ムクナは男性妊活に効果的?臨床データを基に7つの効果を紹介

公開日:2022/12/30
更新日:2023/01/13

パーキンソン病の改善などで医学会から注目されている「ムクナ」。
実は男性の妊活にも効果的であることをご存知ですか?
その秘密は、ムクナに豊富に含まれる成分「L-ドーパ」にありました。
今回は臨床データを基に、ムクナの男性妊活に関する効果を7つご紹介します!

  • 記者 WRITERSTERON編集部
    ニュース担当

ムクナとは?

ドーパミンサプリで人気のムクナ、ご存じの方は多いかもしれません。

アクが強いマメ科の植物で、日本名はハッショウ豆です。

医学界でも注目され、パーキンソン病治療、糖尿病治療、コレステロール対策、抗酸化、抗炎症、抗菌、抗毒など色々な臨床データもありますが[1]、海外では男性妊活に関する研究もかなり進んでいます。

特に興味深いのは、ムクナが妊活男性の身体と心の両方をサポートする点です。

そこで本記事では臨床データに基づいて、ムクナの心身両面にわたる男性妊活効果をご紹介します。

 

ムクナの妊活に関する臨床データ7選

ではここから、実際の臨床データとともにムクナの男性妊活に関する効果をお伝えします。

意外と知られていない効果もあるはずなので、ぜひ最後までご覧ください。

 

1.精子の質を改善

男性妊活と言えば、まず精子の質の改善が重視されます。

インドのCSM医科大学(現キング・ジョージズ医科大学)が2008年に行なった臨床試験では、25~40歳の75人の不妊男性がムクナ豆パウダー5gを3か月摂取して精子の変化を調べ、正常な男性と比較しました。

75人中精子が正常な不妊、精子欠乏症、精子無力症の男性が25人ずつ選ばれています。

3か月後どのグループでも精子の質は改善しましたが、特に精子欠乏症グループの精子の数は1mlあたり平均831万個から5,620万個と、ほぼ7倍に激増

これは健康男性の平均5,807万個とほぼ同じ数です。

精子無力症グループも5,455万個から5,770万個と健康男性に近づき、正常精子の不妊男性に至っては 5,610万個から健康男性を超える7,065万個になりました。

精子無力症で問題となる精子の運動性は、平均12.85%から18.10%へと50%近く増加。

一方、正常精子の不妊男性の運動性が67.15%、精子欠乏症グループが70.80%に達して健康男性を超えているのも注目に値します。[2]

 

2.テストステロンなどホルモンバランス改善

テストステロン

上記の臨床試験では被験者の血液中のホルモンも調べ、テストステロン増加などで精子の質改善に貢献していることも明らかになりました。

健康男性のテストステロン濃度が平均5.63mg/mlに対し、正常な精子の不妊男性 4.49mg/mlから5.72mg/mlに増加。

精子欠乏症グループも3.89mg/mlから5.40mg/mlとなり、健康男性とほぼ同レベルです。

精子無力症グループは始め2.65mg/mlでしたが、3.66mg/mlに大きく増加しています。

テストステロン生成を促す黄体形成ホルモン(LH)も同様で、精子が正常な不妊男性は6.08mIU/mlから7.50mIU/mlに増加して健康男性(7.35mIU/ml)を超えました。

精子欠乏症グループは5.15mIU/mlから7.28mIU/mlに増加、健康男性とほとんど同量に。

精子無力症グループも4.14mIU/mlから5.79mIU/mlに増加して、約40%の大幅改善です。

性腺機能不全の原因になりうる卵胞刺激ホルモン(FSH)は、逆に抑制されています。

開始前の濃度は正常精子グループが7.11mIU/ml、精子欠乏症グループが8.30mIU/mlで、健康男性の6.22mIU/mlと比べて過剰でしたが、それぞれ6.28 mIU/mlと6.32 mIU/mlに減って健康男性とほとんど同じに。

精子無力症グループも7.28 mIU/mlから6.67 mIU/mlとなり、健康男性に近づきました。

 

3.主要成分Lドーパの抗酸化作用

ムクナがテストステロンを増やし、ホルモンバランスを改善して精子の質を改善すると分かりましたね。

では、そのメカニズムは何でしょうか?

