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うなぎが最強の筋トレ食である19個の理由とは
公開日:2023/09/22
更新日:2023/09/20
日本で古くから愛されている『うなぎ』は、夏のスタミナ食材としても知られていますね。
しかしながら、うなぎには「実は栄養がない」「食べ過ぎ注意」などネガティブな噂も…。
そこで今回はうなぎに含まれる栄養素を徹底解明!
気になる筋トレとの相性や噂の真相まで、研究データをもとに詳しく解説します!
Contents [目次を開く]
- 1. うなぎに含まれる栄養素一覧
- 2. うなぎが筋トレに効果的な理由19選!
- 1.一匹でも十分すぎるたんぱく質でバルクアップ
- 2.筋肉の力を発揮するATPのもと
- 3.テストステロンの分泌量UP
- 4.運動パフォーマンスの向上
- 5.筋力低下の抑制
- 6.運動神経の正常化
- 7.効率的な栄養循環を可能にする代謝サポート
- 8.持久力UPによるトレーニング時間の増加
- 9.正常な赤血球の生成による血液の質向上
- 10.水分バランスの維持
- 11.効率的な疲労の回復
- 12.脂肪燃焼によるボディメイクサポート
- 13.ホモシステイン抑制による丈夫な腱を作る
- 14.血圧の正常化によるトレーニング維持
- 15.関節痛・炎症の抑制
- 16.筋肉損傷の緩和
- 17.皮膚・粘膜の健康サポート
- 18.甲状腺サポートによるアスリート病への備え
- 19.抗ストレス作用によるメンタルサポート
- 3. うなぎの筋トレ効果をより高める4つのポイント
- うなぎは「どのくらいで食べ過ぎ?」は気にしすぎ?
- 1日1食よりも1日3食でたんぱく質UP
- 食物繊維と一緒に
- カロリーを気にするなら白焼きより蒲焼き
- 4. スタミナ食材として有名なうなぎは筋トレ効果も凄かった!
うなぎに含まれる栄養素一覧
まずは、うなぎに含まれる豊富な栄養素を詳しくみていきましょう。
※うなぎ100gあたりの含有量[1]
- たんぱく質・・・18.44g
- 脂肪(DHA・EPA)・・・11.66g
- ビタミンA・・・1,043 µg
- ビタミンB1(チアミン)・・・0.15mg
- ビタミンB2(リボフラビン)・・・0.04mg
- ビタミンB3(ナイアシン)・・・3.5mg
- ビタミンB5(パントテン酸)・・・0.24mg
- ビタミンB6・・・0.067mg
- ビタミンB9(葉酸)・・・15µg
- ビタミンB12・・・3µg
- コリン・・・65mg
- ビタミンC・・・1.8mg
- ビタミンD・・・932 IU
- ビタミンE・・・4mg
- ナトリウム・・・51mg
- カリウム・・・272mg
- カルシウム・・・20mg
- マグネシウム・・・20mg
- リン・・・216mg
- 鉄分・・・0.5mg
- 亜鉛・・・1.62mg
- マンガン・・・0.08mg
- セレン・・・6.5 µg
- アミノ酸・・・19.3g[2]
うなぎにはたんぱく質やビタミン類が豊富に含まれています。
ナトリウムやカリウムなどのミネラル類やアミノ酸も多く、それでいて糖質はゼロ!
「栄養がない」との噂が間違っていると証明されましたね。
特にビタミンB1の含有量は非常に多く、魚介類の中でもトップクラスです。
これほど優れた栄養素を持つうなぎですから、筋トレへの作用も大いに期待できます。
うなぎが筋トレに効果的な理由19選!
栄養価が高く、ビタミン類は魚介類トップクラスの含有量を持つうなぎ。
豊富な栄養素は筋トレに多くのメリットをもたらします。
それではここから、うなぎが筋トレに効果的な理由19選を論文を交えて詳しく解説しましょう!
