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【20個の効果】鮭が筋トレに最適な理由を徹底的に解説
公開日:2023/08/27
更新日:2023/09/30
ご飯のお供にピッタリな『鮭』は、日本人にとって非常に馴染み深い食べ物でしょう。
しかも鮭って、実は栄養豊富で筋トレにも最適だったんです!
今回は様々な研究データをもとに、鮭が筋トレに効果的である理由を徹底解説します。
筋トレにおすすめの食べ方も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!
Contents [目次を開く]
- 1. 鮭に含まれる栄養素一覧
- 2. 鮭が筋トレに効果的な理由20選を徹底解説!
- 1.筋肉を動かすATPの増加
- 2.筋肉の源となる栄養素の補給
- 3.たんぱく質の代謝サポート
- 4.筋肉の材料となるもう一つの栄養素
- 5.代謝サポートによる効率的な栄養循環
- 6.赤血球生産によるスムーズな酸素運搬
- 7.テストステロン分泌による筋肥大
- 8.インスリン分泌によるアナボリックの活発化
- 9.カタボリックの抑制による筋肉量の維持
- 10.中性化による筋トレ効率UP
- 11.筋細胞の増加
- 12.持久力UPによるパフォーマンスの向上
- 13.細胞膜を良い状態で保つ良質な油
- 14.可動力改善による高負荷トレーニングへの備え
- 15.脂肪燃焼促進によるボディメイク効果
- 16.疲労物質消失による筋疲労の改善
- 17.筋肉痛の緩和効果
- 18.美肌効果による清潔感UP
- 19.メンタルサポートによる快適なトレーニングライフ
- 20.ビタミンCの6,000倍!アンチエイジング効果
- 3. 筋トレにおすすめの鮭料理3選
- 1.鮭とばは天然プロテイン
- 2.鮭フレークはサプリメント
- 3.鮭ハラスは筋トレ&ダイエットに最適
- 4. 最新筋トレ最強食材はささみではなく鮭!
実は鮭が最強の筋トレ食たりえることをご存知でしたか?
今回は徹底的に鮭と筋トレの関係について紐解いてきましょう!
ぜひ参考にして下さい!
鮭に含まれる栄養素一覧
まずは、鮭に含まれる栄養素を詳しくみていきましょう。
※鮭100gあたりの含有量[1]
- たんぱく質・・・20.14g
- ビタミンA・・・30µg
- ビタミンB1(チアミン)・・・0.08mg
- ビタミンB2(リボフラビン)・・・0.18mg
- ビタミンB3(ナイアシン)・・・7mg
- ビタミンB5(パントテン酸)・・・1.27mg
- ビタミンB6・・・0.4mg
- ビタミンB9(葉酸)・・・4µg
- ビタミンB12・・・3µg
- ビタミンD・・・32.0µg[2]
- ビタミンE・・・1.09mg
- ビタミンB7/H(ビオチン)・・・7.4μg[3]
- ナトリウム・・・50mg
- カリウム・・・429mg
- カルシウム・・・11mg
- マグネシウム・・・22mg
- リン・・・283mg
- 鉄分・・・0.55mg
- 亜鉛・・・0.47mg
- アミノ酸組織・・・20g[4]
- カロテノイド(アスタキサンチン)・・・4mg
- 脂肪酸・・・n-3系多価不飽和脂肪酸/n-6系多価不飽和脂肪酸[5]
鮭にはたんぱく質をはじめ、ビタミン類が豊富に含まれています。
また、カルシウムや鉄などのミネラル類や珍しいカロテノイドも注目成分です。
さらに、肉体の維持に必要不可欠なアミノ酸まで!
しかし…トレーニーにとって魅力的な栄養素が多い一方、脂肪酸は非常に気になります。
脂質の主要要素である脂肪酸は筋トレにはマイナスのイメージがあり、排除したくなる栄養素ですよね。
それなのになぜ、鮭は筋トレ向き食材と評価されるのでしょうか。
鮭が筋トレに効果的な理由20選を徹底解説!
