記者 WRITERSTERON編集部
HIROSHI
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- ソイプロテインのせいで勃起しない?精力減退は本当?男の疑問を解決
筋トレをする男性が愛用するプロテイン。
実はプロテインと性欲や勃起力に関する噂はたくさんあります。
その中でも良く聞くのが「ソイプロテインで精力が低下する」というものです。
その真偽を徹底調査します。
Contents [目次を開く]
健康食品業界で近年急成長しているのがプロテイン市場です。健康産業新聞によると、プロテインは過去5年間において毎年平均12%成長しているそうです[1]。
私たちの身の回りでもそれを実感する事は多いですね。
スポーツをしていない男性でも、健康維持やボディメイクのためにスポーツジムに通い始め、トレーニング終わりには多くの人がプロテインを飲んでいます。
プロテインの粉末やシェイクが身近になったこともあり、健康意識の高い人の間で話題になっているのが「ソイプロテインに精力減退効果がある?」という疑問です。
実は日本だけではなく、海外でも「ソイプロテインは危険」、「すぐにやめた方が良い」という噂を聞きます。
今回はソイプロテインと勃起や性欲などの男性機能との関係性についてを解説します。
ソイプロテインとは
まずはソイプロテインとは何なのか?
ソイプロテインの正体を解説します。
ウィダーやその他健康食品などを開発販売する森永製菓さんはソイプロテインについて次のように紹介をしています。
ソイプロテインは、大豆から油脂を絞った後に、タンパク質を取り出したものです。植物由来の「大豆タンパク質」がたっぷり含まれているのです。(出典:森永製菓)
つまりソイプロテインとは名前の通り、ソイ(大豆)を主な原料とした、プロテイン(タンパク質)の粉末です。
大豆を使った植物性のプロテインなので、脂肪やコレステロールが少なくヘルシーなため、筋肉量アップだけではなく、ダイエットの目的でも人気の商品です。
ソイプロテインの特徴とは
- 大豆(ソイ)が主成分の植物性タンパク質
- 植物性のタンパク質なので脂肪やコレステロール過剰摂取の心配が少ない
- 脂肪成分が少ないのでいつでも飲める
ソイプロテインとホエイプロテインの違い
プロテインの粉末やシェイクには大きく2種類の商品が存在します。動物性のタンパク質を原料とする「ホエイプロテイン」と植物性のタンパク質を使った「ソイプロテイン」です。
筋力アップやボディメイクなどを目的に若い男性に人気なのがホエイプロテインです。ホエイプロテインは動物性のタンパク質を原料にしているため、大きな筋肉を作るのに適しています[2]。
動物性のタンパク質のホエイプロテインは吸収率が高く、筋トレ後の傷ついた筋肉を回復し、より大きくするのに適しています。
逆にソイプロテインは吸収されるまでに時間が掛かることから、短期間で大きな筋肉を作る事には適していません。しかし、配合されている脂肪が少ない事ため、よりヘルシーとされています。
ソイプロテインとホエイプロテインの違い
- ソイプロテインは植物性、ホエイプロテインは動物性のタンパク質
- ソイプロテインは脂肪が少なくヘルシー
- ホエイプロテインは吸収されやすいので、より短い時間で筋肉量を増やすのに効果的
精力の源「テストステロン」に影響はない
吸収に時間はかかりますが、よりヘルシーでダイエット目的で人気のソイプロテイン。
なぜソイプロテインには勃起力低下や精力減退の噂が付きまとうのでしょうか。
良く聞くのは次のような噂です。
- ソイプロテインを利用すると男性ホルモン量が低下する
- 女性ホルモンが増えるので、勃起しなくなる
- 勃起力だけではなく、性欲まで低下してしまう
結論から言うとソイプロテインに勃起力を低下させるような副作用はありません。(正確には医学的な根拠はない)
また、ソイプロテインを飲む事により、精力の源となるテストステロン(男性ホルモンの一種)を低下させるような効果もありません。
国際性機能学会(International Society for Sexual Medicine)によると、ソイプロテインは男性ホルモンを低下させるという噂が存在するが、テストステロンとは関係がない、低下させる効果も上昇させる効果もないと発表をしています[3]。
2010年にミネソタ大学(及びLoma Linda University)が過去47件の男性ホルモンとソイプロテインに関する実験結果を分析し、ソイプロテインにはテストステロンの上限には大きな影響を与えないと結論を出しました。
また勃起機能の低下やEDの原因になるといった噂も医学的な根拠は存在しません。
勃起力低下の噂の理由4つ
精力低下や勃起力と関わりの強いテストステロンという男性ホルモン。
ソイプロテインはテストステロンに与える影響はほとんどない事が分かっています。
しかしなぜ精力減退や勃起力低下といった男性機能低下に関する噂が立つのでしょうか。その主な理由を紹介します。
性欲の源である亜鉛の吸収阻害の可能性
