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テストステロンと睡眠に関する研究データ7つ!増やしたいなら眠れ!
公開日:2023/01/05
更新日:2023/01/13
男性の心身にとって必要不可欠なテストステロン。
実は睡眠不足になると、テストステロンにマイナスの影響を及ぼすのです!
今回は研究データを基に、睡眠とテストステロンの関係を7つ紹介します。
テストステロンを増やしたい方は、ぜひ本記事を参考に睡眠時間を確保する工夫をしてくださいね!
Contents [目次を開く]
テストステロンと睡眠は密接に結びついている
筋肉をはじめとした男性機能において、とても重要なテストステロン。
このテストステロンが睡眠と密接に結びついていることをご存知でしょうか。
テストステロンはリラックス時に多く分泌されるとわかっています。
そして、人間が最もリラックスするのは睡眠時ですね。
事実、大阪大学の宮武明彦先生らが行なった研究で、睡眠時のテストステロン値は覚醒時と比較して優位に増えていると判明しています[1]。
そのためテストステロンを増やしたい方にとって、睡眠はとても重要です。
ではなぜ、睡眠時にテストステロンが増えるのでしょうか。
理由としては、自律神経が深く関わっていると言われています。
自律神経はアクセルの役割を果たす交感神経と、ブレーキの役割を果たす副交感神経があり、テストステロンは副交感神経が働く時に分泌されるのです。
逆に、交感神経が優位になるとストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールが増えると、テストステロンが減少すると判明しています。
健康な脳からは、睾丸を刺激する性腺刺激ホルモン「ゴナドトロピン」と、「副腎皮質刺激ホルモン」の2つの刺激ホルモンが、バランスよく分泌されています。
しかし、ストレスが加わると、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が過多になり、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が増えてきます。
そうなると当然、睾丸を刺激する「ゴナドトロピン」は相対的に減るため、睾丸から分泌されるテストステロンが低下するのです。(引用:DIAMOND Online)
このように、コルチゾールの増加によるテストステロン分泌減少を防ぐためには、副交感神経をしっかりと働かせないといけません。
副交感神経が最も働く行為、それが睡眠なのです。
テストステロンと睡眠に関する研究データ7個
睡眠とテストステロンが密接に関わっていることはわかっていただけたと思います。
ここからは、実際のデータから睡眠とテストステロンの関係を見ていきましょう。
今から紹介する7つの項目を読めば、より睡眠とテストステロンの関係がわかりますよ。
1.夜ふかしをするほどテストステロン濃度が低下する
テストステロンは夜更かしをするほど、濃度が低下します。
The World Journal of Men’s Healthは、テストステロンの値は起床時が最大で、夜間覚醒している時間が長くなるほど減少傾向にあると発表しました[2]。
この研究では睡眠時無呼吸症候群の人を対象にテストステロン値を調査していますが、対象者の多くは低テストステロンだったそうです。
理由は睡眠の時間・質の低下によって脳の機能が低下するからとのこと。
脳にはホルモンを分泌するための司令塔となる器官(下垂体)があり、睡眠不足になると下垂体の働きが落ちてしまいます。
脳の機能が低下すればテストステロンを分泌する命令が出されなくなるので、結果としてテストステロンの濃度が薄くなってしまうのです。
つまり、質の良い睡眠を取ればテストステロンの値は上がります。
このことを考えれば、性行為やオナニー、筋トレといった疲れる活動を寝る直前にするのは避けるべきかもしれませんね。
下手に脳が活動的になれば、睡眠の質低下につながるためです。
むしろ日中にしっかりと疲れておいて、夜に睡眠のスイッチが入るように心がけましょう。
睡眠を十分にとって脳機能を活発にすれば、テストステロン増加に繋がるので、質の良い睡眠を心がけましょう。
2.寝不足が1週間続くとテストステロンが15%低下
シカゴ大学の研究によると、1週間の寝不足がテストステロンの低下を招くと判明しています[3]。
寝不足でない場合と比較すると、なんと15%もテストステロンの値に差が出たそうです。
この研究では、若い男性が5時間睡眠をとっていた時と9時間睡眠をとっていた時を比較しました。
5時間睡眠の若者と聞くと割といそうな感じがしますが、テストステロンの量で考えると5時間では不足していると言えますね。
また、研究の中ではテストステロンだけでなく、活力スコアについても低い結果になったとのこと。
テストステロンが低下しただけではないかもしれませんが、関係がありそうです。
なお、テストステロンは加齢によって1〜2%ずつ減少していきます。
つまり、15%と言えば最大15歳も老化したことに…!