鮭には市販のプロテインに用いられるような、魅力的な栄養素が豊富に含まれています。
そのため筋トレにどのような効果をもたらすのか、期待せずにはいられません!
それでは早速、鮭が筋トレに効果的な理由20選を詳しくご紹介します。
1.筋肉を動かすATPの増加
鮭に含まれる『リン』は、筋肉のエネルギー源。
筋トレするにあたって最も重要な、筋肉を動かす行為に必要不可欠な成分です。
筋肉はATP(アデノシン三リン酸)をエネルギー源としています。
ATPはアデニンやリボースなど、3つのリン酸で構成されてる高エネルギー化合物です。
体内でATPが分解される際に放出されるエネルギーを利用し、筋肉が収縮します。
筋収縮にとって重要なATPは体内で生成されるものの体内の貯蓄量は非常に少なく、絶えず補給し再合成が必要です。
リンを摂取するだけではなく、スムーズな生成が求められます。
ATPのスムーズな生成を促すのが、鮭に含まれる複数のビタミン類。
生成するTCA回路(クエン酸回路)には、主に9つのビタミン類が関わっています。[6]
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB3(ナイアシン)
- ビタミンB5(パントテン酸)
- ビタミンB6
- ビタミンB7(ピオチン)
- ビタミンB9(葉酸)
- ビタミンB12
- ビタミンC
鮭にはビタミンC以外の全てのビタミン類が含まれているため、ATPの生成サイクルが非常にスムーズになるのです!
2.筋肉の源となる栄養素の補給
鮭には『たんぱく質』が豊富に含まれています。
筋肉は水分を除くと約80%がたんぱく質です。[7]
そのため、トレーニーが最も積極的に摂取したい栄養素といっても過言ではないでしょう。
たんぱく質は年齢や運動量によって摂取推奨量が異なります。
- 12歳~14歳・・・男性60g/女性55g
- 15歳~17歳・・・男性65g/女性55g
- 18歳~29歳・・・男性60g/女性55g
- 30歳~64歳・・・男性65g/女性50g[8]
- 70歳以上・・・男性60g/女性50g
- アスリート・・・体重1kgあたり1.6g~2.4g[9]
男女とも1日に50g以上の摂取が望ましく、複数回に分けて摂取するのがおすすめです。
鮭には100gあたり20.14gのたんぱく質が含まれています。
スーパーで販売されている大きめの鮭は一切れあたり120gほどなので、鮭一切れで1日のたんぱく質推奨量の3分の1以上が摂取可能です。
ちなみに、一般的なプロテインに含まれるたんぱく質は1食あたり20g前後。
鮭にはプロテインにも劣らないほどのたんぱく質が含まれているため、筋トレに最適と評価できるのです!
3.たんぱく質の代謝サポート
鮭に含まれる『ビタミンB6』は、たんぱく質の吸収率を高める栄養素。[10]
筋肉のもととなるたんぱく質を積極的に摂取する人は大勢いますが、ビタミンB6を意識して摂取する人はあまり多くはありません。
ビタミンB6は、ピリドキシンと呼ばれる水溶性ビタミンの一つ。
たんぱく質のもとであるアミノ酸代謝や、その他約100種類の酵素代謝に深く関わっています。[11]
栄養を運ぶ血管や筋肉の合成サポートなど、あらゆる過程で使用される成分です。
そのためたんぱく質の摂取量を増やす場合、ビタミンB6の必要量も増加するため、同じように意識して摂取量を増やしていかなければなりません。[12]
また、ビタミンB6を正常に活動させるためには『ビタミンB2』が必要です。
ビタミンB群は単体ではすぐに活動できません。
ビタミンB6は、ビタミンB2によって活性型に変わって初めてあらゆる代謝に使われるようになるのです。[13]
鮭にはビタミンB2も含まれており、ビタミンB6との同時摂取が可能なため筋トレに最適だと評価できます!
