効果抜群?ハンバーグが最強の筋トレ食である14個の理由

公開日:2023/08/30
更新日:2023/08/29

ひき肉と野菜のみじん切りを合わせて作る『ハンバーグ』。
特に男性人気の高い食べ物の一つですが、実は「筋トレに向かない」なんて噂も…。
そこで今回はハンバーグが本当に筋トレに向かないのか、栄養素と論文を駆使して調査してみました!
食べるタイミングや種類も詳しく解説するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

  • 記者 WRITERステロンライター
    Gen

活力の源となるハンバーグ。

筋トレ中にも食べても良いのでしょうか?

今回はハンバーグが筋トレにどんな影響をもたらすのかを解説しましょう!

 

ハンバーグに含まれる栄養素一覧

まずは、一般的なハンバーグに含まれる栄養素をご紹介します。

※ハンバーグ100gあたりの含有量[1][2]

  • たんぱく質・・・10.5g
  • 脂質・・・15.3g
  • 糖質・・・7.1g
  • 食物繊維・・・0.6g
  • 鉄・・・1.3mg
  • リン・・・100mg~120mg
  • 亜鉛・・・1.1mg~5.2mg
  • カリウム・・・218mg
  • カルシウム・・・18mg
  • マグネシウム・・・16mg
  • ビタミンA・・・24μg
  • ビタミンE・・・1.1mg
  • ビタミンB1・・・0.15mg
  • ビタミンB2・・・0.15mg
  • ビタミンB3(ナイアシン)・・・4.2mg~5.9mg
  • ビタミンB6・・・0.19mg
  • ビタミンB12・・・0.7μg
  • ビタミンD・・・0.3μg
  • ビタミンC・・・3mg
  • ビタミンH(ビオチン)・・・12.7µg
  • パントテン酸・・・1.16mg

上記栄養素は、最もスタンダードな牛&豚の合いびき肉を使用した際の成分です。

ハンバーグにはたんぱく質など三大栄養素の他、カルシウムなどのミネラル類も含まれています。

またビタミン類も豊富で、特にビタミンB群を多く含むのが特徴的です。

 

ハンバーグが筋トレに効果的な理由14個を徹底解説!

様々な栄養素が含まれるハンバーグ。

からだづくりや健康に興味のあるトレーニーなら既にお気づきかと思いますが、ハンバーグは筋トレに効果的な食べ物です。

そこでここからは各栄養素の論文をもとに、ハンバーグが筋トレに効果的な理由14個を詳しく解説します!

 

1.筋肉の素となる豊富なたんぱく質

筋トレする全ての人が意識する栄養素といえば『たんぱく質』

三大栄養素の一つであり、筋肉を合成するために欠かせない栄養素です。[3]

ハンバーグには筋肉の素となるたんぱく質が豊富に含まれています。

使用する肉の種類を変更すると、より多くのたんぱく質摂取も可能です。

  • 鶏むね肉・・・たんぱく質量23.3g[4]
  • 豚ロース肉・・・たんぱく質量22.7g
  • 牛もも肉・・・たんぱく質量21.3g

たんぱく質=鶏ささみ肉のイメージが強いですが、鶏むね肉や豚肉も優れています。

また、たんぱく質は筋肉を合成するだけでなく、筋肉細胞の修復にも使用される重要な栄養素。[3]

ハンバーグに含まれる糖質と同時に摂取するとたんぱく質代謝や合成も促進されるため、非常にバランスの取れた筋トレ向きメニューといえます!

