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オートガイネフィリアとは？4つのタイプ

オートガイネフィリアとは、『自己女性化愛好症』と呼ばれるもので、男性が自分自身を女性化することで興奮をするという性的嗜好の一種です。

もう少し簡単に言いますと、男の自分が女に近づく、女らしくなることに興奮する性癖ですね。

混同されるものとして性同一性障害がありますが、オートガイネフィリアは「単なる性癖」、性同一性障害は「身体の性と心の性が一致しない状態」と、別物として理解されます。

しかしながら、その判断は非常に困難。

なぜなら、オートガイネフィリアでも性同一性障害に非常に近い願望を持っている方もいるため、自分はおろか医師でも正しく判断できない可能性があるからです。

まずはオートガイネフィリアをもう少し詳しく理解するために、4つのタイプについて説明していきます。

Type 1.トランスべスティックオートガイネフィリア

トランスべスティックオートガイネフィリアとは、女性の服を着たいと思ったり、実際に着たりすることで興奮を覚える男性のことです。

あくまで恋愛対象は女性である男性が、女装が好き、女装をしてオナニーすることが好きであるということを指しています。

一般的な事例で言うと、女性の下着に興奮し、それを履くことで性的興奮が増す方もこのタイプに入ります。

女装オナニーから下着集めにハマり、下着女装するようになりました。興奮よりも充足感が強く、自分の性別には若干疑問を感じています。可愛い下着大好き（50代男性　会社員）

性癖と割り切って楽しんでいる人も多く、オートガイネフィリアの中では軽微と言えます。

Type 2.ビヘイビオラルオートガイネフィリア

ビヘイビオラルオートガイネフィリアとは、女性的な仕草や行動をすることで興奮を感じる男性のことです。

社会的な女性の振る舞いや女性しかできない仕草に興奮していることから、「他者から女性として見られたい」願望が強いタイプと分析できます。

俺がなぜ女装したいのかというと、お兄ちゃんとかキャッとか、スカートの裾抑えたりとか、内股になったりだとか、女性らしい仕草がやってみたいのさ（30代男性　金融関係）

トランスべスティックオートガイネフィリアより1つレベルが上ですね。

Type 3.フィジオロジックオートガイネフィリア

フィジオロジックオートガイネフィリアは女性特有の機能である妊娠、生理、授乳を体験したいと感じ、性的興奮をおぼえる男性のことを指します。

ここまでくると、性同一性障害との線引きが曖昧になってきますね。

女性だけができる妊娠、生理、授乳の「機能そのもの」に興奮しているか？が一つの判断ポイントとなりそうです。

女性になりたいからと言って子どもが欲しいとは限りませんし、生理もマイナス面を考えると誰もが避けたい物ですからね。

オートガイネフィリアでも、最もレアなタイプと言えます。

Type 4.アナトミックオートガイネフィリア

アナトミックオートガイネフィリアは、女性の身体や身体の一部を手に入れたい願望に性的興奮を感じる男性のことです。

軽いものですと、女性のような体型や髪型。中には胸を手に入れるため豊胸手術をする方や、女性器の形成手術を受ける方もいます。

アナトミックオートガイネフィリアと性同一性障害との区別は困難。

性同一性障害の男性の場合は男性が性愛の対象になりますが、オートガイネフィリアはあくまでも対象は女性、というポイントで判断するほかないです。

しかしこれも、「女性は男性に抱かれるのだから、女装している自分も男性に抱かれたい」と思うオートガイネフィリアもいるため、注意が必要。

ホルモン治療や手術など、取り返しのつかないフェーズへ移行する前に今一度考える必要がありますね。

オートガイネフィリアの具体的特徴9個

ここからはオートガイネフィリアの具体的な特徴をご紹介します。

1.オナニーやプレイでのみ女装を好む

「女装オナニーや女装プレイは興奮するけど、女性になりたい訳ではない…」

これは典型的なトランスべスティックオートガイネフィリアです。

該当する方は女性として性的行為がしたいのではなく、「女装をして女に近づいた男の自分」に酔いしれて性的欲求を満たしています。

この違いが、性同一性障害とオートガイネフィリアを区別する根拠となっています。

実際に、単に女装オナニーが好きなだけの方も多数存在するのです。

親父が「女として生きたいならそういう選択肢もある」みたいなこと語ってたけど、俺が「女装してオナニーするのが好きなだけ」って言ったら妹が家出して両親が離婚した（20代男性　学生）