とはいえ、毎日9時間寝るというのは現実的でない人も多いはず。
そこで、毎日の理想の睡眠時間を調べてみました。
個人差はありますが、6〜8時間の睡眠が理想とされているようです。
適切な睡眠時間については、いろいろな研究結果から、6~8時間が目安といわれています。しかし、一人一人の体質や生活内容で大きく異なるため、自然に眠れて、日中眠くて困ることがない程度の時間を目安にするのがよいでしょう。(引用:NHK 健康ch)
その際のテストステロン値についてはわかりませんでしたが、少なくとも脳活動がしっかりとしていれば大きくは下がらないと考えられます。
5時間では寝不足と感じる人が多いのでしょう。
ほんの少しだけ寝る時間をを増やすだけでも防げる結果ですので、できるだけ睡眠時間を確保しましょう。
3.寝不足の人は休日の寝溜めでテストステロンを取り戻せる
お仕事での残業やパートナーとのスキンシップのために、毎日まとまった睡眠時間を確保できない。
そのような方でも、休日など寝溜めすればテストステロンを通常に戻せると言われています!
シドニー大学が行なった研究では、寝不足の男性が週末の3晩に10時間・6時間・10時間と睡眠した結果のインスリン感受性やテストステロンの値について調べました[4]。
結果として、テストステロン値を始めインスリン感受性などが向上したそうです。
結論、普段睡眠不足に悩んでいる方でも週末の時間を利用して寝溜めすれば、テストステロン値をはじめ健康指標が改善します。
もし週末などでまとめて寝る時間が確保できるのであれば、寝れる時に寝てしまってテストステロン値を高めてみましょう。
ただし、あまりにも長く寝すぎるとソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)や、体内時計の乱れにつながる可能性があります。
寝不足の日も含めて1週間の平均が6〜8時間になる程度にとどめて、寝過ぎに注意してくださいね。
4.中途覚醒が増えるとテストステロンが下がる?
睡眠中に起きてしまう中途覚醒が増えると、テストステロン値が下がる可能性が指摘されています。
イスラエルの医療センターでは、ずっと睡眠をとった男性と途中何度か起こされた男性とでテストステロンの値がどのように変化するかを調べました[5]。
この実験では、途中で睡眠が途切れた場合にはテストステロンが大きく下がってしまう結果に。
以前の研究でも、テストステロンはレム睡眠中に放出されるとわかっています。
朝勃ちを始め、レム睡眠の際にはテストステロンの影響で勃起が誘発されるのです。
テストステロン分泌量低下の重要なサインとして「早朝勃起(朝勃ち)」の消失があります。私たちは「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」を交互に繰り返していますが、レム睡眠期には陰茎が勃起を繰り返します。このレム睡眠のタイミングで目覚めて自覚する勃起を「朝勃ち」と呼んでいるのです。「夜間睡眠時勃起」は性的興奮と関係なく、男児は胎内にいるときから見られる、男性の脳の“生理現象”と言えます。睡眠中の勃起時間は、テストステロン値(テストステロンの分泌量を示す数値)にほぼ相関しており、20代では合計睡眠時間の2分の1、50歳代で4分の1、60代でも健康であれば5分の1は起こっています。(引用:静岡第一クリニック)
レム睡眠とは、簡単に言えば浅い睡眠のこと。
中途覚醒の増加によってまとまった睡眠時間が取れなくなった結果、テストステロンが放出されなかったのでしょう。
できるだけ途中で起きることを避けるために、睡眠の質を高める努力をしていく必要がありますね。
5.睡眠不足で食欲が増えると…
睡眠不足になると食欲が増えるのをご存じでしょうか?