2013年、インドの研究機関CSIR-CDRIが行なった動物実験で、主要成分Lドーパの抗酸化作用と判明しています。

この実験ではラットに男性不妊を引き起こすエチニルエストラジオール(EE)を投与した後、ムクナ溶液摂取、Lドーパ溶液摂取の回復ぶりを比較しました。

エチニルエストラジオールは恐ろしい成分で、14日間摂取したラットの精子の数は15%以下、運動性は30%以下に激減しています。

しかし42日後には、ムクナ摂取グループが精液1mlあたり平均2億1,460万個、Lドーパグループが2億550万個と、健康なラット(2億200万個)より増え、運動性もよくなりました。

性ホルモンへの影響でもムクナが最強です。

健康ラットの血液中テストステロン濃度は平均1.25ng/mlでしたが、エチニルエストラジオール(EE)を14日間投与されると0.19ng/mlに激減。

しかしムクナ摂取グループは42日後には3.05ng/mlとなり、健康ラットすら圧倒。

Lドーパグループも1.60ng/mlとなり、健康ラットを超えたのです。

この結果から、ムクナの主要成分はLドーパと分かりました。

さらにエチニルエストラジオール投与後、活性酸素(ROS)の量も激増しましたが、ムクナ摂取で健康ラットのほぼ半分、Lドーパ摂取で3割程度減少。[3]

Lドーパの抗酸化成分としての働きはよく知られていて、国際研究グループによるレビューもあります。[4]

こうしてムクナの男性妊活効果は主としてLドーパによるもので、抗酸化作用が重要な役割を果たすことも分かりました。

最近の興味深いデータとして、東洋大学の研究グループが日本調理科学会で発表したものがあります。

ムクナ豆をペースト状にしてハンバーグに混ぜると、活性酸素消去率7.7%の牛肉ハンバーグが配合率50%で42.0%、70%で57.7%、90%で62.1%まで抗酸化能力が改善し、食感も良好だったそうです。[5]

 

4.主要成分Lドーパで幸福感も増加

ドーパミン

ここまで男性の身体に対するムクナの効果を紹介しましたが、主要成分Lドーパの心理的効果も注目すべきでしょう。

Lドーパは脳内でドーパミンに変化して幸福感を高める効果もあるのです。

2015年、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス)の臨床試験では、20代の男女30人がLドーパ150mgまたはプラセボ(偽薬)を摂取した後、20ポンドもらってギャンブルをした心理状態を調査。

質問への回答から、Lドーパ摂取者の方がポジティブだったと分かりました。

例えば「覚醒しているか眠いか」という質問への回答スコアは、プラセボ摂取者が平均0.18に対してLドーパ摂取者は1.20。

「強いか弱々しいか」のスコアは−0.17対0.68、「頭ぼんやりか頭すっきりか」では0.04対−0.94、「緊張かリラックスか」では−0.04対−0.54といった具合です。

また研究グループは、Lドーパ摂取者はギャンブルで勝った時の幸福感が大きくなった点にも注目しています。

いいことがあった時の幸福感が減少するのはうつ病の重要な兆候なので、Lドーパが脳内でドーパミンに変化して被験者のうつを防止したと結論付けました。[6]

 

5.ストレスによる不妊も軽減

Lドーパは不妊男性のストレスを軽減して精子の質も改善することも分かっています。

2007年、キング・ジョージズ医科大学で不妊男性60人にムクナパウダー5gを3か月間摂取させ、ストレスと精子の質への影響を調べました。

不妊男性には高ストレスの傾向があります。

この試験の被験者も健康男性の不安度回答スコア平均41.0に対して、正常精子男性は50.1、精子欠乏症男性が58.6、精子無力症男性は62.2でした。

これは血液中のコルチゾール濃度でも同様で、健康男性平均10.2μg/dlに対してそれぞれ 14.1、21.5、28.0となっています。

特に精子欠乏症と無力症男性のストレスは深刻なようですね。

しかしムクナ摂取後には各11.6μg/dl、10.4μg/dl、12.6μg/dlとなり、健康男性と大差ないレベルまで低下しています。

心理的ストレスは体内の活性酸素も増加させるため、不妊男性の精液中の過酸化脂質濃度もかなり高かったのですが、大幅に改善しました。

健康男性の平均が2.2nmol/MDAmlでしたが、正常精子の不妊男性は3.4nmol/MDAmlから2.3nmol/MDAml、精子欠乏症男性は同3.3から2.4、精子無力症男性も 3.3から2.4となり、健康男性とほぼ同レベルになっています。

さらに精子の質も改善。

特に精子欠乏症男性の精子の数は688%も激増して、正常男性とほぼ同じ、精液1mlあたり5,000万個以上になりました。

抗酸化作用はLドーパの働きと考えられるので、試験の結果、ムクナに含まれるLドーパがストレスホルモンと酸素ストレスの両方を抑制して精子の質も改善しているのが分かったわけです。[7]

ムクナはストレスを抱えた不妊男性には頼もしい成分ですね。

 

