バナナでテストステロンが増える3つの理由と注意点

公開日:2023/01/06
更新日:2023/01/13

バナナは様々な研究結果により、テストステロン増加に効果的と言われています。
手軽に手に入る食材なので、今すぐ試したいですよね。
でも、ちょっと待ってください。
本当にバナナを食べるだけでテストステロンが増えるのでしょうか。
今回は、バナナでテストステロンが増える3つの理由と注意点を紹介します。

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    fucdam

バナナを食べるとテストステロンが増加する3つの理由

バナナは気軽に食べられるため、朝食や間食に取り入れる方も多いでしょう。

そんなバナナがテストステロンを増加させるという事実をご存知ですか?

眉唾な情報ではなく、実際の臨床試験によって実証されている事実なのです。

これから実際の実験データを交えて、バナナがテストステロンを増やす3つの理由を説明します。

ぜひ最後までご覧ください。

 

1.テストステロンを増やす酵素「ブロメライン」の働き

バナナに含まれる酵素「ブロメライン」に、テストステロンを増加させる働きがあります。

検索するとパイナップルに多く含まれていることがわかりますが、バナナにも含まれている酵素です。

ブロメラインの働きはタンパク質分解

タンパク質分解と聞くと筋肉を分解するように聞こえますが、なぜテストステロン増加に働くのでしょうか。

その理由は、ブロメラインが抗炎症作用に働くためです。

ブロメラインはサプリメントとして、副鼻腔炎や筋肉痛に有効であるとされてきました。

ブロメラインはサプリメントとして、特に鼻や副鼻腔、歯肉などの痛みや腫れ、また、他の体の部位における手術やケガをした後の痛みや腫れの軽減に良いとされています。また、変形性関節症、がん、消化器疾患、筋肉痛にも良いとされています。ブロメラインの局所塗布は熱傷に良いとされています。(引用:厚生労働省eJIM

体内に慢性的に炎症がある場合、テストステロンの値が低くなるとされています。

というのも、炎症による慢性的なストレスによってコルチゾールが分泌されるためです。

つまり、体内の慢性炎症=ストレスによるテストステロンの減少を、ブロメラインの抗炎症作用が食い止める可能性があるそう。

この仮説を立証するための実験を、タスマニア大学のCecilia M Shing先生らが行なっています[1]

実験では自転車競技に参加する選手に対して、6日間ブロメラインを摂取したグループと摂取しないグループに分け、競技後のテストステロンの値を比較しました。

結果、ブロメラインを摂取したグループは摂取しなかったグループと比較して、テストステロン濃度が維持されたそうです。

自転車競技では常に筋肉に負荷がかかり続け、そのストレスでコルチゾールが増加すると考えられます。

しかしブロメラインを摂取することで炎症が抑えられ、コルチゾールの分泌=テストステロンの減少を防げたのではないでしょうか。

はっきりとした作用機序は明らかにはされていませんが、結果としてテストステロンの値は高くなっています。

そのため、ブロメラインにはテストステロンの値を増加させる傾向にあると言えるでしょう。

 

2.マグネシウムによる抗酸化作用

バナナに含まれるマグネシウムもテストステロン増加に働きます。

マグネシウムは骨に多く含まれているミネラルですが、筋肉に糖分を運んで運動の質を高める効果[2]やうつに効くという報告[3]もあります。

そして、テストステロンを増やす嬉しい効果も!

トルコの大学で行われた実験では、毎日10mg/kgのマグネシウムを摂取する運動が少なめの男性グループ、同量のマグネシウムを毎日摂取するアスリートのグループ、マグネシウムを摂取しないアスリートグループに分けてテストステロンの量を比較しました[4]

