カルニチンに減量効果はある?6つの研究データから検証

公開日:2022/02/18
更新日:2022/02/27

カルニチン

減量効果があるとされるカルニチン。
多くのダイエットサプリに採用されている人気成分です。
今回の記事では臨床データをもとに、カルニチンが本当にダイエットで効果的なのかを分析しています。

  • 記者 WRITER
    Eno

カルニチンとは?

皆様は「カルニチン」をご存知でしょうか。

カルニチンとは、アミノ酸誘導体であり、しばしばダイエットや運動パフォーマンスの工場を目的にサプリメントとして使用されています。

カルニチンは、脂肪細胞を細胞内のミトコンドリアに移動させることによって、体内のエネルギーの生成に重要な役割を果たしています。

ミトコンドリアは細胞内ではエンジンのような役目をしており、そのため脂肪を燃焼させてエネルギーを生成することができるのです。

カルニチンは私たちの体内で、塩基性アミノ酸の一種であるリシンと必須アミノ酸の一種であるメチオニンの二種類のアミノ酸から作り出されています。

体内でカルニチンを生成するためには、多くのビタミンCも必要となります。

また、体内でアミノ酸から生成されるものに加え、肉や魚など動物性の食物を摂取することによっても少量ではありますがカルニチンを摂取することができます。

しかし、ビーガンの人や遺伝子の問題があったりなどで、十分にカルニチンを摂取できないまたは生成できない人は、栄養分を補填するためにカルニチンのサプリメントを摂取することが必須になっています。

カルニチンは栄養の補填もしてくれますが、しばしばダイエットや減量のために摂取されます。

ここでは、カルニチンがどうして、そしてどのように私たちの減量を助けてくれるのかについて説明をしていきます。

 

 カルニチンの減量に関する研究6つ

カルニチンには、ダイエットを効果的にサポートする効果があるとわかっています。

以下が、その効果を立証している研究です。

 

1.九つの臨床データを分析した研究

配合成分

2016年にイランのテヘラン大学の医学薬学部(Tehran University of Medical Sciences)の研究者たちによって発表された研究は、カルニチンが人間の減量に対してどのように影響を与えるのかについて、九つの臨床データを分析して検証を行いました(参照)。

その結果、カルニチンを摂取することで、平均して約1.3kgの体重減少がみられることがわかりました。

また、BMI(Body mass index)数値にも0.47の減少がみられました。

さらに、カルニチンを摂取することによる減量の効果は、肥満や高齢の個人に対してより高いということもわかりました。

このように、カルニチンは肥満や高齢者の個人に対して、体重の減少を助ける高い効果が見られることがわかりました。

 

2.37つの臨床データを分析した研究

研究 データ 分析

2019年にイランのシャヒドサドウヒ医科大学(Shaid Sadoughi University of Medical Sciences)の研究者たちによって行われた研究は、カルニチンの減量に対する効果を検証した37つの臨床データの分析しました(参照)。

全ての臨床データの被験者の合計人数は、2,292人でした。

その結果、カルニチンが減量に効果的であることがわかりました。

体重の減少は1.21kg、BMI(Body mass index)数値の減少は0.24、体脂肪の減少は2.08kgであったという結果が出ました。

また、成人に対して効果的なカルニチンの摂取量は、一日に2000mgであることもわかりました。

このように、カルニチンは体重の減少、BMI数値の減少、体脂肪の減少に効果的であり、特に肥満の人々により効果的であることがわかりました。

 

3.多嚢胞性卵巣症候群の女性に対するカルニチンの減量の効果を検証した研究

多嚢胞性卵巣症候群

イランのカシャン医科大学(Kashan University of Medical Science)の研究者たちによって行われた研究は、カルニチンのサプリメントを摂取することが多嚢胞性卵巣症候群を患う女性の体重減少とインスリン抵抗性にどのような影響を与えるのかについて検証を行いました(参照)。

実験では、多嚢胞性卵巣症候群を患っており、肥満である60人の女性を対象者としました。

彼女たちをランダムに二つにグループ分けし、グループ1には250mgのカルチニンを、もう一つのグループ2には有効成分が含まれていないプラセボを、12週間毎日摂取させました。

その結果、12週が終了した頃にはカルニチンを摂取したグループに大きな減量の効果がみられました。

体重減少は、カルニチンを摂取したグループ1が-2.7kgであり、摂取していないグループ2は+0.1という結果になり、3kgほども体重減少に差が出ました。

また、ウエストの減少もグループ1は-2.7cmであったのに対しグループ2は-0.3cm、ヒップの減少もグループ1は-2.5cmであったのに対しグループ2は-0.3cmであり、ここでもカルニチンの減量に対する効果が立証されました。

このように、カルニチンは多嚢胞性卵巣症候群を患う肥満の女性の減量やウエストやヒップなどの体のサイズの減少に非常に効果的であることがわかりました。

 