4.筋肉の材料となるもう一つの栄養素
鮭には、筋肉の材料となる『BCAA』が含まれています。
BCAAとは以下3種類のアミノ酸の略称であり、分岐鎖アミノ酸とも呼ばれる成分です。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
筋肉の主成分はたんぱく質。
BCAAはたんぱく質を構成する複数のアミノ酸のうち約35%を占めています。[14]
そのため筋トレで筋肉を成長させたいのなら、たんぱく質と併せてBCAAを摂取するのが望ましいのです。
また、BCAAは体内で合成できない必須アミノ酸に分類されます。
つまり、食べ物から意識的に摂取しなければならない成分です。
ちなみにBCAAは、2,000mg以上の摂取で最もポジティブな作用が確認されています。[15]
8人の成人男性を対象に500mg~8,000mgのBCAAを摂取させた実験では、2,000mg以上のグループに高い血中BCAA濃度が確認されました。
摂取してから2時間後も高数値を維持していたため、BCAAの摂取量は2,000mg以上が望ましいでしょう。
- バリン・・・1,100mg[4]
- ロイシン・・・1,700mg
- イソロイシン・・・1,000mg
鮭のBCAA含有量は約3,800mgですから、一切れでBCAAの摂取量を満たしています!
5.代謝サポートによる効率的な栄養循環
鮭には代謝サポートに力を発揮する『ビタミンB2』が含まれています。
三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)全ての代謝に関わっているのがビタミンB2です。
作り出されたエネルギーは、新陳代謝や人間の成長過程でも大量に使用されるため”発育のビタミン”とも呼ばれています。
アメリカの研究では161kmのレースに参加する32名を対象に、レース開始直前と90km地点でリボフラビン(ビタミンB2)を100mg摂取させ、ビタミンB2とエネルギー生成の相関関係の調査を行いました。
レース後3日目と5日目に短距離走を実施したところ、リボフラビン摂取グループのタイムが有意に速かったと報告。
ビタミンB2の代謝作用により、運動機能の早期回復が促進された可能性を示唆しています。[16]
また、リボフラビン摂取グループは激しい運動による肉体的な辛さも軽減したと報告しました。
つまりビタミンB2には代謝サポートによる効率的な栄養循環が期待でき、肉体の早期回復や苦痛の軽減も期待できるのです。
6.赤血球生産によるスムーズな酸素運搬
鮭に含まれる『ビタミンB12』には、スムーズな酸素運搬が期待できます。
ビタミンB12は新しい血液、つまり正常な赤血球をつくるために必要な栄養素です。
とはいえ流血なんて滅多にしませんから、新しい赤血球をつくるためのビタミンB12にはさほど必要性を感じない人もいるでしょう。
ところが赤血球には寿命があり、古くなった赤血球はおよそ120日で分解されてしまうため、ビタミンB12が不足すると貧血を起こす可能性があるのです。
貧血といえば鉄分不足による”鉄欠乏性貧血”の印象が強いでしょうが、実はビタミンB12が不足しても発生します。
赤血球が正常に生産されなければ全身に酸素が運搬できなくなり、筋トレどころか内蔵機能の低下も…。
また、赤血球は激しい運動でも破壊されます。[17]
そのため運動習慣のない人や数日おきに激しい運動を繰り返す人は、特にビタミンB12を意識的に摂取しなければなりません。
赤血球数の増加は、酸素の効率的な運搬が求められる有酸素能力の改善も判明しているため、自身のトレーニングメニューに合わせて鮭を食べるのがおすすめです![18]
