【衝撃】我慢汁で妊娠しないのは嘘!理由と確率を徹底調査

公開日:2019/11/25
更新日:2022/02/09

【衝撃】我慢汁で妊娠しないのは嘘!理由と確率を徹底調査

彼女とセックスをする際に射精の時だけコンドームを付ける行為。
実はかなり危ないかもしれません。
我慢汁で妊娠してしまう危険性があるからです。
我慢汁による妊娠の確率と注意点を徹底調査しました。

  • 記者 WRITERSTERON編集部
    HIROSHI

我慢汁とは

液体の接着剤

男性であれば誰でも我慢汁の存在は知っているはずです。そうです、性的な興奮をしたときに尿道から排出される透明で滑りのあるローションのような液体です。

我慢汁の正式名称は尿道球腺液(にょうどうきゅうせんえき)と呼ばれています。一般的にはカウパーと呼ばれる事が多いですね。1702年にイギリスの外科医・解剖学者であるウィリアム・カウパーによって発表された事で、カウパー腺液と呼ばれるようになりました[1]

この我慢汁に含まれる成分は射精時に排出される精液とほとんど同じです。我慢汁は尿道球腺という場所で分泌され、尿道を通って精液と同じように排出されます。

精液と我慢汁は似ているようですが、一つ大きな違いが存在します。その違いとは精子を含む精液に比べて、我慢汁には精子が含まれていないのです。

 

我慢汁の本当の役割

精子

精子が含まれていない我慢汁。必要のない物質のようにも思えてしまいますが、実はちゃんとした役割があるのです。我慢汁やカウパーには大きく2種類の存在意義があります。

まず一つ目はローションの役割です。人間が性行為の際にローションや潤滑油を含むコンドームを使用し始めたのはごく最近の事です。潤滑油の働きをする我慢汁が出る事で、挿入時の難易度や痛みを下げる働きをしてくれるのです。実際に我慢汁の分泌量は性的興奮の度合いや前戯の継続時間に比例して増えると言われています。

二つ目は非常に重要で我慢汁には精子を守る働きをします。精子の通り道である尿道や女性の膣内には酸性の物質が存在します。実は精子は酸性には非常に弱く、酸性の強い環境下では生存する事が出来ません。

国際性機能学会(International Society for Sexual Medicine)の発表によると、我慢汁には酸性物質を中和する効果があり、精子の死滅や量の低下を防止する作用があるのです[2]。つまり妊活中であれば、しっかりと我慢汁を出してから性行為を行う事で、妊娠の確率を高める効果が期待出来るのです。

とはいえ我慢汁に精子が含まれていないのは事実です。ではなぜ精子が含まれていない我慢汁に妊娠の確率がある噂が立つのでしょうか?

 

我慢汁による妊娠の確率

望まない妊娠を避ける

妊娠するには女性の卵巣に排出された精子がたどり着く必要があります。逆に言えば精子なしで妊娠する事は絶対にありえません。ではなぜ精子を含まない我慢汁に注意する必要があるのでしょうか。

実は我慢汁の分泌時には一切の精子は含まれていないものの、排出されるまでの通り道で精子が混じってしまう可能性があるのです。これは精子を含む精液が我慢汁排出の通り道である尿道に漏れ、精子が生きている状態で発生する現象です。

2016年に発表されたレポートによるとタイの専門機関は42名の健康体の男性に精子検査キットを配布し、我慢汁飲みを採取し精子の保有有無を調査しました。その結果、なんと全体の17%の男性の我慢汁に精子が確認されたのです[3]

同様にイギリスの医大(Hull York Medical School)は27名の男性の我慢汁を調査した結果、生殖機能のある精子が実験参加者のうち10名である37%の男性の我慢汁に含まれていた事が判明しました[4]

我慢汁で妊娠する確率について調査した実験は存在しませんが、上記の実験の結果からは約2割~4割の確率で精子が含まれている事が分かりますね。

 