4.パイロットの体重管理に対するカルニチンとトレーニングの効果を検証した研究

日本のロンザ株式会社と愛知学院大学の研究者によって行われた研究は、通常のトレーニングにカルニチンのサプリメントの摂取を組み合わせることで、パイロットの体重管理にどのような効果が出るのかについて検証を行いました(参照)。

研究では、BIM数値が25.8から26.6の肥満のパイロットの男性24人を対象とし、トレーニングとカルニチン摂取を組み合わせてたプログラムを4週間行わせました。

実験では彼らをランダムに二つのグループに分け、グループ1には少量の500mgのカルニチンを摂取させ、グループ2には有効成分の含まれないプラセボを摂取させ、カルニチンの効果について検証を行いました。

その結果、カルニチンを摂取したグループ1には摂取していないグループ2と比較して、大きな体重減少とトリグリセライド(中性脂肪とほぼ同義語)の減少がみられました。

また、カルニチンの効果は、トレーニングと組み合わせることによって増大することもわかりました。

そのため、サプリメントの効果は個人の生活スタイルに非常に影響されやすいですが、トレーニングをすることによってその差を減少させることができることも判明しました。

このように、カルニチンはトレーニングと組み合わせることによって、より体重と中性脂肪の減少の効果を強くはっきすることがわかりました。

 

5.カルニチンのファスティングでの減量に対する効果を検証した研究

ファスティング

中国の中山大学(Sun Yat-Sen University)の研究者たちによって行われた研究は、カルニチンの摂取がファスティングを用いた減量にどのような効果をもたらすのかについて検証を行いました(参照)。

この研究では、2008年9月から2018年7月の間にファスティングセラピーでの減量を行なった192人の患者のデータを検証しました。

192人の患者の中でファスティングセラピーを受けている期間にカルニチンの点滴を受けていたのは、142人でした。

研究者たちは、カルニチンを摂取した患者40人と摂取しなかった患者40人の体重や体のサイズを測定したデータを比較し、カルニチンの効果について検証を行いました。

その結果、ファスティングによってどちらも減量がみられましたが、カルニチンを摂取したグループの方がその効果が絶大に現れていたことがわかりました。

体重減少はカルニチンを摂取したグループが-4.051kgであったのに対し、摂取しなかったグループは-1.25kg、またBMI数値の減少はカルニチンを摂取したグループが-1.5であったのに対し、摂取しなかったグループは-1.2であり、カルニチンを摂取したグループにより高い効果が見られました。

このように、カルニチンにはファスティングによるダイエットの効果を高める効果があることがわかりました。

 

6.肥満の猫の減量に対するカルニチンの効果を検証した研究

アメリカ合衆国のコーネル大学(Cornell University)の研究者たちによって行われた研究は、肥満の飼い猫の急速な減量に対して、カルニチンがどのように作用するのかを検証しました(参照)。

実験では、肥満の飼い猫をランダムに二つのグループに分け、グループ1には250mgのカルチニンが含まれた食事を与え、グループ2には有効成分が何も含まれていないプラセボを含んだ食事を与え、カルニチンの効果を検証しました。

実験で対象となった飼い猫たちの肥満の中心値は、25%でした。

また、効果的に減量を実現させるため、カロリー摂取を通常の60%ほどに抑えた食事を与えました。

その結果、二つのグループでそれぞれ18週目に大きな減量がみられましたが、カルニチンを含んだ食事を摂取していたグループ2の方が高い割合で、そして速い速度で減量に成功していたことがわかりました。

18週目の減量率は、グループ1は23.7%、グループ2は19.6%でした。

このように、肥満の飼い猫に対して、カロリーを抑えた食事を取ることに加えてカルニチンの摂取をすることによって、より効果的に早く減量ができることがわかりました。

 

その他カルニチンの効果

カルニチンは、運動のパフォーマンス向上にも効果があることがわかっています。

しかし、カルニチンの効果を発揮させるためには、すぐに効果がでるカフェインやクレアチンとは異なり、比較的多量の、そして数週間や数ヶ月などの長期間の摂取が必要になります。

カルニチンの運動パフォーマンスに関する効果は以下の通りです。

 

1.リカバリー効果

カルニチンには、筋肉トレーニングの後のリカバリーの効果を高める作用があることがわかっています。

アメリカのコネチカット大学(University of Connecticut)の研究者たちによって行われた研究は、スクワットの後の筋組織のダメージに対してカルチニンがどのように作用するのかついて検証を行いました(参照)。

実験では、普段からトレーニングを行なっている男性10人を対象とし、彼らを1日2gのカルニチンを摂取するグループと、有効成分の含まれないプラセボを摂取するグループにわけ、それを3週間行わせました。