7.テストステロン分泌による筋肥大
『亜鉛』と『ビタミンD』は筋肥大に欠かせません。
まず亜鉛は、男性向けサプリメントでも頻繁に用いられる栄養素ですね。
テストステロンの分泌を向上させ、筋肥大効果が期待できます。
アメリカのウェイン州立大学が行った調査では、20歳~80歳の男性40名に6か月間亜鉛サプリメントを摂取させた結果、テストステロン分泌が飛躍的に向上しました。[19]
また、デューク大学の研究では、亜鉛が少ない男性ほどテストステロン値も低いと判明しています。[20]
そしてビタミンDもまた、テストステロンとの相関関係が確認されている成分です。
オーストラリアの研究では、肥満男性165名を対象に83μg/日のビタミンDを1年間投与した結果、テストステロン値の大幅な上昇が見られました。[21]
テストステロンはアンドロゲン受容体と結合し、筋肉の成長に重要な様々な指示を出しています。
そのためテストステロン値の上昇が筋肥大に結び付くのです。
また、筋肉量が増加するとテストステロン値も比例して増加するため、好循環が期待できます。
8.インスリン分泌によるアナボリックの活発化
鮭に含まれる『ビタミンD』と『カルシウム』にはインスリン分泌の増加が期待でき、アナボリックの活発化が望めます。
筋肉を肥大させるには、アナボリック(筋肉の合成)の活発化が重要です。
ビタミンDはすい臓のβ細胞に直接働きかけ、インスリンの分泌を促進する作用があります。
マウスを対象とした実験ではありますが、インスリンを12週間投与したところ筋重量の有意な変化が確認されました。[22]
カルシムもまた、インスリン分泌に深く関わっています。
カルシウムはインスリン分泌を促すためのシグナルを発信する成分でもあるため、減少すると細胞内・外のバランスが崩れ、インスリン分泌も悪化してしまうのです。
ラットを使用した実験では、カルシウムの投与量を増減させたところインスリン分泌量も比例して増減すると判明しました。[23]
従来のインスリンは脂肪に作用し、体脂肪を増やすなどネガティブなイメージでした。
しかしながら、インスリンは脂肪よりも先に筋肉に作用します。
筋肉でインスリンが使われると脂肪に作用するインスリン量が減少するため、体脂肪を増やさずにアナボリックの活発化が期待できるのです。
9.カタボリックの抑制による筋肉量の維持
筋トレによって筋肉を大きくするには、アナボリック(筋肉の合成)を促進するだけでなく、カタボリック(筋肉の分解)を防ぐ必要があります。
カタボリックとは、筋肉を分解しエネルギーに変換する反応です。
アナボリックとカタボリックのバランスが崩れると、どれだけハードなトレーニングを続けても筋肉は大きく魅力的にはなりません。
鮭に含まれる成分の中でカタボリックの抑制が期待できるのは、アミノ酸の一種である『グルタミン酸』と『たんぱく質』。
グルタミン酸は体内でアンモニアと結合し、グルタミンとなってカタボリックを抑制します。
ちなみに他のアミノ酸にもカタボリック抑制は期待できますが、グルタミンは単体で効果を発揮。
他成分のバランスを考慮しなくてもカタボリック抑制が実現できるため、非常に便利です!
一方、たんぱく質は不足したエネルギーを補ってカタボリックを防ぎます。
カタボリックが活発化するのは、体内のエネルギー源が枯渇したとき。
つまり、エネルギー源としてたんぱく質を補給すれば、カタボリックを適切な状態で保っていられるのです。
なお、カタボリックは空腹状態から6時間~16時間で発生します。[24]
したがって、時間を考えながら鮭を食べ、たんぱく質やグルタミン酸の摂取を心がけましょう!