ソイプロテインに性欲の低下や勃起力ダウンといった副作用があるという噂が立つ理由の一つには「フィチン酸」が挙げられます。
性機能と非常に関わりの強い成分の一つに亜鉛というミネラル分があります。
亜鉛には男性ホルモンを増やす事により、性欲の向上や健康的な精子を増やす効果があります。亜鉛の不足は精力の減退やED(勃起不全)を引き起こすリスクがあります[4]。
専門機関による調査ではソイプロテインに含まれるフィチン酸には亜鉛の吸収を阻害する作用がある事が判明しました[5]。
亜鉛不足はもちろん男性機能低下のリスクを高め、性欲や勃起機能、精子の質などの悪化の危険性も考えられます。
しかしソイプロテインに含まれているフィチン酸にはそこまで強い副作用はありません。ソイプロテイン以外にも亜鉛等のミネラル分を含む通常の食事を取っているのであれば、心配する必要はないでしょう。
大豆は女性ホルモンと同じ働きをする
2つ目の理由としてはソイプロテインに含まれるフィトエストロゲン(植物エストロゲン)と呼ばれる物質です。
フィトエストロゲンとは大豆などの植物に含まれる成分で、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするとされている物質です[6]。
女性ホルモンが男性の体内で増え過ぎると、もちろん性機能に悪影響を与える可能性があります。
しかし粉末のプロテインやシェイクで利用する大豆は基本的にアルコールと水で消毒されています。この時にほとんどのフィトエストロゲンが排除されているため、勃起機能や性欲減退の心配をするほどの副作用はありません[7]。
遺伝子組み換え大豆の危険視
勃起機能や精力低下と直性の関係性はありませんが、大豆の中には遺伝子組み換え技術を利用して作られた商品が存在します。近年の健康ブームもあり、遺伝子組み換え技術を危険視する風潮が強まっています。
しかし実は遺伝子組み換え技術に関する危険性やデメリットには医学的な根拠がないのです[8]。
また最近では遺伝子組み換え技術を使用していないソイプロテインもたくさん販売されています。
もし気になるようであれば遺伝子組み換え技術を使用していない商品を利用するようにしましょう。
ソイプロテインは女性に愛用されている
4つめの理由としてはソイプロテインが女性にも愛用されているということです。
筋肉量を効率的に増やす効果が期待出来るホエイプロテインはまさに男らしさの象徴でもあります。
定期的な運動や筋肉の量はテストステロン量とも密接な関わりがあります。屈強な肉体を持っているテストステロン量の多い男性は強い勃起力や性欲などがあるとされています。
筋肉量アップのためのホエイプロテインは男のための商品という印象が強いです。
しかしソイプロテインは脂肪が少なく、ヘルシーなためダイエット目的の女性にも人気なのです。また、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似た働きをする事から、女性ホルモン低下に悩む更年期障害にも効果的と言われています。
ソイプロテインはホエイプロテインよりも男性らしさが少ない事も理由の一つにあるのでしょう。
精力低下の副作用はないけど
ソイプロテインに精力の源であるテストステロンの量を低下させるような副作用はありません。
しかし全くないのかという質問に対しては断言が出来ません。少なからず性機能を高める効果のある亜鉛などのミネラル分の吸収を妨げる効果があるとする調査結果も存在します。
もしどうしても心配なのであれば、ソイプロテインではなく、ホエイプロテインを利用してみるのもありです。
しかし脂肪量はソイプロテインよりも多く含まれているため、「運動量を増やす」、「寝る前には飲まない」といった工夫も必要です。
また勃起力や性欲等をより効率的に高めるのであれば、男性向けのサプリメントの利用もおすすめです。性欲を高める亜鉛や、勃起機能を改善するアルギニンやシトルリン等の成分がバランスよく配合されています。
性機能低下は健康悪化のサイン
もしあなたが勃起力の低下や性欲減退、男性不妊などの症状で悩んでいるとしても、プロテインが影響している可能性は低いでしょう。
男性の下半身は体の中でも非常に繊細な部分の一つです。心や体の調子が悪い時に真っ先に勃起不全や性欲減退といった症状になって現れます。
プロテインの効果や副作用の影響もゼロではありませんが、まずは自分の体調や体形、心の健康などと向き合ってみましょう。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
記者 WRITERHIROSHI
STERON編集部
健康食品のOEMメーカーにて10年間勤務。その後性に関する某ベンチャー企業にて商品の企画開発に従事。
仕事でもプライベートでも性を医療的側面から見ているので、常に冷静な顔でとんでもないページを見ています。
過去の経験を生かし、科学的な根拠にもとづいた記事の執筆を心がけています。
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