なんでイクの?絶頂時に身体と脳に起きてる12の事

公開日:2019/12/19
更新日:2022/02/09

なんでイクの?絶頂時に身体と脳に起きてる12の事

イク(絶頂)事は気持ちい。
一体なぜイクと気持ち良いのでしょうか?
絶頂の瞬間脳や体にはどのような変化が起きてるのでしょうか?
絶頂時の脳の状況を解説します。

  • 記者 WRITERSTERON編集部
    ニュース担当

イク時に起きる12のこと

セックスは必ずイカなければいけないものではない。だが、絶頂が良いモノであるということに異論はないだろう。

イクことができれば、普段味わうことができないような喜びを感じることができるし、もっとセックスがしたくなる。絶頂とはいわば、人生のボーナスのようなものだ。

しかし、イク時に身体や脳に何が起こっているのかしっかりと理解している人はいなかった。そこで研究者達はfMRI(Functional Magnetic Resonance Imagining: MRI)とPET(Position Emission Tomography:陽電子放出断面撮影)を用いて、絶頂の時に脳と身体で何が起こっているのか調査した。

その結果、イク時の脳内の血流状況やニューロンの活動状況がわかり、いくつかの驚くべき新事実が判明した。そのデータを基に、追加の専門家の協力も得て、本誌(BUSINESS Insider)が見つけ出した絶頂時に脳内で起こっていることを紹介した。

 

1.論理的な部分が働かなくなる

論理的思考

セックスの途中に、いつもより大胆になった経験はないだろうか。「普段なら絶対にしない行動や言葉を口にして恥ずかしい思いをした」なんて男性もいるだろう。調査結果を基にお伝えすると、大胆になってしまうことは決して不自然なことではない。セックスの最中は、脳内のロジカルに理由付けを行う機能が鈍るのである。

臨床心理学を専門とするDaniel Sher博士はINSIDERに次のように語る。

セックス中は眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)の活動が抑制されます。眼窩前頭皮質は、決断能力や価値判断を行っている脳の部位です。ここの働きが弱くなることで、適切な判断ができなくなり不安感や恐怖心がなくなるため大胆な行動を起こすようになるのです。

恐怖心や不安感が強い状態では、性欲が沸き立つことも勃起することもない事実を考えると、セックスの時に眼窩前頭皮質の働きが抑制されることにも理解ができる。

 

2.脳内の複数箇所が活性化する

脳の活性化

MRIで撮影した写真を分析すると、セックスの最中は脳内の複数の箇所が活動的になっていることがわかった。

研究者達は、性刺激を受け取る部分、運動野、視床下部、視床、黒質など脳の複数の部分が、絶頂時に活発に活動していることを突き止めました。

——Kayt Sukel(認知心理学者)

視床は、味覚以外の感覚の管理を行っている脳の箇所だ。つまり、セックスの時に得られる全ての刺激を受け取る場所であり、絶頂に導いている脳の部位ということもできる。一方で、視床下部はオキシトシンの産出を行うことで、ムラムラ感の舵取りを担っている脳の部位だ。

運動野もセックスには密接に関わっている場所です。なぜなら、セックス中は誰もが常に動いているからです(動かない人もいるとは思いますが、少数派であることを祈っています。)。セックスの時に性刺激を感じる脳の部位が活動的になるのは言うまでもありません。

 

3.ドーパミンを大量に分泌する

ドーパミン

イッたとき、脳は数え切れないほど多くの種類のホルモンと神経化学物質を必死に作り出している。その中の1つがドーパミンだ。幸福感や欲求、モチベーションなどの源になるホルモンで、名前は聞いたことがあるだろう。

Sher教授が解説したように、ドーパミンは腹側被蓋野で作り出され即座核や前頭全皮質などに広がっていく。さらに認知心理学者のSukel博士はドーパミンの働きについて次のように付け加える。

多くの人は、ドーパミンをただの快楽物質だと考えています。しかし、実はこれまでの研究で多くの効果があることが示唆されているのです。意外な効果の1つが、学習するために不可欠な物質とも言われていることです。食べるものやセックスなど快楽を感じる行為をご褒美であると認識して、どうすればより多くのご褒美を手に入れることができるか学習するために使われているホルモンなのです。

 

4.オキシトシンが分泌する(授乳の時と同じ)

愛し合うカップル

オキシトシンもセックスで絶頂に達したときに多く分泌されるホルモンだ。脳下垂体の中で作り出され、視床下部に放出されるオキシトシンは、愛情ホルモンと呼ばれている。一緒にいる相手に親近感を覚えるように脳を錯覚させるからだ。

オキシトシンは、授乳しているときにも多く分泌されることから、親子のためのホルモンであるとも言われています。また、愛情や愛着を強める効果があることも知られているのです。

プロラクチンもまた、絶頂時に産出されるホルモンの1つだ。イッた後に満足感を感じるのは、プロラクチンが働いているからである。ちなみに、プロラクチンはミルクを作るときにも多く産出される。言うまでもないが、セックスの最中と授乳している最中に分泌されるプロラクチンやオキシトシンは異なる役割を持つので安心してほしい。

これらのホルモンは、身体の中でいくつもの役割を担う大切なホルモンだ。例えば、社会的な繋がりを強固にするためにも不可欠なものであることがわかっている。

 

5.薬物をやっている時のように脳が刺激される

脳が活性化する女性

意外かもしれないが(意外に思っていない人もいるかもしれない)、セックスとその他の”楽しい経験”をしたときの脳の変化に大きな違いはない。イッた時に活動的に脳の部分は、デザートを貪っている時やポーカーで勝利した時と同じなのだ。