よりたんぱく質を効率的に摂取するなら、吸収率を高める以下の栄養素も併せて摂取したいところですね。

  • ビタミンB6・・・たんぱく質の分解・合成のサポート
  • ビタミンB2・・・たんぱく質分解の補助
  • ビタミンC・・・たんぱく質(コラーゲン)生成の促進

ハンバーグには、たんぱく質の吸収率を高める栄養素もしっかりと含まれています。

 

2.エネルギー代謝の促進

ハンバーグにはエネルギー代謝の促進が期待できます。

どれほど優れた栄養を摂取しても、それらをエネルギーや肉体に変換できなければ意味がありません。

ハンバーグに含まれる栄養素の中で、エネルギー代謝の促進が期待できる成分は『脂質』です。

ボディメイクを目的として筋トレする人にとっては、排除したい成分の一つでしょう。

しかしながら脂肪細胞は、エネルギー代謝を促進するレプチンと呼ばれるホルモンを分泌します。[5]

交感神経を活性化させて中性脂肪の分解を促し、肥満要因への作用も期待されるほどのホルモンです。[6]

糖脂質代謝調節作用を持っているため、抗肥満ホルモンなどと呼ばれる場合もあります。[7]

また、レプチンには強力な食欲抑制作用もあります。

非臨床実験ではありますが、マウスの脳室内や末梢にレプチンを投与した結果、摂食量の減少が確認されました。[8]

つまり、脂質は食欲を制御し摂取エネルギー量を減らしながら、内部のエネルギー代謝を加速させる成分なのです。

ちなみにレプチンは脂肪が少ないほど分泌量も低下し、身体はより一層脂肪を蓄えようとします。

そのため、過度な脂質排除はエネルギー代謝を低下させるばかりか、脂肪が蓄積しやすい身体にもなるため注意しましょう!

 

3.筋肉をスムーズに動かすATP合成

ハンバーグには『リン』と呼ばれる栄養素が含まれており、筋肉をスムーズに動かすサポートをしてくれます。

筋トレで身体を動かす際に必要になるのがATP(アデノシン三リン酸)

ATPはアデニンやリボースなど、3種類のリン酸から構成される高エネルギー性化合物です。

ATP分解により放出されるエネルギーを利用し、筋収縮が行われます。

そのためATPを構成するリンが不足するとATPそのものが減少し、筋肉が動かしにくくなるのです。

マウスを使った実験ではありますが、リンの減少によりATP合成が50%も低下しました。[9]

低リン血症による筋力低下の可能性も示され、実際にリンの含有量の正常化に合わせて筋肉の正常化も確認されています。

またATPは体内に貯蓄されていますが、ごくわずかなためリンなど必要な栄養素の定期的な摂取とスムーズな生成が重要です。

スムーズな生成には複数のビタミン類が必要になります。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • パントテン酸
  • ナイアシン
  • ピオチン
  • ビタミンB12
  • ビタミンC
  • 葉酸

ATPを生成するTCA回路(クエン酸回路)には主に9つのビタミン類が関わっているのですが、ハンバーグには葉酸以外の8つが含まれていました。[10]

 

4.運動パフォーマンスの向上

ハンバーグに含まれる『マグネシウム』には運動パフォーマンスの向上が期待できます。

マグネシウムは筋収縮に深く関係し、さらにエネルギーの産生にも影響する成分。

瞬発力を必要とする運動では糖質、持久力を必要とする競技では脂質がエネルギー源として使用されます。

マグネシウムは糖質・脂質双方の代謝に関わっているため、エネルギー源をスムーズに作り出しパフォーマンスの向上が期待できるのです。

ブラジルのサンパウロ大学では、男子バレーボール選手25名を対象に4週間マグネシウム(350mg)を摂取させました。

その結果、ジャンプ力など運動能力の増加が確認されています。

具体的には最大3cmの増加が確認され、乳酸の大幅な減少によるさらなる運動パフォーマンスの向上も結論付けられました。[11]

イースト・アングリア大学ノリッジ医科大学が行った実験では、マグネシウムと筋肉量に関わるパワーとの相関関係も証明されています。

この実験では18歳~79歳の女性2,570名を対象に、マグネシウムの摂取量と筋肉量を測定しました。

その結果、マグネシウムは筋肉量及びパワーの低下を防ぐ可能性が示され、特に50歳以上の女性に顕著に表れています。[12]