無駄な食欲が増える=肥満になると、テストステロンの低値につながるのだそう。
これはメルボルン大学の研究で明らかになっており、肥満によって脳が性ホルモンの元を作り出せなくなった結果、テストステロンの低下につながると発表しています[6]。
そもそも睡眠不足だと、どうして食欲が増えるのでしょうか?
簡単に言えば、食欲を抑えるホルモンが減り食欲を促すホルモンが増えるから。
鍵となるのがグレリン、レプチンというホルモンです。
それぞれの働きを確認してみましょう。
- グレリン:食欲を増加させるホルモン、睡眠不足によって増加する
- レプチン:食欲を抑制するホルモン、睡眠不足によって減少する
つまり、睡眠不足によって食べる方向へホルモンバランスが傾いていくのです。
事実、睡眠不足になると空腹感や食欲が増すと言われています。
4時間睡眠で2晩過ごした後は、10時間睡眠の後に比べ、レプチン(食欲抑制ホルモン)が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)が増えており、実際に空腹感や食欲も増えていました。(引用:不眠と生活習慣病)
睡眠不足だけでもテストステロンは減少傾向にある上、肥満も加われば間接的にもっとテストステロンが減る事態に…!
ボディメイクのためにも、睡眠は重要と言えますね。
6.睡眠に不満があるとテストステロンも低下…
睡眠に不満がある=ストレスを感じる場合も、テストステロンの低下につながります。
理由は、ストレスによってコルチゾールが増加するから。
ストレスホルモンであるコルチゾールが増えるとテストステロンが減ることは、最初に申し上げましたね。
この項では別の実験から確認してみましょう。
シカゴ大学では通常睡眠と途中で起こすパターン、さらに睡眠なしのパターンでコルチゾールの値の変化について調べました[7]。
実験結果として、睡眠不足が深まるほどコルチゾールの分泌が多くなっています。
理由は前述した脳機能の低下によるものが大きいと考えられるでしょう。
ここでの脳機能とは、ホルモンを分泌する能力に加え、ストレスからの回復能力も関わってきます。
実験を行なったR Leproult先生も、睡眠不足による脳機能の回復遅延がコルチゾール分泌につながっている可能性を示唆しました。
つまり、睡眠不足はそれ自体がストレスになり、コルチゾールの分泌=テストステロンの低下につながるのです。
そのため、できるだけ睡眠時間が短い・熟睡感がないなどの不満は溜めないように改善を心がけましょう。
7.睡眠不足が筋トレの質を下げて…
睡眠不足になると、当然ながら筋トレの質も下がります。
では、具体的なデータでも確認してみましょう。
オーストラリアのディーキン大学では、睡眠不足下での運動パフォーマンスについて研究しています[8]。
そして、運動不足では最大筋力が低下するとわかりました。
最大筋力だけでなく集中力の低下や持久力の問題など、問題はさまざまです。
筋トレはテストステロンを生成する上で非常に大事な要素。
筋トレでテストステロン値を上げていきたい方は、必ず十分な睡眠をとるようにしてくださいね。
テストステロンを増やしたいなら睡眠はおろそかにしてはいけない
ここまでテストステロンと睡眠の関係性について説明してきました。
ホルモンバランスだけでなく、筋トレの質にも影響する睡眠不足は非常に厄介です。
テストステロンの分泌だけでなく、集中力の低下をはじめとした体調不良の原因にもなりかねません。
ボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手も、睡眠が重要であると断言しています。
睡眠の重要性について、競技を始めたときから意識していました。当時はメカニズムまで考えてはいませんでしたが、トレーニングの強度を上げていく中で、しっかり睡眠が取れていないと力が出にくいと感じていました。睡眠の影響が肉体づくりに出てしまうことを当初から体感していました(引用:Yahooニュース)
世界チャンピオンですら睡眠が重要と言っているので、一般人ではなおさら重要です。
テストステロンを増やしていきたいと考えている方は、ぜひ睡眠の質を向上するように考えてみてください。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
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理学療法士兼Webライター。本職で培った健康知識で男性の筋肉から性の悩みまで解決できる情報を発信していきます。
ネットにある浅い知識でなく、深掘りした知識を披露していきますので、お楽しみください!
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