また、女装オナニーが好きだけど性同一性障害とは違うと違和感を持った結果、自分がオートガイネフィリアだと気づく方もいます。

性自認は男で対象は女性なんで、性同一性障害とは違うのよ。オートガイネフィリアって性癖みたいよ（30代男性　不動産関係）

判断は「性自認が男かどうか？」「女性が好きかどうか？」ですぐに可能。

比較的ライトなオートガイネフィリアの一種と言えます。

2.女装して出かけたい

単なる女装に留まらず、女装をして外を歩きたい、女性として周りから見られたいという欲は、ビヘイビオラルオートガイネフィリアの特徴です。

「女性として過ごしたい」ではなく、女性として見られている自分に興奮しています。

実際に、女装して性処理するだけに留まらず、ツイッターなどのSNSに投稿している方がたくさんいるのです。

久しぶりに宅女装したら上手くいった。すぐに落とすのもったいないし、ツイキャスでもやろうかな（20代男性　営業職）

こっそりではなく普段から女性の格好をしたいと感じる人でも、オートガイネフィリアである可能性は否定できない訳ですね。

3.女性のように挿入される感覚を体験したい

女性のように男性に抱かれたい。女性のように男性のものを挿入されたい。

このような体験をしたいと思うのは、フィジオロジックオートガイネフィリアとして分類されるでしょう。

男性が好きで愛している訳でなく、「女性として扱われ、男性に抱かれる自分」に興奮しているのです。

オートガイネフィリアの男性は、女装をしてアナルオナニーを楽しむことも多いです。

今夜はアダルトVR見ながら女装アナニーしたい。（40代男性　運送業）

オートガイネフィリアの知識がないと、この性癖を持っている男性はゲイやM系男子だと誤解をされることも、オートガイネフィリアの判別を困難にしています。

4.豊満なおっぱいを身に着けたい

豊満なおっぱいに憧れ、自分にもおっぱいが欲しいと思うのは、アナトミックオートガイネフィリアの典型的な例です。

おっぱいは女性の象徴。オートガイネフィリアの中にはおっぱいが欲しいと思う男性も少なくありません。

女装用にスポブラ買ってみた。普通のブラと違って胸を作りやすいから女装好きは試してみて（20代男性　接客業）

オートガイネフィリアを持つ男性の中には豊胸手術を考えられる方もいて、そこから自分が性同一性障害なのかどうかと悩まれる方も多いです。

逆にオートガイネフィリアと自認している男性は、シリコンバストを着用するなどで楽しんでいる方もいるようです。

シリコンバストに興味がある方は、コチラの記事をご覧ください。

【女装男子必需品】シリコン胸の選び方とおすすめバスト13選

5.女性の性器を身に着けたい

女性器を欲するのはおっぱいよりもさらに深いアナトミックオートガイネフィリアですね。

女性器を手に入れたい男性は、股間まで女性に近づける性転換パンツを着用して楽しんでます。

究極の性転換グッズ変性パンツ。股間部分は男性器が収まるように膨らみのある形で表面には女性の実際のものが付いてる（40代男性　建築関係）

自分が女性となっていることに興奮をしたのが発展し、あらゆる身体の部分が女性となることに興奮を感じているのです。

性転換手術をするかお悩みの方は、紹介した性転換パンツで満足できる可能性もありますよ。

性器まで女装？女体化シリコンスーツの凄さと売れ筋12選

6.頭から足まで女性化したい

シリコンバストや性転換パンツからさらに発展したシリコンスーツで完全な女性になることを楽しんでいる男性は、アナトミックオートガイネフィリアに間違いないです。

オートガイネフィリアにとって、女性になるということは、女性の美しさへの願望があります。

となると、当然股間や胸のみならず、首回りやお尻などのボディラインを欲するのは当たり前ですね。