 

5.持久力の向上

ハンバーグに含まれる『鉄分』には持久力の向上が期待できます。

理由はヘモグロビンによる酸素の供給がスムーズになるから。

筋トレで身体を動かし続けるには、エネルギー源と酸素が必要です。

そして、血中のヘモグロビンがエネルギー源や酸素を身体の隅々まで運びます。

ヘモグロビンの生成には鉄分が欠かせないため、鉄分の効率的な摂取は持久力向上に繋がるのです!

アメリカのコーネル大学では、18歳~33歳の女性42名を対象に4週間にわたり鉄分を100mg/日摂取させました。

期間中は15kmのサイクリングタイムや心拍数などを計測し、持久力と鉄分量(血清フェリチン)の相関関係を調査。

その結果、血清フェリチンの増加に合わせて呼吸交換率や作業率に有意な適応が確認されました。[13]

またニューヨーク州立大学が行った実験では、鉄分の筋肉疲労改善作用による持久力の向上も確認されています。[14]

持久力が向上するとトレーニング時間の増加が可能に!

有酸素・無酸素運動を組み合わせた本格的なトレーニングや、ハードな筋トレメニューもこなせるようになるでしょう。

ちなみに鉄分はビタミンCと同時に摂取すると吸収率が高まりますよ!

 

6.カタボリックの抑制

ハンバーグに含まれる『たんぱく質』『糖質』にはカタボリックの抑制が期待でき、筋トレの効果を的確に肉体に反映させられます。[15]

カタボリックとは筋肉の分解を表す言葉。

体内では必要な栄養素と筋トレによりアナボリック(筋肉の合成)が行われ、筋肉は大きく魅力的に整えられていきます。

一方、体内のエネルギー源が枯渇するとカタボリック(筋肉の分解)が発生。

筋肉のたんぱく質を分解しアミノ酸にして、エネルギー源を確保します。

つまり筋トレによってエネルギーを使いすぎるとカタボリックが頻発し、筋肉が大きくなるどころか筋トレするほど減ってしまうのです。

たんぱく質には、血中アミノ酸濃度を一定に保つ作用があります。

血中アミノ酸濃度が低下するとアミノ酸の枯渇を感じカタボリックが生じてしまうため、定期的なたんぱく質の摂取は非常に重要なのです。[16][17]

某有名トレーニーも3時間おきにたんぱく質を摂取していますね。

糖質もまた、たんぱく質と同様にカタボリックの抑制が期待できる成分です。

たんぱく質と糖質を同時に摂取すると血糖値が上昇し、体内ではインスリンが分泌されます。

インスリンはアミノ酸合成を促し、カタボリックを抑制してくれるのです。

 

7.筋肥大を可能にするテストステロンとサポート成分

筋肥大に重要な男性ホルモンの一種であるテストステロン。

このテストステロンの分泌によってたんぱく質の合成や骨格・筋肉の形成が可能になり、大きく境目のはっきりした魅力あふれる筋肥大が実現できます。

ハンバーグに含まれる『亜鉛』『ビタミンD』は、テストステロンの分泌及びサポートが期待できる成分です。

アメリカのウェイン州立大学では、20歳~80歳の男性40名を対象に最長6ヶ月間亜鉛サプリを摂取させ、亜鉛とテストステロンレベルの相関関係を調査しました。

その結果、テストステロンレベルは飛躍的に向上したのです。[18]

分泌されたテストステロンはアンドロゲン受容体と結合し、筋肉を成長させたり筋細胞の破壊を防ぐなど様々な指示系統に活用されます。[19]

そして、ビタミンDはテストステロンの合成量を増やす効果が期待される成分です。

オーストラリアのグラーツ医科大学が行った実験では、ビタミンDとステロイド(テストステロン)生成への関連性が示されました。[20]