10.中性化による筋トレ効率UP
『カリウム』は、肉体の中性化による筋トレ効率のUPが期待できる成分です。
筋トレすると、強い負荷によって体内で活性酸素が発生します。[25]
身体が酸性に傾いて筋合成がスムーズにできなくなり、運動パフォーマンスが低下してしまうのです。
慢性的な酸化状態が続くと、筋肉を動かしにくくなるケースも…。
カリウム濃度の低下によって発生する低カリウム血症になると、筋力低下をはじめ筋肉痙攣や筋肉のこわばりなど、筋肉に関する不調が起こります。[26]
酸性化した肉体をアルカリ化し、中性状態に保ってくれるのがカリウムを含むミネラル成分です。
ラットによる実験ではありますが、カリウムの投与によるアルカリ化の促進が確認されています。[27]
酸性化状態で発生しうるデメリットが排除できるため、効率的に筋トレ効果を肉体に反映させられるのです。
また、カリウムの摂取による筋肉量の維持も確認されています。
アメリカで男女384名を対象に行われた実験では、カリウムの摂取と筋肉量に有意な維持が確認されました。[28]
実験では、カリウムが筋肉に直接的に作用する可能性も示されています。
11.筋細胞の増加
鮭に含まれる『マグネシウム』は、筋細胞の増加が期待できる成分。
筋細胞とは、筋繊維など筋肉を構成する細胞です。
筋トレによって傷ついた筋繊維は、修復する過程で大きな筋肉に変わっていきます。
ただし10%増加が限界値なので[29]、より筋肉を大きくするには筋細胞を増やす必要があるのです。
マグネシウムは、筋細胞などの筋肉形成を促進する可能性が確認されています。
赤穂化成株式会社が行った実験では、マグネシウムが細胞レベルで筋繊維・筋細胞を増やす可能性が示唆されました。[30]
さらに、イギリスで行われた実験でもマグネシウムと筋肉量の関係性が報告されています。
この実験では、18歳~79歳の女性2,570名を対象にマグネシウムの摂取量と筋肉量を調べた結果、有意な正の関連性が確認されました。[31]
また、マグネシウムの摂取量を増加させると筋量やパワーの低下を防ぐ可能性も示唆されています。
マグネシウムはビタミンDによって吸収が促進されるため、2つの栄養素を備えた鮭は、やはり筋トレに最適な食材です!
12.持久力UPによるパフォーマンスの向上
『ナトリウム』と『鉄分』は、持久力向上に繋がります。
ナトリウムは”塩”のイメージが強く、むくみや高血圧などネガティブな印象が先行する成分です。
しかしマグネシウムやカリウムなどと同じく、身体の維持に必要不可欠な電解質(イオン)の一つでもあります。[32]
筋肉・心臓の収縮に関係しているだけでなく、体内の水分保持にも必要です。
電解質の水分保持サポートのおかげで、長距離ランナーは数回の水分補給でレースを走りきり、トレーニング中の水分補給も適度で済みます。
一方、鉄分は酸素供給による持久力向上が期待できる成分です。
コロンビアの大学では女性20名を対象に30mg/日の鉄分を6週間摂取させた結果、持久力の大幅な改善が確認されました。[33]
鉄分は赤血球の中にあるヘモグロビンをつくる材料であり、ヘモグロビンは身体のあらゆる組織に酸素を運ぶ役割を担っています。
鉄分が不足すると身体のあらゆる組織が酸欠状態に…。
特に日本人女性の鉄分不足は深刻で、20代~40代に限定すると約65%が鉄欠乏性もしくはその疑いがあります。
さらにアスリートの間でも鉄分不足は深刻化。
そのため、日々トレーニングを行うトレーニーは特に意識して鉄分を摂取しましょう。
13.細胞膜を良い状態で保つ良質な油
鮭に含まれる『脂肪酸』には、細胞膜へのポジティブな作用が期待できます。
細胞膜を優れた状態で保ってくれるため、身体の内面を強化できるのです。[34]
筋肉や内臓、骨など人の身体はあらゆる細胞の集合体。
細胞膜は細胞に酸素や栄養素を届けながら、老廃物を排出するなど重要な役割を担っています。
つまり筋肉を大きくしたり、しなやかな肉体を実現するためには、深部にある細胞膜を優れた状態で保たなければなりません。
脂肪酸は脂質のイメージが強く、トレーニーが敬遠する栄養素。
しかしながら、鮭の脂肪酸は良質な油と評価される『オメガ3(n-3)』と『オメガ6(n-6)』です。
どちらも身体に必要な油ですが、体内で作り出せない必須脂肪酸[35]でもあるため、食べ物から摂取する必要があります。
オメガ3は、たんぱく質と一緒に摂取するのがおすすめです!