6.媚薬効果で活発な性行動

手をつなぐカップル

性行動を活発にする媚薬効果もムクナの魅力です。

2014年、Dr. ハリシン・ガー・セントラル大学(インド)の研究グループが、伝統医学アーユルヴェーダに登場する媚薬についてレビューしています。

アーユルヴェーダによれば、媚薬には以下の5種類があるとのこと。

  • 精液を増量し精液生成を刺激するもの、
  • 精液を浄化し質を改善するもの、
  • 射精機能を改善するもの、
  • 射精時間を遅らせ、パフォーマンスを改善するもの、
  • 性欲をかきたてるもの

この内ムクナは精液増量と射精遅延の2種類に該当するそうです。

レビューの著者たちは動物実験で確認された効果として、精液生成効果と睾丸や前立腺など男性器のサイズアップを挙げていますが、特に性行動の活発化が注目されます。

実際、ムクナを摂取したラットはマウントと挿入の回数や時間も増えました。[8]

人間のマウントや挿入の回数や時間を調査するのは困難ですが、動物実験で見られる性行動の活発化からはムクナの媚薬効果は期待できそうです。

 

7.「賢者タイム」の原因物質を抑制、性欲減退を防ぐ

最後にご紹介するのは、性欲を減退させるプロラクチン抑制効果です。

プロラクチンというホルモンは、射精直後に血液中で急激に増加して男性の性欲と性行動を抑制するとされています。

日本で俗に「賢者タイム」と呼ばれる現象の原因物質がプロラクチンなのですね。

賢者タイムは射精後自分を守るために発達したメカニズムと推測されていますが、不妊男性には大敵。

2017年、カタールの医師たちが高プロラクチン血症の男性不妊に対する影響を調査し、精子の生成に直接的間接的に悪影響を及ぼすため、妊活には発見と対処が不可欠だとしているのです。[9]

ムクナはプロラクチン対策でも効果を発揮します。

2008年にCSM医科大学が行なった臨床試験では、被験者の血液中のプロラクチン濃度の変化も記録しています。

健康男性の平均濃度が6.68ng/mlで不妊男性3グループの方が高かったのですが、ムクナ5g摂取により正常精子の不妊男性は6.75ng/mlから5.45ng/mlに、精子無力症男症男性は6.92ng/mlから6.16ng/mlに減り、健康男性より少なくなりました。

特に精子欠乏症男性は10.76ng/mlと極めて多かった数値が、7.28ng/mlまで改善しています。

 

まとめ

ここまでムクナと主要成分Lドーパの精子改善・心理的効果を見てきました。

精子の質を改善する成分は色々ありますが、それはいわば妊活の弾丸の性能を高めるもの。

妊活男性が積極的に撃たなければ宝の持ちぐされになってしまいます。

この点、ムクナは妊活男性の士気を高め、取り組みの活発化が期待できそうですね。

「妊活をしなければ…」と頭で思っていても気持ちがついていかない、億劫に感じる男性には特におすすめ。

安全性については、摂取し過ぎると不随意運動、低血圧、幻覚などのリスクがありますが、「『健康食品』の素材情報データベース」は適切に摂取する場合には安全としています。

ただし妊婦や授乳女性は使用を避けるべきとのこと。

また、鞘の毛は「強い刺激性があり、重篤な掻痒や灼熱感、紅斑、黄斑を生じる可能性がある」ため危険です。[10]

摂取上限量は、ムクナの安全性を比較検証した2017年イタリアボローニャ大学の臨床試験が参考になります。

パーキンソン病患者18人がLドーパ約1.3gを含むムクナパウダーを約25g摂取すると、2人に副作用があり、1人は吐き気と眠気、もう1人は眠気を訴えました。

しかしムクナパウダーに似せたナッツとコーヒー豆入りのプラセボでも、同じ18人中1人が眠気を訴えており、大差はありません。[11]

摂取方法は、豆からの摂取も不可能ではありませんが、ムクナ研究者のムクナ会によると色々やっかいなようです。

  • まず生で食べてはいけないし、茎や葉、根は安全上おすすめできない。
  • 煮豆なら一昼夜水に浸した後、圧力鍋で約15分煮るのがよい。
  • 乾燥いり豆はミキサーが壊れるくらい固いので要注意。[12]

これだけ手間ひまかけるくらいなら、サプリで摂取した方がよいでしょう。

1日の摂取量は、臨床試験で一般的なLドーパ150~250mg相当量くらいが無難です。

ムクナ豆のLドーパ含有率は5~9%ですからパウダーで1.5~5g程度。

Lドーパの力で心身両面をサポートするムクナ、前向きな気分で妊活に取り組めそうでおすすめです。

 

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  • 記者 WRITERニュース担当

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