また、プロのサッカー選手を対象に行ったポーランドの実験では、6週間のビタミンD補給によってテストステロン値が上昇し、パフォーマンスにも有意な変化が確認されています。[21]

 

8.疲労感の効率的な解消

ハンバーグに含まれる『ビタミンB1』と『その他のビタミンB群』は、疲労感の効率的な解消が期待できる成分。

筋トレでは必要に応じて新しいトレーニングを取り入れたり、回数・時間を増やしたりして意図的に負荷を与えます。

当然ながら疲労感も増すため、摂取する栄養素で効率的に解消しなければトレーニングは続けられません。

カリフォルニア大学では、チアミン(ビタミンB1)欠乏症患者80名を対象にビタミンB1を10mg/日、最大6週間摂取させ、ビタミンB1と疲労感の関係性を調査をしました。

その結果、疲労感による食欲不振や体重減少などの健康状態が大幅に改善

エネルギー摂取量へのポジティブな反応や疲労軽減も確認されました。[22]

そのほか、イタリアの研究では4カ月間のビタミンB1摂取による疲労回復が確認されています。

600mg~1,500mg/日のビタミンB1の摂取により、疲労感や倦怠感が生じていた患者の約80%に改善が見られました。[23]

また、ビタミンB1は他のビタミンB群と同時摂取すると効果が高まります。

主なビタミンB群は以下のとおりです。

  • ビタミンB2
  • ビタミンB3
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12

ハンバーグにはビタミンB1との同時摂取が好ましいビタミンB群全てが含まれているため、相乗効果により非常に高い疲労回復効果が期待できるでしょう!

 

9.除脂肪体重に働きかけ筋肉量の物理的UP

むくみ対策として有名な『カリウム』には、筋肉量の物理的な向上も期待されています。

カリウムの摂取は、鍛えた肉体の維持及び向上に役立つ可能性があるのです。

アメリカの研究機関では、65歳以上の男女384名を対象にカリウム濃度と脂肪及び脂肪以外の身体組織の変化を観察し、カリウムと筋肉量の相関関係を調査しました。

3年間調査した結果、男女ともに筋肉量に関する有意な維持が確認されています。[24]

カリウムは細胞の浸透圧を維持する成分として知られていましたが、脂肪細胞や体液ではない除脂肪体重(LBM)に働きかける可能性が示されたのです。

また、血液中のカリウム値が低下する低カリウム血症になると、筋力の低下も発生します。[25]

詳しいメカニズムは不明ですが、カリウムによる電解質のバランスが保ちにくくなる、または筋膜の損傷が有力です。

他にも、カリウム不足によるインスリン分泌不全が生じ、筋肉細胞の成長が妨げられている可能性も懸念されていました。[26]

 

10.骨を頑丈にし内部から強靭な肉体を作る

ハンバーグに含まれる『カルシウム』には、骨の健康を促進する作用があります。

筋トレでは筋肉のみ注目されがちですが、筋肉を支えてトレーニングの負荷に耐えているのは深部の骨。

骨が脆く不健康な状態になると、その上にある筋肉もまた正常に成長できなくなるのです。

カルシウムと骨については、アメリカで30,970名もの人々を対象に2011~2015年の長期間にわたって大規模な実験が行われています。

カルシウムとビタミンDを継続的に摂取させたところ骨折リスクが15%減少し、大腿骨頸部骨折にいたっては30%もの減少が確認されました。[27]

ちなみにカルシウムは年齢によって吸収率が変化します。[28]

  • 乳児・・・50%
  • 1歳~11歳・・・40%
  • 12歳~17歳・・・45%
  • 18歳~29歳・・・35%
  • 30歳以上・・・30%

吸収率は年齢を重ねるごとに低下するため、カルシウムの吸収率を高める栄養素を同時に摂取するのが望ましいでしょう。

カルシウムの吸収率を高める代表的な栄養素は以下のとおりです。

  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • マグネシウム

ハンバーグには、カルシウムとの同時摂取が望ましい栄養素がしっかりと含まれています。

そのため内部から強靭な肉体を作りたい人には、特にハンバーグがおすすめです!