オメガ6は過剰摂取になりやすいため、オメガ3とのバランスを重要視しましょう。
ちなみに2022年に順天堂大学が公開した論文では、オメガ6と男性ホルモン(テストステロ)の相関関係が判明しました。[36]
テストステロンは筋肥大に重要なホルモンのため、鮭はますます筋トレ向き食材だと高く評価できます。
14.可動力改善による高負荷トレーニングへの備え
『ビタミンB3(ナイアシン)』は、可動力の改善が期待できる成分。
関節の正常化もしくはパワーアップにより、ハードなトレーニングもスムーズになります。
アメリカの国立衛生研究所では、変形性関節症患者72名に3か月間ナイアシンを投与し、関節の可動力とナイアシン摂取量の関係を調査しました。
その結果、患者の29%に改善が確認され、治療薬として使われていた炎症薬の投与量も13%減少しています。[37]
さらに関節の可動性は4.5度も増加しており、これはナイアシンと関節の関係性及びポジティブな作用がはっきりと示された結果です。
変形性関節症など関節に関わる症状は特に女性に多いものの、トレーニングを定期的に行う場合や高負荷運動を繰り返す場合、性別や年齢問わず生じる可能性があります。
そのため、鮭のような日常的に摂取できる食材から積極的にナイアシンを摂取していきましょう。
ちなみにナイアシンは熱に強く水に溶けやすい特徴を持っています。
茹でると栄養素が水に溶けだしてしまうため、焼いたり炒めたりして食べるようにしましょう!
15.脂肪燃焼促進によるボディメイク効果
鮭に含まれる『オメガ3(n-3系)』は効率的に脂肪を代謝することでボディメイクの効果を高めてくれる、脂肪燃焼促進成分です。
実際、東京大学の研究によってオメガ3が肥満を遅らせる事実が判明しています。
マウスを使った実験ではありますが、オメガ3が脂肪分解率をアップさせ肥満の進行を遅らせました。[38]
この実験により、糖尿病や生活習慣病への治療法開発にも繋がると結論付けています。
また、オメガ3脂肪酸の一つであるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も、脂質代謝の改善が期待できる成分です。
京都大学の研究では、肥満マウスに魚油(DHA・EPA)を103週間与えたところ、酸素消費量が増加し体重は5%~10%減少。
さらに体脂肪率の蓄積は15%~25%も減少しています。[39]
DHAやEPAの代謝促進は、交感神経の活性化に伴う”褐色脂肪”の発現促進によって引き起こされると結論付けました。
ちなみにオメガ3は熱に弱いといわれていますが、日本脂質栄養学会の実験により、グリル焼きやフライパン焼きでも87%~92%の残存が確認されています。[40]
16.疲労物質消失による筋疲労の改善
『ビタミンE』は筋疲労を回復させる効果が期待できる成分。
筋トレをすると血中に乳酸やアンモニアなどの疲労物質が増加しますが、こうした疲労物質を早急に消失させるのがビタミンEです。
ビタミンEは強い抗酸化作用をもっており、活性酸素によるダメージから細胞を守ります。[41]
名古屋工業大学では、男性14名を対象にビタミンEを4週間~6週間摂取させた結果、脂質の酸化反応を示す脂質過酸化生成物レベルの低下を確認。
同時にクレアチンキナーゼなど酵素の漏出を軽減する作用も確認され、フリーラジカル(活性酸素)による筋肉損傷への有意な作用も示唆しました。[42]
また、ビタミンEは疲労でこわばった筋肉の緊張を和らげ、身体の隅々まで血液を循環させます。
疲労物質が排除されて必要な栄養素が体内を満たすため、筋疲労の早期回復が望めるのです。
さらに別の実験では、トップアスリート30名を対象に5カ月間α-トコフェロール(ビタミンE)を摂取させた結果、筋肉の損傷を示すクレアチニンキナーゼの血中濃度の有意な低下が確認されています。[43]
ビタミンEには疲労物質の消失だけでなく、筋損傷から身体を守る働きもあるため、特にハードなトレーニングを行っているトレーニーは積極的に摂取していきましょう。