Sher教授は次のように語る。

絶頂に達するまでの過程で、脳内の報酬系が刺激されるため、セックスが楽しいモノとして身体に記憶されているのです。そして、実はこの時の脳内の動き方は薬物やアルコール、ギャンブル、おいしい食事やお気に入りの音楽を聴いている時と全く同じなのです。

 

6.セックス中は痛みを麻痺させる物質が分泌される

ハードなプレイをするカップル

実は、あなたの身体はセックスの最中は痛みを感じにくくなっている。

脳下垂体が活発になると、エンドルフィンやオキシトシン、バソプレッシンと呼ばれるホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、痛みを少なくし、愛情や繋がり感を強くするのです。

ローションメーカーのアストログライドで特別顧問をしているJess O’Reilly博士はこのように語った。

スパンキングや首絞めなど、通常時であれば痛みを感じるプレイも、セックス中であれば快楽に変わることがある。これはエンドルフィンなどの痛みを和らげるホルモンの働きによって説明ができるかもしれない。

 

7.イク時は痛みと同じ箇所が活発になる

痛みを感じる

痛みを感じることで性的にも感じる人は少なくない。この理由は、オーガズムに達するときと痛みを感じるときに活発になる脳の箇所が同じであることが関係している。

Sher教授によると、大脳皮質の中にいくつかある痛みを感じる箇所が、絶頂時にも活発になるとのことだ。

イクことと痛みの関連性は完全にはわかっていはいないが、これまでにいくつかの研究で女性器への刺激は痛みを感じにくくするという研究結果も発表されている[1]

 

8.イッた後は幸せ感と眠気を導く物質が分泌される

就寝前の女性

一度イクと、脳は活動を緩めていく。とはいえ、完璧に停止してしまうわけでは無い。

女性も男性も、セックスの最中は交感神経が優位になっています。ただし、一旦イクと副交感神経が優位になり、落ち着きを取り戻そうとするわけです。オーガズムに達するまでは非常に活発に動いていた前頭全皮質も、徐々に落ち着きます。落ち着くとともに体内のオキシトシン量が増加するのです。

Sukel博士によると、脳は絶頂の後はセロトニンの分泌も行うとのこと。セロトニンは、リラックス効果があり、落ち着きを取り戻す効果があるホルモンである。セロトニンの分泌量が増えると、眠たくなる人もあるとのこと。セックスの後はよく寝られるのは、セロトニンの働きとも言えるのだ。

 

9.女性はイッた後もオキシトシンが出続ける

幸せなカップル

性別にかかわらず、セックスの最中はオキシトシンが出続ける。そのために、セックス中は強い幸福感や繋がっている感覚を楽しむことができるのだ。絶頂後、男性の脳はオキシトシンの分泌を停止するのだが、女性の脳は異なる動きをする。

女性の脳は、セックスや絶頂の後でもオキシトシンを分泌し続けます。だからこそ、男性よりも後戯を重要視するのでしょう。

 

10.性器が無感覚の人でもイクことはできる

オーガズムを感じる女性

射精や絶頂、オーガズムは性器への刺激がないと達する事が出来ないというのが一般的な認識だ。しかし、最新の研究によると、イクには絶対に性器の刺激が必要である、というわけではない。脳は常に新しい神経回路を作り出しており、その中には性的なものも含まれる。性器への刺激以外も性的な刺激として感じるような神経回路も作られるわけだ。

O’Reilly博士は次のように説明してくれた。

内臓や身体の一部を取り除くと、失った感覚を補填するように神経回路が作り直されます。これと同じように、性器の感覚がなくなってしまった場合でも、イクために必要な刺激を感じるための神経回路が性器以外に対して作り出されるのです。

下半身麻痺に苦しむある女性のケースでは、脳内で性的な刺激に対する神経が新しく作り直され、乳首でイキやすくなったと報告する論文も存在する[2]。性器の感覚を失っていなくとも、性器以外でイクことができるように開発することも、同じ原理で可能である。

 

11.絶頂があるからヒトは生殖活動に夢中になる

複数の精子

絶頂は、疑う余地がないほどいいものだ。絶頂感は我々が気が付かないほど自然に、我々を生殖行為へと夢中にさせている。

子供を産むためには、9ヶ月もの間、別の命を自分の身体の中に寄生させる必要があります。さらに生んだ後も数十年は育て上げなければいけません。客観的に考えて、子供を作り育てることは、生半可な仕事量ではありません。そんな大変な作業が始まる前の、ささやかな幸せが絶頂なのかもしれません。

これまでに数多くの研究が行われてきたが、まだ誰もオーガズムが存在する確たる理由は解明できていない。Sher教授は、純粋な幸福感を数回感じることが出来るというだけで、ヒトはセックスが好きになるという事実を指摘し、セックスに意識が向くようになっているのだと主張する。つまり、オーガズムがあることで、ヒトは多くのセックスをしたくなり、結果として種の保存が実現するというわけだ。

 

12.イクことは実は健康に良い影響を与える

健康的な男性

人類が継続的に繁栄することに加え、イクことは私達、個人レベルでも良い影響を与える可能性がある。絶頂に至ることで健康的な身体を手に入れることができるかもしれないのだ。

Sukel博士によると、進化論的な観点から話すと、絶頂時に発生する急激な血流の上昇によって脳内の血管が鍛えられて脳の健康状態に良い影響を及ぼすことが期待できるとのこと。実際にオハイオの病院が発表した研究では、女性のオーガズムは排卵を刺激する大切な役割をになっていると発表している[2]

セックスは精神面にも良い影響があるという研究結果[3]があることも考慮すると、セックスをしない手はないと言えるだろう。

参照:Here’s What Happens to Your Body And Brain When You Orgasm

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  • 記者 WRITERニュース担当

    STERON編集部のニュース担当チームです。
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