 

11.血管の健康を保ち栄養のスムーズな運搬を実現

血液循環

ハンバーグに含まれる『ビタミンE』は、脂溶性ビタミンの一種。

強い抗酸化作用があり、血管拡張や血行の改善が期待できる成分です。

筋肉の各組織に必要な栄養素や酸素を効率的に運搬できるようになり、疲労回復や筋収縮などあらゆる面がスムーズになります。[29]

742名を対象に行われた実験では、ビタミンE単独摂取による血管機能の有意な改善が確認されました。[30]

さらに、血管循環の維持筋肉の正常化も示されています。

筋肉の正常化には、ビタミンEが持つ強い抗酸化作用と運動後に生じる酸化ストレスが関係していると判明しました。

別の実験では、血管機能の改善だけではなく血液改善効果も確認されています。

アメリカの病院では45歳以上の女性39,876名を対象に、ビタミンEと血液の相関関係を調査。

ビタミンE摂取グループとプラセボ(偽薬)グループを比較した結果、血栓のリスク軽減が示されました。[31]

つまり、ビタミンEによって血管や血液そのものの改善が期待でき、栄養のスムーズな運搬も可能になるのです!

ちなみにビタミンCと同時に摂取するとビタミンEの抗酸化力がアップしますよ。

 

12.脂肪代謝の活性化によるボディメイク

体脂肪代謝の活性化によるボディメイク効果が期待できるのは、ハンバーグに含まれる『ビタミンB3(ナイアシン)』

ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称ですが、ニコチンアミドはエネルギー産生や糖質・脂質代謝に深く関わり、治療薬としても採用される成分です。[32]

様々な研究により、中性脂肪(トリグリセリド)や悪玉コレストロール(LDLコレストロール)を減少させる効果も確認されています。

アメリカのマサチューセッツ大学では、高脂血症患者らを対象にナイアシン(ニコチン酸)2g/日を摂取させました。

高脂血症患とは、中性脂肪や悪玉コレストロールの代謝ができなくなり、血中の脂質濃度が異常値となる病気です。

結果として悪玉コレストロールは5%~25%減少し、中性脂肪にいたっては20%~50%も低下[33][34]

ナイアシンによる脂質代謝改善動脈硬化予防高コレステロール血症予防など様々な働きが証明されました。

肉体を美しく見せるためには、大きな筋肉を作ると同時に不要な脂肪を排除し、筋肉一つ一つをくっきりと浮かび上がらせる必要があります。

ハンバーグに含まれるナイアシンを摂取し、魅力的なボディを目指しましょう!

 

13.美肌効果による魅力UP

ハンバーグには美肌成分として知られるビタミンCや、コラーゲン合成に必要な鉄分など、美容に関わる成分が含まれています。

ビタミンCやコラーゲンはあらゆるシーンで紹介されているため、今回は知る人ぞ知る『ビタミンA』に注目してみましょう。

活性酸素によるダメージの蓄積は肌の老化を早め、美肌を邪魔する原因の一つ。

活性酸素そのものが悪いわけではなく、過剰産生が問題なのです。

ビタミンAの一つであるカロテノイドには、活性酸素の抑制作用と活性酸素を取り除く効果が確認されています。[35]

さらに、活性酸素により作られる過酸化脂質を予防するはたらきも証明されました。

過酸化脂質は皮膚に痒みを生じさせたり、かぶれや乾燥肌の原因になるなど、肌トラブルのもとです…。

また別の実験では、ビタミンAによるシワなど明らかな外見的変化も見られました。

この実験では35歳~59歳の女性20名を対象に、ビタミンAの一種であるレチノールとレチノイン酸トコフェリル(ビタミンA・E誘導体)を含んだ美容液を4週間塗布。

その結果、シワやハリ、くすみや肌の明るさなどシワグレードスコアに有意な改善が確認されました。[36]

筋肉をより美しく魅力的に魅せるためには美肌ケアも非常に重要。

ハンバーグには今回解説したビタミンAだけでなくビタミンCや鉄分、ミネラル類も豊富に含まれているため、とてもおすすめの食べ物です!

