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【臨床データあり】睡眠にアロマが効果的な理由とおすすめ香りランキング
公開日:2023/02/15
更新日:2023/02/16
リラックス効果があるアロマは、睡眠改善にも期待ができると考えられています。
しかし、アロマなら何でもよいわけではありません。
とはいえ、数多くの中から効果的なアロマを探すのは困難ですよね。
そこで今回はアロマが睡眠改善に効果的とされる理由と、おすすめの香り10選をご紹介します!
Contents [目次を開く]
なぜ睡眠にアロマが効果的なのか?
昔から睡眠時にアロマを利用する方は多いのではないでしょうか。
古くは古代エジプトの時代、誰もが知るクレオパトラもアロマを利用したと記されています。
ただし、なんとなくよく眠れると感じる一方、なぜアロマが睡眠に良いかわからない方もいるでしょう。
アロマが睡眠に良い理由は、アロマが人の嗅覚を刺激するためと考えられています。
嗅覚は脳の中で視床下部と呼ばれる部分に作用しますが、この視床下部への働きがリラックス効果をもたらすのです。
視床下部とは、体温や食欲、睡眠といった人間が生きていく上で必要な能力を制御する組織で、海馬と連携して記憶や意識の調整をするとも言われている部位。
つまり、視床下部が香りで刺激されることで睡眠作用をもたらすと考えられます。
特に香り成分は電気信号に変化し、脳により強く作用するため大きなリラックス効果が発揮されるのです。
同じようにリラックス効果があるとされるマッサージと比較しても、触覚よりも嗅覚の方が脳に強く作用するのでアロマのほうがリラックス効果が高いと考えられています。
実際に指圧マッサージとアロマを比較した研究が国立台北大学で行われていたので紹介しましょう。
Yu-Hsiu Kao先生らは、プラセボ水とアロマオイル、指圧マッサージをそれぞれ132名の女性に行い、睡眠の質がどのように変化するか調べました。
その結果、プラセボ水、指圧マッサージ、アロマオイルの順に睡眠の質が高くなったそうです[1]。
指圧マッサージよりもアロマオイルのほうが睡眠の質が高くなった事実が、上述した嗅覚による脳の作用を裏付けています。
このように、香り刺激で脳に直接作用するアロマは睡眠にとって非常に有用であると言えるでしょう。
ですが全てのアロマが睡眠にとって有効なわけではありません。
なぜなら、中にはリラックスするどころか興奮作用があるアロマもあるから。
アロマといえば簡単ですが、実に多くの種類が発売されています。
そのため、アロマを買う前にどういった成分なのか、どのような効果があるのかきちんと調べなければいけません。
また、市販で売られているアロマには「アロマオイル」「エッセンシャルオイル」「精油」など種類があります。
この中で「アロマオイル」は人工的に作られたオイルです。
香りを楽しむ分にはおすすめですが、リラックス効果は「エッセンシャルオイル」「精油」より劣る点に注意しましょう。
人工物よりも天然素材の方が睡眠の質を高めてくれます。
天然物でリラックス効果のある成分を含んだアロマが適切です。
データに基づく睡眠用アロマおすすめ香りランキング
アロマの睡眠に対しての効果はなんとなくご理解いただけたと思います。
前項までをしっかりと読んでいただけたなら、どんな成分が睡眠時のリラックス効果を高めてくれるのか気になったでしょう。
ここからリラックス効果を高めてくれるアロマを紹介していきます。
これらは全て臨床データがはっきりとしていて、多くの方に好まれている順番で紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
10.シダーウッド
まず最初に紹介するアロマはシダーウッド。
シダーとは針葉樹を指し、マツ科やヒノキ科の植物から取れる精油の香りです。
特徴は不安感の緩和や心を落ち着かせる効果が期待できること。
シダーウッドにはセドロールと呼ばれる成分が含まれており、このセドロールが不安感や心を落ち着かせてくれると考えられます。
実際にシダーウッドの効果を検証する実験を、花王の加川大治氏らが行いました。
その実験はカフェインなどで興奮したラットに対してシダーウッドの主成分であるセドロールを投与し、どのように変化するのかを調べたものです。
結果、どのようなラットでも興奮が収まり、セドロールによる鎮静作用が確認されました[2]。
さらにこの実験では嗅覚機能が低下したラットにもセドロールを吸入させたのですが、同様の結果が得られています。
