疲労時の意図しない勃起「疲れマラ」とは?仕組みを大解明

公開日:2019/01/09
更新日:2022/02/09

下半身を隠す

性的な興奮を感じていないのに発生する勃起「疲れマラ」とは?
なぜ発生してしまうのか、どうすれば防ぐことが出来るのかを解説します。

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    MASAJI(STERON編集部)

一生懸命仕事をしてやっと一息というときに、気が付くと自分の股間が膨らんでいるなんて経験はありませんか?

その現象を「疲れマラ」と呼びます。

自分ではコントールすることが出来ないその勃起、なかなか収まってもくれないですよね。

今回はこの疲れマラがなぜ発生してしまうのか、どうしたら収めることができるのかを解明していきます。

 

疲れマラとは一体何なのか

疲れマラとは?なぜ発生するの?

勃起とは本来、性行為やマスターベーションをする時や、性的な興奮を感じた時に発生するものです。

疲れマラとはそのような性的な興奮とは関係なく、脳が身体をコントロールできていないことから起こる勃起現象です。

「ばてマラ」と言われることもある疲れマラは、残業続きで自分を追い込んでいるとき、勉強で徹夜続きのときなど、過度に疲労した状態のときに起こりやすいです。

場所や時間を問わず発生する可能性があるため、学生であれば授業中に、社会人であれば通勤中など人前で勃起してしまうこともあります。

 

疲れマラのメカニズムとは

疲れマラのメカニズムとは?

コントロールが難しい疲れマラですが、そのメカニズムには二つの説が唱えられています。

一つは、疲労の蓄積で脳が「身体が危険」だと判断し、子孫を残す本能が働くことで勃起を促す説。

このときに活性化するのが神経伝達物質のカテコールアミンです。

血管を収縮させる作用があり、血圧が上昇を促します。その結果、ペニスへの血流が増加し、勃起へと至るのです。

ちなみに、このカテコールアミンの血管収縮の特性から、血圧が上がり心筋梗塞などの病気を引き起こすことも懸念されています。心筋梗塞が過度な疲労により引き起こされるといわれるのは、疲労時にこのカテコールアミンが増加するためです。

二つ目が、人によってはこの疲れマラが「朝勃ち」と同じメカニズムだという説。

レム睡眠という言葉を聞いたことがあると思います。レム睡眠は身体を眠らせて脳は活動をしている状態を指します。

疲れマラの場合は、身体を酷使し疲れた状態が、眠っている状態と似ているとされ、なおかつ脳は活動を続けています。

条件がほぼ同じで勃起が起こるため「疲れマラ」と「朝勃ち」、この二つは同じメカニズムなのではとも言われています[1]

 

意図しない勃起を抑える方法3つ

では実際意図しないタイミングで疲れマラが発生したとき、どう対処するのがよいのでしょうか。3つの解決策をご紹介します。

 

1.足を少し浮かせてそのまま留める

勃起は陰茎に血液が集まることで起こります。

つまり、陰茎に流れ込む血液の量を減らすか、集まった血液を放出することが出来れば、自然と勃起は収まっていきます。

足を浮かせてそのまま留まらせることにより、股関節の血管が収縮し、陰茎に流れ込む血液の量を抑えることが可能になります。椅子に座っている状態であれば、両足を浮かせることでより効果的です。

30秒ほどで効果は現れますから、ミーティング中でもすることができますね。

 

2.全身に力を入れる

全身に力をいれることで、勃起は収まります。

彼女とデート中や大勢の人がいる場所では足を浮かせるなども不自然な行動です。

そんな際、目立った動きをせずに勃起を収める方法も存在しています。

それは全身にギューッと力を入れること。それだけです。全身に力を入れることは自律神経の中の交感神経を優位にする意味があり、勃起が自然と収まっていきます。

これならば立っている状態でできますし、周囲から変な目で見られることもないでしょう。

ただ力を入れている間、顔にも力が入ってしまって変な表情をしないように気を付けてくださいね。

 

3.冷たいものを陰茎に当てる

気温 寒い

寒いとき、陰茎は小さくなりがちです。

お風呂に入る際、脱衣所でとても小さくなっている自分の陰茎を見た事がある人も多いでしょう。寒いと血行が悪くなり、ペニスへの血液の流入量が減少するためです。

さらに精子の製造には一定の熱が必要なので、睾丸の温度が低くなると、それ以上熱が逃げないようにペニスの表面積を縮小させるメカニズムを持っているのです。同じように勃起時も、冷たいものを陰茎に当てると勃起は収まっていきます。

