ソイプロテインとホエイプロテイン・・筋肉の付き易さに差はない

公開日:2022/02/21
更新日:2022/02/25

  • 記者 WRITERみり
    みり

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    近年多くの有名人がヴィーガン(完全採食主義)を名乗るようになり、その思想が一気に世界中に広まりました。

    YouTuber中田敦彦さんも2020年にヴィーガン解説動画をアップし、影響されて健康のためにヴィーガンを始めたという人も多くなってきています。

    動物性プロテイン摂取をやめてから体調が良くなったというのはよく聞く話ですが、

    同時に菜食主義者は男らしさを失うというのも聞いたことありませんか?

    筋肉にはタンパク質が必須で、肉や魚を食べない菜食主義者は細身で物腰の柔らかいイメージがあります。

    しかしSports Medicineで発表された、2021年にブラジルで行われた実験によると、動物性タンパク質と植物性タンパク質では筋肉を構築する上で差はないということが明らかにされました。

    https://www.greenqueen.com.hk/vegan-protein-whey-muscle-building/

    研究は、平均年齢が25歳の38人の男性を対象に行われました。

    半数がヴィーガンで残り19人がなんでも食べる人たちでした。

    参加者は全員、サンパウロ大学によりモニターされたウェイトトレーニングプログラムに参加し3か月に渡ってデータが集められました。

    結果は、ヴィーガンかどうかはトレーニングを通して筋肉をつける上で関係がないことが分かりました。

    科学者たちは、参加者に体重×1.6gのタンパク質をとるように指示し、ヴィーガンのグループは大豆プロテインを、残りのグループはホエイプロテイン(牛乳に含まれるタンパク質の一種)を摂取し続けました。

    プログラムの終わりには、どちらのグループも引き締まった筋肉質になり、ジムでのパフォーマンスも向上しました。

    どちらのプロテインも同様に効果があったのです。

    ホエイプロテインは従来筋肉増強に効果があるとされてきました。

    完全菜食主義者の増加に合わせて、大豆プロテインの需要も高まりを見せました。

    今回ホエイと同様に効果があるとされたことで、今まで以上に大豆プロテインを摂取する人が増えることが見込まれます。

    英語圏では世間一般でいう男らしさに欠ける男性を「SoyBoy」と呼ぶこともあり、このことも大豆=男らしさを減少させるというイメージを定着させた理由かもしれません。

    大豆には女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンが含まれており、皮膚や骨の強化が期待できると言われていて、このことも大豆プロテインを摂取する男性は肉を食べる男性と比べて、男らしくないと言われている理由かもしれません。

    大豆の摂取はテストステロンの減少を招くというのも聞いたことがありますが、National Library of Medicineの記事によると、11日40gから70gほどの大豆由来の食品やサプリを摂取している男性の間に、ホルモンの数値や精子の質の変化はほとんど見られなかったそうです。

    YouTuberのMic というヴィーガンの方が、動物性食品をやめるとテストステロンが減るというのは本当かということを「Am I A Soy Boy?(俺はソイボーイなのか?)」という動画で検証されています。

    自身が8年間ヴィーガン生活をされていて、今回テストステロンレベルを検査した結果、数値は666ng/dL 。

    彼はテストをした時点で30歳で、25から34歳の平均値は616ng/dL。

    つまり平均以上という結果でした。

    ヴィーガンということは卵も乳製品も取らないので、タンパク質摂取は大豆に頼ることになります。

    やはり、大豆摂取がテストステロンを下げるということはないようです。

    そうであれば、大豆プロテインは牛乳由来のプロテインと比べて脂質が低いため、よりタンパク質のみを摂取しやすくなるという点で、ホエイより優れているかもしれません。

    また、ヴィーガンダイエットは善玉菌を増やし、腸の消化、吸収を良くします。

    コレステロール値に影響しない植物性ダイエットは、心臓にもとても良いことが分かっています。

    血圧も安定しやすく、運動することによって発作が起きるなどの危険性も減ります。

    2017年アメリカで実施された研究では、筋肉や骨格を形成する上でヴィーガンプロテインは肉と同等に良いと結論が出されました。

    動物性であれ、植物性であれ、タンパク質を取るほど健康になるという結果だったのです。

    プロスポーツ選手やボディービルダーでも、動物性食品の摂取を止めたことが、自分に悪影響を与えたとは思わないと表明する人が増えています。

    テニスのヴィーナス・ウィリアム選手も「ヴィーガンダイエットは人生を変えた。

    パフォーマンスも改善した。」と話しています。

    植物性ダイエットは腸を健康にします。

    腸内にいる細菌の数は約100兆個と言われており、腸の健康は全身の健康、そして日々の活力に大きく影響します。

    これはすでに常識となってきており、オーストラリアでもここ4、5年「Gut Health(腸の健康)」という言葉をいたる所で目にします。

    ヴィーガンになってから元気になったという人が多い理由はこの「Gut Health」のおかげでしょう。

    ただ、ヴィーガンダイエットでは、動物性食品にしかふくまれていないビタミンB12が不足しがちであると言われています。

    ビタミンB12は血を作るのに重要な役割を果たしており、摂取量が足りないと悪性貧血、手足のしびれや倦怠感などの症状がでることもあります。

    植物性の食品ではノリやわかめなどがビタミンB12を多少含んでいますが、大量に食べるのはよほど好きな人でないと大変そうです。

    もし、健康のためにヴィーガンに挑戦したい、またはそこまでいかなくても動物性の食品を減らしたいという人は、サプリメントを活用して、意識してB12摂取するようにすることで、植物性ダイエットの良さをよりフルに感じることができるでしょう。

     

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    • 記者 WRITERみり

      ケーキと菓子パンが主食の20代後半に全身に蕁麻疹が何度も出て30代から一転健康志向に。「穏やかに心身健康」をモットーに南の島で生活中。早朝に浜辺を愛犬と散歩するのが日課。世界のいろんな人の変わったニュースを読むのが趣味。

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