また、スクワットを行う前と三日後、そして六日後に太ももの筋組織のダメージのMRIスキャンを行いました。

その結果、カルニチンを摂取したグループは摂取しなかったグループと比較して、スクワットの後の太ももの筋組織のダメージが41%から45%であったことがわかりました。

つまり、カルニチンを摂取したグループは摂取しなかったグループよりも、6割もダメージ修復が行われていたということです。

このように、カルニチンは激しい運動後の体のリカバリー効果を高める効果があるがことがわかっているのです。

 

2.運動中と運動後の酸欠を和らげる効果

ランニング 性欲

カルニチンには、筋肉トレーニングをした際に、酸欠になることを防いだり和らげたりする効果があることがわかっています。

アメリカのコネチカット大学(University of Connecticut)の研究者たちは、複数セットのスクワットの最中と後の筋組織の酸素量が、カルニチンの摂取によってどのように変化するのかについて検証を行いました(参照)。

実験では、普段からトレーニングを行なっている9人の男性を対象とし、彼らを二つのグループに分け、一つのグループにはカルニチンを、もう一つのグループには有効成分を含まないプラセボを23日間摂取させました。

そして、15から20回のスクワットを5セット行わせ、筋組織の酸素量を計測しました。

その結果、カルニチンを摂取した方が、筋肉の酸素量が減少する代わりに、他の組織のダメージや酸化ストレスの指標であるプラズママロンジアルデヒドの発生が弱まっていることがわかりました。

このように、カルニチンを摂取することによって筋肉の酸素の消費が促され、運動中や運動後の酸欠の症状が和らぐということがわかりました。

また、そうすることによって運動の疲労感を感じるのを遅らせたり、疲労感を減少させたりする効果もあることがわかりました。

 

3.筋肉痛を和らげる効果

カルニチンには、筋肉トレーニング後の筋肉痛を和らげる効果があることがわかっています。

イタリアのガブリエルダヌンツィオ大学(the ‘Gabriele d’ Annunzio Univetsity)の研究者たちによって行われた研究は、カルチニンが筋肉トレーニングの後に起こる筋肉痛にどのように作用するかについて検証を行いました(参照)。

実験では、トレーニングを普段行なっていない6人(平均年齢は26歳)を対象としました。

実験は7週間におよび、最初の3週間には有効成分のプラセボを摂取させ、1週間のインターバルを挟み、残りの3週間には1日3gのカルニチンを摂取させました。

そして、3週間目の初日と7週間目の初日に、筋肉トレーニングを行わせ、筋肉痛の度合いを測定しました。

その結果、カルニチンを摂取していたときの方が、していなかったときと比較して、筋肉痛が減少し、筋組織がダメージを受けている指標となるクレアチンキナーゼの分泌も減少していることがわかりました。

このように、カルニチンには筋肉トレーニングの後の筋肉痛と筋組織のダメージを減少させる効果があることがわかりました。

 

カルニチンは筋トレしている人に嬉しい効果が山盛り

カルニチンには大きく分けて、減量を効果的にサポートする効果と筋肉トレーニングのパフォーマンスを向上させる効果があることがわかりました。

減量のサポートでは、トレーニングやファスティングなどの他のダイエット方法と組み合わせることで、カルニチンが高く効果を発揮することがわかっています。

また、特に肥満の個人に高く効果がみられることもわかっています。

運動パフォーマンスの向上では、疲労や筋肉痛を減少させることによって持続力やスタミナを増大させたり、リカバリーを早めたりする効果があることがわかっています。

このように、減量と運動パフォーマンスに効果的に作用するカルニチンですが、どのような方法で摂取できるのでしょうか。

カルニチンの摂取は、普段の食事からもできます。

カルニチンを含む食材には、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、牛乳などがあり、食材から摂取することができるカルニチンは吸収が良いことがわかっています。

しかし、食事からだけでは決まった量を安定して摂取することは難しく、効果を高く発揮させるためにはサプリメントが推奨されています。

サプリメントの推奨摂取量は500mgから2,000gであり、カルニチンのサプリメントの種類によってその量は異なります。

その中で運動機能を向上させるのに効果的なカルニチンのサプリメントは、「L-カルチニン L-酒石塩酸」であり、1日に1,000mgから4,000mgを摂取することが推奨されています。

カルニチンの減量の効果について、効果がないと結論づける研究もありましたが、多くの臨床実験によって、減量に有効的であるという結果が出ています。

カルニチンのサプリメントの摂取を他のダイエット方法やトレーニングなどと組み合わせ、効率的にそして効果的な減量を実現しましょう。

 

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  • 記者 WRITEREno

    23歳の女子大生。旅行が趣味で、最近はそれをvlogにするのにはまっている。北米に1年間留学をした経験を活かして翻訳ライターとして活動中。

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