とはいえ外出時では冷たい氷が都合よくあるわけでもありませんし、水風呂等に入れるわけもありません。

多少冷えるだけでも勃起は収まっていきますから、コンビニや自販機で買った飲み物などをズボンの上から当ててあげると良いです。彼女とデート中などではあまりあからさまに使える手ではないのが難点ではありますね。

 

疲れマラを回避する3つの対策

ここまで、疲れマラが意図しないタイミングで発生してしまったときの対処法をお話ししました。

しかし、一番は疲れマラを発生させないことです。疲れ等の体調面が直結することはここまででご紹介しましたが、ここからは疲れマラを回避するための具体的な行動をご紹介します。

 

1.しっかりと休養を取る

しっかりと質の良い睡眠を取ることが疲れマラを発生させないためには重要

”疲れ”マラ、というくらいです。一番の原因である疲労を蓄積しないことが最も大切にです。夜更かしをせず、睡眠をしっかりと取ること。

最低でも6時間、ベストは7時間以上確保することです。

睡眠の質が悪化すると、十分な疲労回復が行われず、疲れマラに繋がります。お風呂に浸かり身体を温めるなどで睡眠の質を向上するように意識しましょうね。

とはいえ、忙しいスケジュールの中でゆっくりお風呂に浸かったり、睡眠を十分に確保するのは難しいかもしれません。そんな時はお昼休憩などの際に、少しでも仮眠をとりましょう。

 

2.食生活に気を遣う

健康的な食生活も疲労回復のためには重要。それによって疲れマラを回避することができる。

忙しい日々を送っている方は食事にあまり気を遣わなくなってきます。

インスタント食品ばかり食べてしまってはいませんか?

残業が多くてコーヒーや栄養ドリンクを沢山摂取していませんか?

食生活が悪くなると体力の回復が遅くなり、疲労がどんどん蓄積されていきます。滋養強壮成分が入った食べ物を摂取するようにして、改善を図るようにしましょう。

特におすすめなのが血流や代謝を促進する働きのあるアミノ酸を豊富に含んだ鶏卵、精子の成長を促すビタミンやミネラルをバランスよく含んだ納豆です。

身近なものでありながら優れた滋養強壮効果があり、疲労回復に一役買ってくれます。他にも牡蠣や鰻、アサリなども滋養強壮効果でいえばとても優秀な食材です。

アミノ酸や鉄分、亜鉛、多くのビタミンが含まれたサプリメントで補うことも検討しましょう

また、コーヒーや栄養ドリンクを飲む行為は、カフェインによる覚醒作用が強く働き、疲れマラを誘発してしまう恐れがあります。

前述した睡眠の質にも影響が及びますから、必要以上に摂取することは控えましょう。

 

3.思い切って一度射精する

1度射精をしておくことでも、意図しない勃起を回避することができます。

なにをやってもなかなか収まらないという方は、思い切って射精してしまうことも一つの手です。

勃起する際それを手助けする物質として「サイクリックGMP(グアノシン一リン酸)」が発生するのですが、射精をするとその勃起を抑えようとする物質「PDE(ホスホジエステラーゼ)5」が働きを強めます。射精後に小さくなるのはそのためです[2]

この働きを利用して、一度射精することにより、疲れていたとしてもそう簡単に疲れマラに繋がらないように促せます。

ただ自宅なら良いですが、外だとその選択はなかなかとりづらいですね。もし疲れマラが頻繁に起こると感じるのであれば家を出る前に一

度射精するなどしてコントロールするように意識するのも良いかもしれません。

 

まとめ

疲れマラとは、体調に大きく左右され、特に疲労が蓄積した状態、自分を追い込んだ状態で起こりやすいものです。

意図しないタイミングで勃起して恥ずかしい思いをする前に、適度に休息を取り、栄養や睡眠にも気を遣うことで、疲れマラが発生しにくい身体を作りましょう。

それでもどうしても疲れマラにより勃起してしまう時は、身体を動かしましょう。

ウォーキングなどでも抑えることは出来ますが、全身に力を入れる程度でも効果があります。

最後に、疲れマラは体調が優れていないことのサインでもあります。疲れマラが起きた=何らかの体調が発生していると考えて行動することでより体調面のリスクを抑えることが出来ますよ。

 

※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERMASAJI(STERON編集部)

    STEORN編集部
    「性をロジカルに」をモットーに記事を執筆。これまで感覚的に語られてきた”性”というテーマを学術的・科学的根拠に基づいて伝えていきたい。ティーコンシェルジュの知識を活かし、健康問題の解決に向けたハーブティーのブレンドもこなす。

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