つまり、鼻が詰まっている状態でもセドロールには鎮静作用があると示唆されているのです。
鎮静作用によって身も心も落ち着ければ、ゆっくりと寝れることは間違いなし。
例え花粉症などで鼻炎になっていたとしても、シダーウッドは睡眠にとって有効であると言えますね。
ちなみにシダーウッドは古い日本家屋で香るような、和を感じさせる樹木の香りが特徴的でもあります。
日本家屋的な香りが好きな方で、不安が強い方に特におすすめです。
9.バレリアン
次に紹介するのは西洋カノコソウともいうバレリアン。
ハーブの1種で、古代ローマ時代から薬草として使われてきた植物でもあります。
このバレリアン、実はアメリカでは睡眠用サプリメントとして多く販売されているのです。
その理由はストレスを緩和させて心を落ち着かせ、寝つきの悪さをやらわげてくれる効果が期待できるから。
カリフォルニア大学のStephen Bent氏らは過去にバレリアンを用いた睡眠の研究を調査し、1093名にバレリアンを投与した結果の統計を取りました。
その結果、投与の量や研究方法に違いはあっても、バレリアンによって睡眠の質が向上したと報告しています[3]。
さらに大きな副作用も報告されておらず安全に使用できる点も示唆されていますので、不眠症の人にとってはとても有用なアロマと言えるでしょう。
注意点としては、少し香りが強く刺激的である点です。
もし実際に利用される場合には、低濃度での使用をおすすめします。
8.サンダルウッド
サンダルウッドは日本では白檀と呼ばれる香木で、ほとんどの方が線香やお寺の香りとして嗅いだ経験があるアロマです。
日本人にとっては馴染みの深い香りのアロマですが、眠りを深くする効果が期待できます。
緊張や不安感の緩和効果があるためで、実際に睡眠障害を持つ患者を対象にした実験で良い結果が出ているので紹介しましょう。
その実験はイギリスの王立マーズデン病院のJeannie Dyer氏らによって行われ、内容はがん患者にサンダルウッドのアロマスティックを渡して使用してもらうというものです。
がん患者の多くは病気に対する不安が要因で睡眠障害を発症するため、アロマスティックによって変化が起こるかを調べました。
結果92%の被験者が継続的に使用したいと答え、そのうち64%が睡眠の質が良くなったと報告しています[4]。
なんらかの原因で不安や緊張感が強く、夜寝にくいという方はぜひサンダルウッドを使用してみてください。
7.カモミールローマン
7位に紹介するのはカモミールティーでお馴染みのカモミールローマン。
3時のおやつなど、リラックスしたい時にカモミールティーを飲む方も多いのではないでしょうか。
実はカモミールローマンにはリラックス効果があるので、カモミールティーをリラックスしたい時に飲むのはとても理にかなっているのです。
実際にカモミールローマンには強い鎮静作用が期待でき、海外でも鎮静剤や鎮痛剤、睡眠導入剤として利用されています[5]。
カモミール・ローマンの特徴成分であるアンゲリカ酸エステル類は、高い鎮静作用を持っています。自律神経を整え、不安やイライラを和らげてくれるでしょう。それに加え、リラックス作用もあることから、安眠効果も期待できます。(引用:Her ELEGANCE)
市販のカモミールティーは、飲みやすくするために他の紅茶とブレンドされている場合がほとんどです。
そのため、カモミールローマンの効能を最大限引き出すためにはアロマで吸入する方法が最も効率的でしょう。
もちろんカモミールティーでも効果は期待できますが、睡眠の質を高めるために飲むのであれば寝る前の胃腸への負担なども考えるとアロマの吸入の方が良いと考えられます。
甘くフローラルな香りが好きですっきりしたい方に特におすすめできるアロマですので、気になる方は是非お試しください。
ちなみに、カモミールローマンでなくカモミールジャーマンというアロマもあります。
カモミールジャーマンはフルーティな香りでなく、ややハーバルな香りがするアロマです。
カモミールティーのような香りを期待すると少し違った香りになるので、ご注意ください。
6.ベルガモット
ミカン科の植物であるベルガモットは、香りも柑橘系のすっきりとエレガントな香りがするアロマです。
ただ、レモンやオレンジほどすっきりとはしておらず、ややフローラルな香りも併せ持つので、甘い香りが好きな方にもおすすめ。
ベルガモットの特徴は気分を落ち着かせてくれる効果。
今までのアロマと違う点はうつ病、特に産後の女性のような激しく気分が落ち込んだ方にも効果が期待できる点です。
これはベルガモットに含まれる酢酸リナリルによるものと考えられており、自律神経バランスを整える効果があるとされています。