17.筋肉痛の緩和効果
鮭に含まれる『ビタミンB1』と『ビタミンB2』には、筋肉痛の緩和効果が期待できます。
筋肉の激しい伸縮により筋繊維などが損傷した状態が筋肉痛です。
ビタミンB1は神経や筋肉系に作用し、損傷した末梢神経の修復に役立ちます。[44]
ビタミンB2もまた、筋肉痛や疲労感を軽減する作用が確認されている成分です。
アメリカでは長距離マラソンランナー32名を対象に、レース直前と90km地点でリボフラビン(ビタミンB2)100mgまたはプラセボ(偽薬)を摂取させた結果、リボフラビン摂取グループの筋肉痛軽減が確認されました。[45]
さらに、レースから3日目と5日目に疲労感の確認をするため短距離走分析を実施したところ、リボフラビン摂取グループに有意なタイムが示されています。
ビタミンB2は瞬間的な筋肉痛の軽減ではなく、数日間身体を快適に保ってくれる成分なのです。
18.美肌効果による清潔感UP
美肌効果が期待できるのは、『ビタミンA』と『ビタミンB3』。
ビタミンAの一つであるカロテノイドは、強い抗酸化作用を持つ成分です。
肌老化の原因となる活性酸素の発生を抑制しながら取り除く作用も持っているため、美肌効果が期待できます。[46]
ナイアシン(ビタミンB3)は確かな研究結果により、2018年に”シワ改善有効成分”として厚生労働省に承認された成分。[47]
くすみやシミの原因となるメラニンの過剰生成を防ぐはたらきがあり、肌にダメージを与える紫外線のカット効果も確認されました。
さらに、鮭に含まれるアミノ酸の中にも美肌効果が期待できる成分が含まれています。
それは『アラニン』と『ヒスチジン』であり、2つが結合したカルノシンと呼ばれる成分です。[48]
カルノシンは、真皮にあるコラーゲンやエラスチンの糖化を防ぐ作用があります。
シワやシミの改善はもちろん肌の弾力も保ってくれるため、清潔感をUPさせたい人には特におすすめです!
また筋トレと並行して、日焼けマシンや日光による日焼けを日常的に行っている人も、美肌効果を意識してみましょう。
19.メンタルサポートによる快適なトレーニングライフ
『葉酸』と『ビタミンB6』には、メンタルサポートが期待できます。
筋トレでは日々の地道なトレーニングに加えて食事制限まで行う場合もあるため、まるでうつ病のような気分の浮き沈みを感じるトレーニーも少なくありません。
葉酸はうつ症状との関係性が報告されています。
アメリカの研究では、うつ病を発症している人と一般的な人とで葉酸血中濃度に明らかな違いが確認されました。[49]
食事から摂取する葉酸量も、うつ病の人は減少傾向にあります。
ビタミンB6はうつ病発症リスクを下げる可能性が示された成分です。
高齢者869名を対象にビタミンB6の血中濃度とうつ病発症リスクを調査した研究では、血中濃度が低い(20nmol/L未満)とリスクが約2倍も高まると判明しました。[50]
5年~7年にも渡って調査された別の実験でも、ビタミンB6欠乏症とうつ病症状の関連性が示されています。[51]
さらに鮭に含まれる『ナイアシン』は、セロトニンの分泌に関わる成分です。
”幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンの分泌にはナイアシンが欠かせません。[52]
つまり、鮭は食べるだけでネガティブな思考を制御しながら、ポジティブな心境になれる食材なのです。
筋トレに辛さ感じている人やモチベーションが不安定な人は、ぜひ意識して摂取していきましょう。
20.ビタミンCの6,000倍!アンチエイジング効果
鮭には、トマトに含まれるリコピンやニンジンに含まれるβカロテンと同じカロテノイドの一種『アスタキサンチン』が含まれています。
鮭の身が赤い理由は、アスタキサンチンを筋肉内に蓄積しているためです。
アスタキサンチンの魅力は強力な抗酸化作用。
強さはほかの成分と比較しても圧倒的で、より高いアンチエイジング効果が期待できるのです!