結果、どのグループでもテストステロンの向上が見られたそうです。

特に多くテストステロンが増加したのはマグネシウムを摂取したアスリートのグループで、これはマグネシウムによる増加と運動による増加の相乗効果と考えられます。

ではなぜマグネシウムによってテストステロンが増えるのでしょうか。

理由は抗酸化作用とされています。

酸化とはつまり活性酸素による体へのダメージ。

ダメージを受ける=ストレスを感じると置き換えてもいいでしょう。

ストレスを受けるとコルチゾールが増えるのは先ほど説明しましたね。

マグネシウムには抗酸化作用があるので、コルチゾールの増加によるテストステロンの減少を防ぐ働きがあります。

マグネシウムは酸化ストレスを軽減するSODの補酵素ですから、積極的にマグネシウムを摂取することは、細胞の老化防止に効果的であるといえます。(引用:Medical Note

筋肉の質を高め、抗酸化作用によるテステステロン増加作用もあるマグネシウム。

そのマグネシウムを含むバナナはとても有用な食べ物なのです。

 

3.リラックスによるストレス軽減

バナナを食べる有用性として、リラックス効果でのストレス軽減も挙げられます。

しつこいようですが、ストレスはコルチゾールを分泌させてテストステロンの減少を招くため、テストステロンを増やしたい人にとっては天敵なのです。

なぜバナナがストレス軽減につながるかと言うと、GABAとトリプトファンのおかげ

まずGABAについて掘り下げていきましょう。

GABAとはアミノ酸の一種で、脳に働きかける神経伝達物質として有名です。

最近ではチョコレートなどにも含まれていますね。

GABAが注目されている理由は、脳に直接作用することでストレスの緩和に期待が持てるから。

2011年、コカコーラ社とファーマフーズ社が行なった共同実験では、GABAを摂取した人としなかった人でストレス負荷テストを実施しました。

結果、ストレス負荷後の唾液中コルチゾール量は、GABAを摂取した人のほうが圧倒的に少なかったのだそうです[5]

GABAがコルチゾール量の軽減に有効であるとわかりますね。

次にトリプトファンについて。

トリプトファンも必須アミノ酸の1つで、ストレス緩和作用が期待できる成分です。

作用機序としては、セロトニンという神経伝達物質が関わってきます。

セロトニンとは幸せホルモンとも呼ばれ、精神安定剤とよく似た分子構造を保つため気持ちを落ち着かせてくれる優れもの。

例えば、うつ病患者の脳ではセロトニンレベルが低下していることから、セロトニンが前頭前野に作用してストレスと不安を調節している可能性が解析されています。(引用:東邦大学

何より薬と比較して副作用もなく安心である点でとても優れています。

ではなぜトリプトファンとセロトニンが関わっているのでしょうか。

実はセロトニンはトリプトファンを材料として作られる物質なのです。

トリプトファン→メラトニン→セロトニンと合成されていくため、セロトニンを分泌するためにトリプトファンは必要不可欠。

そして、トリプトファンを摂取することで血中コルチゾールが低下するという報告を畜産草地研究所がしています。

畜産草地研究所はウシにトリプトファンを投与した際、コルチゾールの値がどのように変化するかを調べました[6]

そしてコルチゾールの値は、トリプトファンの投与によって減少していたそうです。

これらの実験結果から、GABAとトリプトファンにはストレス軽減の効果があると言えるでしょう。

GABAとトリプトファンを含むバナナはストレス軽減に有効な食材なのです。

 

バナナとテストステロンに関する注意点

バナナを食べるとテストステロンが増加するとおわかりいただけたでしょう。

しかし、ただ食べれば良いわけではなく、食べ方に注意が必要です。

むやみやたらに食べてもバナナの実力が発揮されず、ただただカロリーとなるのみ。

ぜひこれからの注意点3つを確認し、効果的にバナナを食べてください。

 