ベルガモットはストレスをやわらげ、心をリフレッシュさせる効果があります。ベルガモットに含まれる酢酸リナリルには神経バランスを整え、心を落ち着かせる働きがあります。そのため、ストレスが原因で生じた食欲不振や消化不良などの症状などに使われることもあります。(引用:わかさの秘密)
実際に産後女性を対象とした臨床実験が台湾大学で行われ、ベルガモットを吸入したグループと吸入していないグループではストレステストの結果に差が出たと報告しました。
それも午後に15分ほどベルガモットを吸入する時間を設け、2種間継続しただけで効果が出たそうなので、ベルガモットによる高い抗ストレス効果の裏付けと言えるでしょう[6]。
産後だけでなく仕事などの不安が強い場合にも効果が期待できそうです。
普段から不安によるストレスを強く感じている方に強くおすすめします。
5.ジャスミン
女性に好まれやすいアロマとして、ジャスミンは有名です。
とても甘くフローラルな香りで古くから愛されてきました。
良い香りがするだけでなく、不安感を和らげポジティブな気分にしてくれる、鎮痛効果や美肌効果など、多岐にわたる効果が期待できます。
他のアロマと違う特徴は、気分を高揚させてくれる点。
今まで紹介してきたアロマはどちらかといえば不安を抑える働きが主でしたが、ジャスミンの場合はむしろ気分を高揚させる方向に働きます。
そのため、産後の女性へ不安感を鎮めるために使われるだけでなく、媚薬としても使用されてきたアロマなのです。
実際の臨床実験として、中部大学の青木孝志氏らがジャスミンの香りが心拍変動にどのような影響をもたらすかを調べています。
その結果、血圧変動を示すlow frequencyに変化が見られたと報告しました。
これは副交感神経の活動が高まっていることを示し、精神的負荷が減少していると考えられます。
また、性欲は副交感神経に左右されますので、媚薬として効果の裏付けとも言えるでしょう[7]。
高まった交感神経を抑えるのでなく、沈んだ副交感神経の働きを引き出すことで自律神経バランスが整うので、よりポジティブな気分へと促されます。
そのため、心にゆとりが持てず気分が沈みやすい方へおすすめです。
また、ジャスミンはその他のアロマと混ぜても良い香りがするため、混ぜて使っても良いでしょう。
特にベルガモットなどの柑橘系で抗不安作用の強いアロマと混ぜれば、気分を抑えつつポジティブにさせてくれるアロマが出来上がります。
香りもとても良くなるので、よく寝られるようになるはずです。
4.バニラ
バニラはお菓子でお馴染みの香りですね。
お菓子だけでなく香水にも使われるこのバニラには、リラックス効果が高く睡眠障害の治療にも使われるほどの効果が。
特にバニラの香りの元となるリナロールの働きが大きく、大きなリラックス効果を発揮します。
バニラの香りによって、夜間頻尿に着目した実験をサザンナイトラボトリー社の菅谷公男氏らが行いました。
睡眠障害は夜間頻尿の原因であり、夜間頻尿に効果があれば睡眠障害にも効果的であると考えたのです。
実験内容はウレタン麻酔をかけて睡眠時と近い状態にしたラットにバニラを吸入させ、排尿の回数に影響があるかどうか調べるという内容。
結果、バニラを吸入したグループと吸入していないグループでは排尿回数に差があり、バニラ吸入によって夜間頻尿が軽減する可能性を示唆しました[8]。
バニラの吸入によって膀胱の活動に変化があり、夜間頻尿が減少したそうです。
このように、バニラの吸入によって夜間頻尿の緩和、そこから睡眠障害の改善効果も期待できると言えます。
もし夜中に中途覚醒が多く、なかなか質の良い睡眠が取れない方はバニラアロマを試してみると良いかもしれませんね。
3.フランキンセンス
フランキンセンスは木の樹液から採取されるエッセンシャルオイルで、世界的にも人気のあるアロマです。
少しスパイシーで濃厚なウッディーの香りを持ち、イライラなどの感情の乱れを緩和して落ち着きを取り戻すサポートをしてくれます。
呼吸を深くしてくれる作用もあるので、ヨガの最中に使用するのもおすすめです。
ストレスによって呼吸は浅くなっていくため、フランキンセンスによって呼吸が深くなっていくとストレスの緩和にもなると言われています。
実際に睡眠不足にしたラットに対してフランキンセンスオイルを使用した実験結果を、東京医科歯科大学の岡野秀鑑氏らが発表しました。
フランキンセンスを吸入した睡眠不足のラットは、睡眠不足によって上昇する血中のグルタチオンや睡眠中の眼球運動が低下し、睡眠不足でのストレスによる影響を軽減できたそうです[9]。
