テアニンの効果とは?眠りを改善してくれる?

公開日:2022/03/13
更新日:2022/03/20

    みなさんはテアニンをご存知ですか?

    テアニン(L-theanine)は不安やストレスを和らげ、睡眠の質を改善するアミノ酸の一種で、お茶の木など一部の植物に含まれています。

    名前も英語の「tea」と関係があり、お茶の葉に自然に含まれる成分です。

    私たちはテアニンを緑茶や紅茶で日常的に摂取していますが、意図的にテアニンを配合したお茶や、サプリメントも製造販売されています。

    なぜそうまでしてテアニンを摂取するのか、気になる方も多いでしょう。

    そこでこの記事ではテアニンの効果についてご紹介したいと思います。

     

    テアニンの効果6つ

    早速テアニンの効果を臨床試験と共に解説します!

     

    1.不安やストレスを軽減

    お茶を飲んで一服する人は多いと思われますが、テアニンに不安やストレスを和らげる効果があることは、科学的にも立証されています。

    2008年、オックスフォード大学とオランダの研究グループが、若い被験者たちに50㎎のテアニンを飲ませて目を閉じて休憩してもらい、脳波を測定しました。

    すると、テアニンを飲んだ16人は、プラシーボ(偽薬)だけを飲んだ19人よりも、リラックスした状態で発生するアルファ波がずっと多く発生していることが分かりました。[1]

    なお、カップ一杯の紅茶に含まれるテアニンは20㎎以下なので、この実験では紅茶を三杯以上飲んだ場合の効果を意味しています。

    2016年にオーストラリアのキャンベラ大学の研究グループは総計104人の被験者に対してテアニンのサプリを服用させた5つの実験をレビューし、いずれもストレスや不安を大きく軽減する効果が出ていることを確認しています。

    そのうち1つの研究では、テアニンサプリが抗不安薬と大差ない効果を発揮していました。[2]

    お茶をよく飲む私たちの体は、無意識のうちにお茶に含まれるテアニンでリラックスしたがっているのかもしれませんね。

     

    2. 睡眠の質を改善

    テアニンのリラクゼーション効果は睡眠の質を改善するのにも役立ちます。 

    2016年にオーストラリアのキャンベラ大学を中心とする研究グループがテアニンの効果をレビューし、3本の論文から睡眠改善効果があると結論しています。[3]

    その一つはカナダのブリティッシュコロンビア大学の2011年の研究です。

    8歳から12歳の ADHD(注意欠如・多動症)と診断された98人の男の子にテアニン400mgを毎日飲んでもらい、手首アクチグラフで睡眠中の動作を調べました。

    すると、6週間後には子どもたちの睡眠が大幅に改善されていることが分かりました。

    なお、子どもたちは1日2回、100mgの錠剤2錠を飲みましたが、副作用はありませんでした。[4] 

    2012年には韓国の国立慶北大学校がネズミにカフェインとテアニンの両方を飲ませ、テアニンがカフェインの覚醒効果を打ち消せるか調べました。

    少量のテアニン(体重1kgあたり37.5mg)では効果はありませんでしたが、体重1kgあたり75mg以上摂取したネズミの覚醒時間はカフェインだけを飲んだネズミよりも短くなり、睡眠時間が長くなっていました。[5]

    お茶にカフェインが入っていることはよく知られていますが、テアニンがカフェインの効果を打ち消しているというのは興味深い発見ですね。

    2015年には日本の国立精神・神経医療研究センターと太陽化学株式会社が共同研究を行い、17人の統合失調症患者に250mgのテアニンを8週間摂取し続けてもらったところ、精神症状も睡眠質問票で評価した睡眠状態も改善していました。

    またMRSで患者の脳を検査したところ、脳内に取り込まれたテアニンがグルタミン酸濃度上昇を緩和しているという知見が得られました。[6]

    テアニンは安眠を求める人には頼もしい味方ですね。

     

    3.免疫機能も改善

    テアニンには感染症予防の効果もあります。

    オーストラリアのキャンベラ大学などの研究グループの2016年のレビューによると、テアニンとシステイン(アミノ酸の一種)を同時に摂取すると、上気道感染症(鼻からのどまでのかぜなどの症状)や腸内の炎症を抑えるなど、免疫機能を向上させることが分かっています。[7]

    さらにテアニンをカテキンと服用すると、インフルエンザの予防にも大きな効果を発揮するという研究結果もあります。

    2011年に、静岡大学と伊藤園の研究グループが197人のヘルスケアワーカーを対象として実験を行いました。

    98人が5か月間緑茶のカテキン378㎎とテアニン210㎎を配合したカプセルを服用し続けた結果、インフルエンザに感染したのはわずか4人でした。

    一方プラシーボ(偽薬)を摂取し続けた99人の内、13人がインフルエンザに感染しました。[8]

    インフルエンザ感染で3倍もの差がつくとは、あなどれないですね。

     