また、女装の中でも、フィメール女装と呼ばれるジャンルがあります。

これはフィメールマスクを付けたまま食事などの普段の生活を楽しむ趣向。

複数タイプのオートガイネフィリアの傾向も混ざった、複合的な楽しみ方と言えますね。

最強女装アイテム「フィメールマスク」がヤバ過ぎ（画像有）

7.ホルモン治療で女性らしい体を

オートガイネフィリアの中には、ボディスーツの使用では満足できず、ホルモン治療を受けることで女性らしい身体を手に入れようとする方もいます。これはアナトミックオートガイネフィリアに分類されるでしょう。

女性ホルモンによって、髪質や肌質、体つきが女性的になっていくので、道具に頼らずに女性となりたいという願望を持っているオートガイネフィリアが行き着く段階でしょう。

しかしながら、女性ホルモンは副作用が大きく、女装が趣味だというレベルではおすすめしません。

女性ホルモンの摂取の副作用によって、無精子症や、鬱症状に苦しむというリスクがあるのです。

ホルモン治療も考える時、同時にオートガイネフィリアの中には性同一性障害との違いについて悩まれる方が多いのです。

8.性転換手術でMtFを実行する

女性ホルモンの投与から、さらに女性化願望が強くなると、性転換手術を受けて女性器を手に入れたいう願望を持つオートガイネフィリアの方もいます。

性転換手術を望むようになると、かなりレアかつ重度のアナトミックオートガイネフィリアと言えるでしょう。

ホルモン治療、性転換手術をしたいとなると、心の性の問題も出てきます。男性を根幹として女性化願望があるオートガイネフィリアは、性転換手術をすることでかえって性の不一致を実感する結果になる人も。

実例を見ても、性転換手術をした後に違和感をおぼえる元男性の方も数多く存在するのです。中には自分の性に疑問を抱いて3回も性転換手術を行う人も…（引用：ビーキューニュース）

逆に、オートガイネフィリアの中には自分性自認が男性であるということを自覚し、身体にメスを入れることはしないと決めている方もいるようです。

あくまで女性化を楽しむ方がいる一方、性転換手術に踏み切る方もいて、オートガイネフィリアの幅の広さが感じられます。

9.戸籍上の性別を変える

女性化願望が身体を女性にするだけではなく、社会的にも女性として生きていこうとするオートガイネフィリアもいます。究極的なアナトミックオートガイネフィリアと言えるでしょう。

戸籍は性転換手術をすることで、一度だけ変えることができます。これは性同一性障害特例法によって可能となっていますが、この法律では再変更はできません。

女性として生活をし、女性としての生活に馴染めない場合には大きなリスクを追うことになるのです。

やはり、オートガイネフィリアにとっては男性でありながら、女性化することに興奮する『性的嗜好』だと認識することで後悔をしない選択ができることを忘れてはいけません。

オートガイネフィリアと性同一性障害の境界は曖昧…

オートガイネフィリアの知識を持たないと、性同一性障害なのかもと悩む人も多くいます。

オートガイネフィリアの本質を理解せず、その嗜好だけを観ていくと、女性化したいのではなく、女性になりたいのだと勘違いしてしまいます。

それほどに、オートガイネフィリアと性同一性障害は似ており、境界は曖昧なのです。

女性ホルモンや性転換手術は、リスクが大きく、行ったあとでは取り返しがつかないことでもあります。

自分の性自認は何なのか、はっきりとさせ、性癖であるならそう理解し、割り切って楽しむのがいいでしょう。

身体に手を加えること、戸籍を変えることは性癖を超えて、生き方になるということを忘れずに、自分の性癖に素直になって楽しむのが一番ではないでしょうか。