 

14.メンタルサポートによる快適なトレーニングライフ

『ビタミンB1』はエネルギー産生や疲労の軽減作用を持つ成分ですが、メンタルサポートも大いに期待できます。

イランの大学が中心となって行った研究では、チアミン(ビタミンB1)欠乏症によるイライラやうつ病発症に注目し、精神へ与える影響を調査しました。

この実験ではうつ病を抱える51名の入院患者を対象に、チアミンを最長12週間摂取させています。

プラセボ群と比較したところ、うつ病の症状が改善し、精神状態の安定まで確認されました。[37]

別の実験では、50歳~70歳の中国人男女1,587名を対象にビタミンB1濃度を測定し、ビタミンB1濃度が低い人ほどうつ病有病率が高いとの報告もあります。[38]

また、ハンバーグに含まれる『ビタミンB6』にもメンタルサポートが期待できるためご紹介しましょう。

アメリカのタフツ大学が高齢者869名を対象に行った実験では、うつ病とビタミンB6に有意な関係性が確認されました。

ビタミンB6の血中濃度が低い(20nmol/L未満)と、うつ病発症リスクが約2倍高まると示されたのです。[39]

筋トレは日々己との戦いであり、モチベーション維持は重要な要素となります。

そのためハンバーグは筋トレに適した食べ物だと評価できるでしょう。

 

筋トレにおすすめのハンバーグ5選

ハンバーグには筋トレに適した作用を持つ栄養素が豊富に含まれており、トレーニーにとって魅力的な食べ物です。

しかしながら、ハンバーグには様々な種類があります。

そこで気になるのは最も筋トレに適したハンバーグの種類。

ここからは、筋トレに最適なおすすめハンバーグ5選をご紹介しましょう!

 

1.ホルモン分泌を促すならチーズハンバーグ

まずはチーズハンバーグです。

チーズには、チロシンと呼ばれる非必須アミノ酸が豊富に含まれています。

チロシンはアドレナリンやドーパミンなど、カテコールアミンと呼ばれる神経伝達物質に変換される栄養素です。

カテコールアミンは心拍出量や筋肉内の血流を増加させるはたらきがあるので、トレーニングをよりハードに追い込めるようになります。

チロシンの含有量はチーズの種類によって異なるため、下記数値を参考に選んでみましょう!

※チーズ100gあたりのチロシン含有量[40]

  • パルメザンチーズ・・・2,700mg
  • ナチュラルチーズ・・・1,700mg
  • ゴーダチーズ・・・1,500mg
  • チェダーチーズ・・・1,400mg
  • プロセスチーズ・・・1,300

また、チロシンがドーパミンに変換される際にはビタミンB6が必要になります。

ビタミンB6はハンバーグにも含まれているため、チーズハンバーグは理想的な筋トレメニューです。

 

2.たんぱく質をより多く摂取するなら豆腐ハンバーグ

トレーニーが食べ物を考える時、最も重要視するのはたんぱく質量でしょう。

豆腐ハンバーグには、一般的な合いびき肉ハンバーグの2倍以上のたんぱく質が含まれています。

  • 合いびき肉ハンバーグ・・・10.5g
  • 豆腐ハンバーグ・・・23g[41]

豆腐ハンバーグに含まれるたんぱく質量は、鶏ささみ肉100gあたりのたんぱく質含有量と同等です。

また、豆腐の原材料である大豆には脂質や糖質代謝を促すビタミンB群が豊富に含まれているため、体脂肪の効率的な消費も期待できます。

 

3.美味しさとたんぱく質を求めるならチキンハンバーグ

豆腐ハンバーグは低カロリー・高たんぱく質の筋トレ向きメニューですが…肉々しさがなく味気ないところがやや難点。

たんぱく質摂取だけではなく美味しさも求める人には、鶏ひき肉ハンバーグがおすすめです!