メカニズムは定かではありませんが、フランキンセンスに含まれるボスウェリア酸による抗酸化作用によって、ストレスホルモンの低下に繋がっているのではないかと考えられています。
さらに集中力を高める効果もあると言われており、仕事の効率を高めたい方にピッタリのアロマと言えるでしょう。
普段から慢性的な睡眠不足で仕事の効率が落ちてしまっている方におすすめです。
2.スイートオレンジ
甘くフレッシュなシトラスの香りがするスイートオレンジは、睡眠サポートのためのアロマとしてよく知られています。
その効果は非常に高く、一般人だけでなく重い疾患を抱えた方、特に血液透析をしている方にも使用されるほど。
アドレナリンの過剰分泌を抑えることで神経の興奮を抑え、良質な睡眠へと導いてくれます。
過去にスイートオレンジを用いた実験を、イランにあるハマダーン大学のKhodayar Oshvandi氏らが行いました。
その実験はスイートオレンジオイルを使って、血液透析患者にフットマッサージを施行したものです。
結果は通常のフットマッサージグループと比較して、スイートオレンジオイルを使ったグループでは睡眠の質が向上しました[10]。
血液透析は体への負担が非常に大きく、その精神的ストレスはかなりのもの。
そんな血液透析患者の睡眠の質を向上させるほど効果的なスイートオレンジは、睡眠に悩んでいる方にぜひ使用してもらいたいアロマです。
また、ラベンダーなどそのほかにリラックス効果が高いとされているアロマとの相性も良く、ブレンドすれば相乗効果も期待できます。
普段からのストレスが大きく、なかなか眠れない方はぜひお試しください。
1.ラベンダー
最後に紹介するアロマはラベンダー。
アロマの王道とも言える存在で、知らない人はいないでしょう。
有名になっている理由は、多くの方に好まれる柔らかい香りであり、リラックス作用が非常に強いためです。
過去に千葉大学で行われた研究では、ラベンダーによるアロマセラピーでストレスホルモンであるコルチゾールの値が改善したと報告しました[11]。
コルチゾールはストレスが強いと多く分泌されるため、コルチゾール値の低下はストレスが軽減されていると解釈できます。
睡眠においても効果が確認できており、トルコのエスキシェヒル・オスマンガジ大学でがんの化学療法中の患者にラベンダーのアロマテラピーを行なったところ、睡眠の質が向上したそうです[12]。
がん治療によってかかるストレスは想像を絶します。
その状況でも睡眠の質が向上したのであれば、ラベンダーのリラックス効果は相当なものと言えるでしょう。
コルチゾールを軽減させ、睡眠の質を向上させるラベンダーは不眠に悩む人のサポートとしてベストと言えるのではないでしょうか。
ストレスや睡眠への悩みを強く感じているなら、迷わずラベンダーを選択してください。
まとめ:アロマオイルでリラックスした睡眠時間を手に入れよう
アロマの香りで睡眠の質が上がるメカニズムと、おすすめのアロマについて紹介してきました。
アロマの主な効果としては、リラックス作用によりストレスが軽減して睡眠の質が上がるものがほとんどです。
特に香りは脳の視床下部に直接作用するため効果が高く、副作用もないので安心して使用できます。
睡眠の質を上げたい方が簡単に取り組める方法なので、ぜひ一度は試してほしい方法です。
ただし、注意点として香りで睡眠の質を上げる方法は、その場しのぎで根本の解決にならない可能性があります。
アロマを使うとよく眠れる反面、アロマがなければよく眠れない方は根本の解決になっていない証拠です。
そんな方は一度、体の内面へ向けて栄養素からアプローチしていく方法が良いかもしれません。
現在さまざまな研究が進んでおり、睡眠に必要な栄養素も判明してきています。
そんな栄養素を効率よく摂取できるのが睡眠サプリです。
多くの睡眠サプリが発売されており、おすすめのものも多くあります。
少しでも気になる方は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。
睡眠の質を上げるためにも、サプリを導入してみましょう。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
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理学療法士兼Webライター。本職で培った健康知識で男性の筋肉から性の悩みまで解決できる情報を発信していきます。
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