ゴムを付けても妊娠するケース4つ

我慢汁やカウパーに精子が含まれている事からも、コンドームを付けない状態で挿入してしまう行為は射精しなくとも、妊娠する確率があると言えます。さらに言えば注意すべきは射精前の我慢汁だけではないのです。射精時にコンドームを付けているのに妊娠する可能性がある5つのケースを紹介します。

 

1.射精時しか付けていない

コンドーム

コンドームを射精時にしか付けていないのはもちろん妊娠の確率を高めてしまいます。我慢汁による妊娠の可能性はもちろん、精子は射精後も一定時間生存している事を忘れてはいけません。

アメリカの専門機関の「American Pregnancy Association」によれば精子は最大で膣内で5日間生存する可能性もあります[5]。つまり射精後の精子が何かしらの行動で女性の膣に入り込んでしまう事で、妊娠に繋がる可能性はあるのです。

 

2.射精後も挿入したまま

手をつなぐカップル

我慢汁以外でも最も注意すべきは射精後です。特に射精後は勃起状態が治まるため、膣内でコンドームが外れやすくなります。精液が外れたゴムから流れ出てしまう事で妊娠に繋がる確率は十分にあるでしょう。

特に我慢汁の分泌量が多い男性の場合は、コンドームとペニスの間に我慢汁が入り込み非常に外れやすいので注意が必要です。射精後は直ぐにペニスを抜き、精子の溜まっているコンドームはすぐさま廃棄するようにしましょう。間違っても女性の膣付近に射精後のコンドームを置くような行為は避けましょう。

 

3.ゴムが上手く機能していない

欠陥のあるコンドーム

アメリカのアダルトグッズメーカである「Adam&Eve」が2019年に1000名の男女を対象に行ったアンケートによると、全体の41%がコンドームが外れたり破損した等の経験をしている事が判明しました[6]

大手メーカーのコンドームは基本的に出荷前に穴が開いていないかを検査しています。大手の相模ゴム工業によると、全てのゴムに対して通電テストを行ってから出荷をしているそうです[7]

出荷時に穴はなくとも、購入してから時間のたっているコンドームは破損の危険性が高まります。使用前にはパッケージ記載の使用期限をしっかりと確認するようにしましょう。一般的にはコンドームの使用期限は3年から4年とされています[8]

またコンドームが行為の途中で外れてしまう事もあります。途中で外れてしまうのを防ぐには自分のペニスにピッタリ合うサイズの製品を見つける必要があります。最初はアソートセット等を購入すると、コスパ良く自分のペニスにぴったりと合うサイズを探せます。

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4.ゴムの避妊率は100%ではない

女性医師のコメント

コンドームの避妊率は100%ではない事をご存知ですか?アメリカのヘルスケアサイト「Planned Parenthood」は、コンドームの一般的な避妊確率は85%だと発表しています[9]。ここまで避妊率が低い理由はサイズや付け方、付けるタイミング等にミスがあるからです。

また今回紹介したポイントを守り、正しくコンドームを付けた場合でも妊娠を回避できる確率は98%と100%にはなりません。より確実に妊娠を避けたい場合はピル等のゴム以外の選択肢も検討する必要があるでしょう。

 

【まとめ】我慢汁以外にも注意は必要

ネットやSNSでは我慢汁と妊娠の関係についての情報が飛び交っています。中には知識のない人が発信する嘘の情報もたくさんあります。

実際に専門機関による複数の実験結果を見る限り我慢汁には2割~4割の確率で精子が含まれており、妊娠の可能性は確実にあると言えるでしょう。

基本的にはコンドームで妊娠の確率を下げる事は出来ますが、正しく使わないと避妊率は85%まで低下してしまいます。念には念を入れて間違いのない安全なセックスを心掛けましょう。

※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERHIROSHI

    STERON編集部
    健康食品のOEMメーカーにて10年間勤務。その後性に関する某ベンチャー企業にて商品の企画開発に従事。
    仕事でもプライベートでも性を医療的側面から見ているので、常に冷静な顔でとんでもないページを見ています。
    過去の経験を生かし、科学的な根拠にもとづいた記事の執筆を心がけています。

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