使用するひき肉を、合いびき肉から鶏ひき肉に変えるだけ。

その他のレシピは同様です。

たんぱく質量は100gあたり約20g。

また、鶏肉にはたんぱく質の吸収率を高めるビタミンB6も含まれているため、効率的にたんぱく質を摂取できます。

ちなみに主な鶏肉の種類とたんぱく質含有量は以下のとおり。

  • 鶏もも肉(皮つき)・・・16.6g
  • 鶏むね肉(皮つき)・・・21.3g
  • 鶏ささみ肉・・・23.0g
  • 砂ぎも・・・18.3g

100gあたり最もたんぱく質が多く、カロリーが低いのは鶏ささみ肉です。

たんぱく質量は少々減りますが、砂肝は鶏ささみ肉よりも低カロリー。

そのため、使用する部位を変えるとボディメイク向きメニューにもなります!

 

4.プロトレーニーが推奨するハイブリッドハンバーグ

ハイブリッドハンバーグは、使用するひき肉の種類が特徴的。

本来であれば牛肉や豚肉など一種類、もしくは合いびき肉の二種類です。

しかしハイブリッドハンバーグで使用するメイン食材は全部で4種類も![42]

高たんぱく質な肉類に加え、アミノ酸の充実した魚介類と植物食品を使用します。

  • 牛もも肉
  • 豚もも肉
  • 鶏もも肉
  • 水煮ツナ缶
  • もやし

上記食材をフードプロセッサーに入れ粘り気が出るまで混ぜ、その後は成形して焼くだけです。

通常のハンバーグよりもアミノ酸スコアが優れているため、たんぱく質構成がよりスムーズになります。

良質なたんぱく質が摂取でき、筋肥大や筋肉量の増加などが期待できるでしょう。[43]

また、ツナ缶によるDHAやEPAが摂取できる部分もポイントです。

DHAとEPAはどちらもインスリンの働きを活性化します。

EPAには筋肉痛レベルの大幅な軽減筋力低下を和らげる効果なども確認されているため、筋トレに適したメニューです![44]

 

5.ダイエットに最適なのはひじきハンバーグ

筋肉を大きく見せたい人もいれば、スレンダーで引き締まった身体を手に入れるために筋トレを行う人もいるでしょう。

ダイエット重視で筋トレをしている人には、ひじきハンバーグがおすすめです。

ひじきハンバーグの魅力は以下の3つ。

  • 満腹感が強い
  • ミネラル類が豊富
  • 食物繊維が豊富

一般的なハンバーグよりも、カリウムやカルシウムなどのミネラル類が豊富に含まれています。[45]

  • カリウム・・・218mg/893mg
  • カルシウム・・・18mg/118mg
  • マグネシウム・・・16mg/82mg

左側の数値は合いびき肉、右側の数値はひじきハンバーグにおける含有量です。

カリウム量も893mgと豊富ですが、カルシウムにいたっては一般的なハンバーグの約10倍!