1.ブロメラインは摂取するだけじゃイマイチ…

ブロメラインには、結果としてテストステロンを増加させる傾向があると説明しました。

ここで注意が必要なのは、ブロメラインが実際にはテストステロンを増やしているのでなく減少を食い止めている点。

つまり、相対的にテストステロンが増加傾向にあるだけで、実際にテストステロンの量が増えているわけではありません。

他サイトを見れば「バナナのおかげでテストステロンが増える!」などの記述が見当たりますが、残念ながら事実と異なります。

さまざまな臨床試験を検証したものの、筋肉の分解抑制効果の結果テストステロンが減らないとの記述以外は見つかりませんでした。

そのため、バナナを食べてブロメラインを摂取するだけではテストステロンが増えないと頭に入れておきましょう。

バナナの摂取でテストステロンを増やしていきたいのならば、バナナを食べるのみでなく筋トレも同時に行うべきです。

筋トレはテストステロンを増やすための有効な手段として有名ですね。

大きな筋肉を中心とした適切なウエイトトレーニング、筋力トレーニングがテストステロンや成長ホルモンの分泌を促すことが分かっています(引用:北村クリニック

そしてバナナは消化吸収が良く、エネルギー源としてとても優秀。

バナナをエネルギー源として筋トレをしていけばテストステロンも増えていきます。

バナナでのブロメライン摂取を目的にするのでなく、エネルギー源として筋トレに励む方がテストステロン増加には効果的ですよ。

 

2.少量だとストレス軽減に劇的な効果なし

バナナに含まれるGABAとトリプトファンがストレス軽減に効果的なのは、説明した通りです。

しかし大きな欠点があります。

それは含有量が少ないこと。

DoleがGABAの機能性表示食品としてバナナを発売していますが、DoleのバナナですらGABAの含有量は1〜3本で6.2mg程度です。

対して、GABAの実験で用いられている量は大体25mg以上。

臨床試験で用いられる量に対してかなり少ないとわかります。

また、GABAが含まれているサプリから、GABAの含有量を確認してみましょう。

  • セロトシードR4:100mg
  • 睡眠サポートカプセル:100mg
  • スヤリッチ:100mg
  • ぐっすりGABA:100mg

このように、GABAの効果を最大限引き出すためのサプリでは100mg含まれています。

その点、バナナのGABA含有量ではとても少ないですね。

バナナだけでGABAの必要量を確保するのは至難の業と言えるでしょう。

もしGABAをしっかりと摂取したいと考えるのであれば、バナナではなくサプリなど別の手段を考えるべきです。

 

3.食べ過ぎると…

バナナはGABAやトリプトファンだけでなく、ビタミンやミネラルも豊富に含まれていて栄養豊富。

ただし、カロリーも高めなので食べ過ぎには注意が必要です。

1本あたり77kcal程度は含まれています。

そして問題は軽々と食べられてしまうこと。

ついつい食べ過ぎてしまい、気づいたらカロリー過多に…なんて事態にもなりかねません。

最も問題なのは肥満になるとテストステロンの数値が低くなること。

イスラム医科大学が行なった研究では、BMIと血中テストステロンの値を比較検証しました[7]

結論として、BMIと血中テストステロンは、BMIが高くなる=肥満であるほど低くなると報告しています。

普段の食事に加えてバナナを食べ過ぎてカロリー過多に、そして肥満になる…

その末路はテストステロンの減少という最悪な結果になります。

そのため、バナナの食べ過ぎには注意しましょう。

 

テストステロンを増やすならバナナを食べるだけじゃダメ

バナナには、テストステロンを増やすための成分がたくさん含まれています。

その他の栄養成分を見ても、バナナは非常に優秀な食材です。

ですが、その含有量やカロリーの弊害を考えると、バナナを食べるだけではテストステロン増加に効果的とは言えません。

バナナを摂取しつつ、筋トレをしていく方法がベストと言えるでしょう。

そして、手っ取り早くテストステロンを増やしたいなら、サプリに頼るのも一つの手段です。

以下の記事にテストステロンブースターについてまとめてありますので、ぜひ併せてご覧ください。

【テストステロンブースターランキング】正しい選び方とおすすめサプリ7選

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    理学療法士兼Webライター。本職で培った健康知識で男性の筋肉から性の悩みまで解決できる情報を発信していきます。
    ネットにある浅い知識でなく、深掘りした知識を披露していきますので、お楽しみください!

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