳の健康維持でも期待できます。
2017年、ウーロンゴン大学(オーストラリア)では、重症ではないものの認知症がある49人の高齢者を対象に、タルトチェリージュース200mlの効果を検証しました。
ジュースを6週間摂取した24人は言語流暢性、言語の聞き取り、聞き取り内容の記憶などの認知タスクで改善が見られました一方、プラセボジュースを飲んだ25人には改善はなかったそうです。[14]
2021年にマイアミ大学を中心とするアメリカの研究グループは、認知機能に有効な21種類の成分の一つとしてタルトチェリーをレビュー。
抗酸化・抗炎症効果がある上に、アントシアニンがニューロンを炎症から守り、脳内の血流量を増やし、認知機能のための神経生成を促すと評価しています。
ただし、ある臨床試験で一度飲んだだけでは効果がなかったので、長期間摂取する必要があるとのことです。[15]
免疫力強化
タルトチェリーの抗炎症作用は、かぜなど上気道症状(URTS)の予防にも役立つと示唆する研究成果も出ています。
2015年、ミドルセックス大学などイギリスの5大学が行なった共同研究では、マラソン完走後の免疫力への影響を検証しました。
被験者となったマラソンランナー男女20人は平均年齢37.5歳、18人が2008年のロンドンマラソンを完走、残り2人も2週間後のロンドンでマラソンを完走した強者ぞろい。
うち10人がマラソン5日前から2日後までの8日間、タルトチェリージュース236mlを2回摂取しました。
この分量でチェリー50~60個分のポリフェノール600mg、アントシアニン40mgを含みます。
その後体内の炎症を調べたところ、免疫グロブリンA(sIgA)という抗体は、期間中100μg/ml程度で安定。
一方ただの果物ジュースを飲んだ10人では、試験前の100μg/ml程度からマラソン24時間後に150μg/mlを超えるレベルまで増えました。
血流中のCRPという抗体も、プラセボグループは24時間後にほぼゼロから30mg/lに大きく増えましたが、摂取グループは約半分の15mg/l程度の増加にとどまっています。
そして、プラセボグループは半数の5人が上気道症状を訴えたのに対し、タルトチェリー摂取者では症状は発生しませんでした。
マラソンランナーは過呼吸のためウイルスや有害物質を通常より多く吸い込んでしまいますが、タルトチェリー摂取で炎症を抑制できたのです。[16]
安定的に摂取するならサプリがおすすめ
以上、タルトチェリーの様々な効果を見てきました。
運動や睡眠に役立ち病気の予防もできる上に、苦痛も緩和できる魅力的な天然成分ですね。
ただし、妊婦はサプリやジュースでの摂取は避けるべきです。
タルトチェリーそのものの事例ではありませんが、含有成分のうちビタミンAには過剰摂取で胎児の奇形リスクがあり[17]、アントシアニン過剰摂取で胎児の動脈管早期閉鎖が起きたため帝王切開した事例もあります。[18]
授乳期間の女性や病気治療中など特別な事情がある人も、お医者さんと相談したほうがよいでしょう。
それ以外の人の摂取目安量は、臨床試験を踏まえるとアントシアニン40mg程度までは特に問題は起こらないと考えられます。
とはいえ、チェリーそのものの品質にはばらつきもあるうえ、毎日お菓子や料理を作るわけにもいきませんよね。
ここはやはり、サプリで効果を見極めつつ摂取するのがよいでしょう。
生活の質を向上できるタルトチェリー、アスリートにも健康が気になる人にもおすすめです。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
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