    4.がんや腫瘍の治療に有益

    テアニンにはがんや腫瘍の予防や治療にも有益という研究も多数あります。

    アジア人は喫煙者が多いのに、心疾患やがんの罹患率が低く、お茶を毎日たくさん飲んでいることとの関係が注目されています。[9]

    アメリカの国立がん研究所(NCI)ホームページには「お茶とがんの予防」と題するページがあり、飲茶と発がんリスクの関係について2006年以降50件以上の実証研究があるとしています。

    このホームページでは、口腔白板症に関する中国予防科学院の1999年の研究に言及しています。

    口腔白板症は、口の中にこすっても取れない白斑(脱色したように白いまだら)ができる、がんになるリスクがある病気です。

    この研究では、6か月間毎日3gのお茶成分を摂取した患者の38%が、口内の白斑が減少しました。

    一方、お茶の成分を摂取しなかったプラシーボ(偽薬)グループの患者では、治療を受けても白斑の減少は10%にとどまりました。[10]. 

    ウィスコンシン大学の研究者たちも、2013年のお茶と健康に関する論文で、「水の次に安い飲み物」お茶のがん予防効果に関する21本もの論文を一覧表にして紹介しています。

    テアニンは皮膚がん、前立腺がん、肺がん、乳がんの予防に効果があるとのことです。[11]

    テアニンのがん予防効果は洋の東西を問わず高く評価されていることが分かります。

     

    5.血圧を管理

    テアニンは高血圧が心配な人が血圧を管理するのにも役立ちます。

    2012年、静岡大学の研究グループがストレス環境下におけるテアニンとカフェイン摂取の効果を調査しました。

    目標視認や計算などのメンタルタスクをこなした後血圧検査とアンケートを実施したところ、テアニン200mgを摂取したグループの血圧と心理状態の悪化がもっとも少なく、カフェイン100mgを摂取したグループがその次に変化が少ない結果になりました。[12]

    2016年のキャンベラ大学などが行ったレビューでも、テアニンは脳や神経系に取り込まれると血管が拡張されて血圧上昇を抑えるとして、上記静岡大学の研究などを紹介しています。[13]

    このレビューで紹介されているイギリスのブリストル大学の2008年の研究では、カフェイン250mgとテアニン200mgを同時に摂取した場合の効果を調べています。

    48人の被験者のうちカフェイン250mgだけを摂取したグループでは注意力とイライラが強くなり、血圧も上昇しましたが、テアニン200mgを一緒に摂取したグループはそうした効果が緩和されていたそうです。

    テアニンだけを摂取したグループは、それら全てが一層低くなりました。[14]

     

    6. 集中力を向上

    テアニンは健康だけでなく、集中力を高める効果もあります。

    44人の若者を対象とした2010年のオランダユニリーバの研究では、95㎎のテアニンと40㎎のカフェインの配合したサプリを飲むと、スイッチを押すタスクの正確さと主観的な集中度及び疲労度が大きく改善しました。[15]

    2012年にニューヨーク州のNKIという研究所でも同様の実験が行われ、27人が2時間以上の「反応タスク」を実施し、そのエラーの増加を測定しました。

    被験者はカフェイン50mg摂取、テアニン100mg摂取、その両方を摂取、摂取なしの4グループに別れてタスクを行いました。

    すると摂取なしグループでは時間とともにエラーが増えたのに対し、他の3グループでのエラー増加は低くなりました。

    なお、カフェインとテアニンを両方摂取したグループと一方を摂取した2グループとの差がなかったので、研究グループは片方だけで最大の効果を発揮したと結論しています。[16] 

    テアニンとカフェインの組み合わせはお茶と同じですね。

     

    まとめ 

    以上、テアニンの実に多様な効果をご紹介しました。

    テアニンを含むお茶はウィスコンシン大学の研究者たちが言うように「水の次に安い飲み物」ですが、これほど健康によい効果があるのですから、毎日飲みたいところです。

    しかし、一杯のお茶に含まれるテアニンは少なく、摂取できる分量も不明です。

    1994年に農林水産省野菜・茶葉試験場などの研究グループが市販されているお茶の成分を分析したところ、テアニンのグラムあたり含有量は玉露と抹茶が約18mg、煎茶が約10mgでした。[17] 

    一杯のお茶をいれるのにティースプーン中もりで茶葉を2g使うとして、茶葉のテアニン含有量は玉露でも約36mg、煎茶なら約20mgになります。

    しかし、そのうちどれだけお茶にしみ出しているか分かりません。

    しかも、各種実験でテアニンの効果が得られた摂取量はおおむね200~400mgです。

    お茶に換算すると玉露でも毎日5~10杯となり、この量のお茶を茶葉ごと飲むのは難しそうです。

    さらに、テアニン自体には副作用は見あたりませんが、お茶に含まれるカフェインを過剰摂取すると、吐き気、胃の不快感、イライラなどの副作用が生じることがあります。

    やはりここは大量のお茶よりテアニン配合量が分かるサプリで摂取する方が、目に見える効果を得る近道でしょう。

    心身ともに健康をもたらすテアニン、これからは意識して摂取していきたいものです。

    ※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

      FOR YOUあなたにおすすめの記事