美肌を保つだけではなく、加齢や負荷によって衰える身体の機能も若々しく保ってくれます。
摂取量に関しては様々な研究が行われていますが、現時点では6mg~12mg/日程度が目安です。[55]
鮭には100gあたり4mgのアスタキサンチンが含まれているため、1食分の必要量は十分に満たせます!
筋トレにおすすめの鮭料理3選
鮭は様々な食べ方ができる食材です。
そこでここからは、筋トレにおすすめな鮭料理3選をご紹介します。
1.鮭とばは天然プロテイン
『鮭とば』は古代アイヌ人発祥の歴史的なグルメで、お酒や旅のお供として人気のおつまみですね。
驚くのは、たんぱく質の含有量。
コンビニで販売されている鮭とばを基準に計算すると、100gあたり48gものたんぱく質が含まれています。[56]
- 鶏ささみ・・・23.0g
- イワシ・・・32.8g
- 卵黄・・・16.5g
- きな粉・・・35.5g
高たんぱく食材として知られる上記の食材と比較しても、圧倒的な含有量です。
鮭とばは保存食としても用いられるほど、日持ちが良く持ち運びも便利な食べ物。
筋トレではたんぱく質を数時間おきに摂取するのが望ましいため、鮭とばを天然プロテインとして摂取するのもおすすめです!
2.鮭フレークはサプリメント
料理が苦手な人や手間をかけたくない人には『鮭フレーク』がおすすめです。
既に調理された状態で販売されているため、手を加える必要がありません。
しかも鮭に含まれる豊富なたんぱく質やビタミン類、ミネラル等はそのまま!
まるで手軽に栄養を摂取できるサプリメントのように、気軽にいつでも美味しく食べられます。
さらに鮭フレークは安さも特徴です。
肉体は日々の習慣で作られます。
つまり高額なプロテインも、飲み続けられなければ意味がないのです。
鮭フレークは非常に安価かつ、どこでも手に入る身近な食べ物。
食事によるダイエットが続かなかった人や、コスパ良く筋トレを続けていきたい人には特におすすめです!
3.鮭ハラスは筋トレ&ダイエットに最適
筋トレ&ダイエットを成功させたい人におすすめなのが『鮭ハラス』。
油っぽいイメージが強いため、ダイエットに不向きな印象を持っている人も少なくないでしょう。
しかしながら、鮭ハラスにはビタミン類が豊富に含まれています。
鮭の切り身より含有量の多い成分もあるうえ、ビタミンCにいたっては切り身に含まれていない成分です。[57]
含まれる油分はDHAやEPAなので、筋トレにもダイエットにも最適!
DHAやEPAは、中性脂肪やコレステロールの分解が期待されています。
また、鮭の切り身と変わらないほど糖質が少なく、それでいて安価なところも魅力でしょう。
安いのに高栄養値な鮭ハラスを使って、筋トレ&ダイエットを始めてみるのもおすすめです!
最新筋トレ最強食材はささみではなく鮭!
これまで筋トレには肉、たんぱく質はささみといったイメージがありましたね。
しかしながら鮭には肉類以上の魅力が豊富に詰まっています。
肉類では避けなければならない脂質も、良質な脂質を含む鮭ならそのまま食せるところが魅力です。
肉類中心の食事をしていたトレーニーは、一度鮭を取り入れてみるのもいいでしょう!
そしてこれから筋トレを始める人は、ぜひ食事のスタメンに鮭を加えてみてくださいね!
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
記者 WRITERGen
ボクシング歴9年の猛者。独学で学んだ筋トレの知識はプロのボディビルダーに匹敵する。専門知識に基づいた情報をお届けする。
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