食物繊維も充実しているため、血糖値の緩やかな上昇による肥満予防満腹感の継続、そして便通改善も期待できます。

 

筋トレにおすすめのハンバーグの食べ方

ハンバーグの筋トレ効果をより高めたいなら、食べ方にも工夫が必要です。

そこでここからは、筋トレにおすすめのハンバーグの食べ方をご紹介します。

 

ソースにもこだわって

ハンバーグは、デミグラスソースやトマトソースなど様々なソースが楽しめるのも魅力です。

各ソースはそれぞれ作用が異なるため、ご紹介しましょう。

  • トマトソース・・・疲労回復、カルシウム・鉄の吸収サポート(クエン酸、ビタミンC、リコピン)
  • バルサミコソース・・・抗酸化作用、コレステロール抑制、血流促進
  • 和風おろしソース・・・老化防止効果、抗菌作用、消化不良改善
  • 玉ねぎソース・・・不眠症改善、疲労回復、代謝向上、肥満防止

筋トレで蓄積した疲労を回復させたい場合はリコピンが含まれるトマトソースや、玉ねぎソースがおすすめです。

ボディメイクに注力したい人には、イソチオシアネートが含まれている和風おろしソースが適しています。

イソチオシアネートには活性酸素を除去するはたらきがあるため、美肌を目指したい人にもおすすめです。[46]

ただし、イソチオシアネートは揮発しやすいのでなるべく早く食べるようにしましょう!

トレーニングのレベル上げを目指すならバルサミコソースです。

バルサミコにはポリフェノールが豊富に含まれているため、血流促進による栄養のスムーズな循環が期待でき、持久力の向上が期待できます。[47]

 

つなぎを変えて

一般的なハンバーグでは形が崩れないよう、つなぎにパン粉を使用します。

しかしパン粉は100gあたり約400kcalとハイカロリーな食材。

糖質はそれほど多くありませんが、6g含まれているため気になる人もいるでしょう。

そこでおすすめは、つなぎとしてパン粉ではなく麩(ふ)を使用する方法です。

  • パン粉・・・カロリー373kcal/糖質6g
  • 麩・・・カロリー163kcal/糖質2.57g

麩はカロリーも糖質量も、パン粉の半分以下。

麩の他にはおからパウダー高野豆腐もおすすめです。

高野豆腐にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類や、ビタミン類が豊富に含まれています。

女性ホルモンとして有名なエストロゲンに似た働きを持つ大豆イソフラボンも入っているため、代謝アップや潤いを保ちたい人にもおすすめです!

 

食べるのは筋トレ2時間前と筋トレ直後に少量

ハンバーグを食べるタイミングは、筋トレを行う2時間~3時間前が最適

何も食べない状態で筋トレすると交感神経の作用により血液量がアップします。

筋肉の成長が見込める一方、エネルギーの枯渇によるカタボリックが生じる可能性があるのです。

筋肉の中にあるたんぱく質を消費し、エネルギーを作り出そうとしてしまうため、トレーニング前に栄養素を補給しておきましょう。

また、筋トレの直後にハンバーグを食べるのもおすすめです。

たんぱく質の合成速度を最大化できます。[48]

運動前にもたんぱく質を摂取していた場合、運動後のハンバーグは100g程度で十分です。

炭水化物や必須アミノ酸と同時に摂取すると、たんぱく質の合成速度が最大化するだけではなく、運動後の回復促進も期待できます。[49]

 

たんぱく質豊富なハンバーグは筋トレ向き!

ハンバーグは多種多様な栄養素が豊富に含まれ、それぞれの成分が持つ筋トレに関する作用も申し分ありません。

使用するメイン食材やソースも幅広く、より自身が求める効果に合ったレシピを考案できるのも魅力です。

さらにハンバーグそのものの種類も多く、飽きずに続けられるところも筋トレに適しています。

筋トレに関する食事は、一週間や一ヶ月など限度があるものではありません。

ストレスなく長期的に続けられるかが重要です。

そういった意味でも、ハンバーグは筋トレに適した食べ物といえます。

食事メニューには積極的にハンバーグを取り入れ、美味しく楽しく筋トレに励みましょう!

 

※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERGen

    ボクシング歴9年の猛者。独学で学んだ筋トレの知識はプロのボディビルダーに匹敵する。専門知識に基づいた情報をお届けする。

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