1.一匹でも十分すぎるたんぱく質でバルクアップ
うなぎにはトレーニーが日々求める『たんぱく質』が豊富に含まれています。
たんぱく質は、水分を除外した筋肉の約80%を占める成分。[3]
当然ながらバルクアップにも必要不可欠な栄養素です。
うなぎには100gあたり18.44gものたんぱく質が含まれています。
一般的に、うな重に使われるうなぎ1尾は約100g~130g。
つまり、1尾で1日に必要なたんぱく質の3分の1を満たしてくれます。
動物性たんぱく質のため、吸収率も90%と非常に高いのが特徴です。
また、うなぎにはたんぱく質の吸収率をより高めるビタミンB群が揃っています。
- ビタミンB6・・・たんぱく質代謝の分解・合成サポート
- ビタミンB2・・・たんぱく質の分解補助
- ビタミンC・・・タンパク質(コラーゲン)合成
同時に摂取するとより多くのたんぱく質を吸収できるため、非常に筋トレに向いた食材です!
さらに、たんぱく質の上質さを表す必須アミノ酸9種類全てが含まれています。
必須アミノ酸9種は体内でほとんど合成されない成分のため、うなぎの栄養素がどれほど優れているのか明白です!
2.筋肉の力を発揮するATPのもと
うなぎには、筋肉を動かすエネルギー源である『リン』が含まれています。
筋肉はATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質がエネルギー源。
ATPが分解されるときに放出されるエネルギーを利用し、筋肉を収縮させます。
ATPはアデニンやリボースなど3つのリン酸で構成される高エネルギー化合物のため、リンの摂取は非常に重要なのです。
また、ATPは体内で絶えず必要とされるので、TCA回路(クエン酸回路)によるスムーズな生産が求められます。
スムーズな生産に関わるのが、『マグネシウム』と『9つのビタミン類』。
マグネシウムはATP生成過程で酵素反応に必要とされる成分です。
赤穂化成株式会社が行った実験では、マグネシウム濃度の増加によりATP生産量の向上が確認されています。[4]
加えて、マグネシウムによる筋肉形成への積極的なアプローチの可能性も確認されました。
なお、ATP生産に必要なビタミンは以下の9つです。
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB3(ナイアシン)
- ビタミンB5(パントテン酸)
- ビタミンB6
- ビタミンB9(葉酸)
- ビタミンB12
- ビタミンC
- ビタミンB7(ピオチン)
このうち、うなぎにはビオチン以外の8つのビタミンが揃っています。
豊富なビタミン類とマグネシウムが含まれているため、うなぎのATP生成サイクルは非常にスムーズです。
3.テストステロンの分泌量UP
うなぎには、テストステロンの分泌量を高める『亜鉛』が含まれています。
男性ホルモンであるテストステロンは、筋肉の合成を促すホルモンの一つ。
筋肉をつけたり鍛えた筋肉をより強靭な状態に仕上げたりする際に必要なホルモンです。
アメリカのウェイン州立大学は男性40名を対象に、テストステロン値と血中亜鉛濃度の相関関係を調査しました。
その結果、亜鉛濃度が低い人ほどテストステロン値が低いと判明。
さらに、20週間の亜鉛制限によりテストステロン濃度の74%減少も確認されました。
また、亜鉛欠乏状態の高齢男性を対象に亜鉛を6か月間摂取させたところ、テストステロン値は約93%増加。[5]
亜鉛とテストステロンの密接な関係が証明されました。
別の実験では、亜鉛不足による筋合成率の低下も懸念されています。
非臨床実験ではありますが、亜鉛欠乏による骨格筋細胞の減少や死滅(アポトーシス)が確認されました。[6]
ちなみにサプリや食事などどのように摂取した亜鉛でも、吸収率は約30%とそれほど効率的に吸収される成分ではありません。
そのため、亜鉛と一緒に吸収率を高める動物性たんぱく質やビタミンCを摂取するのがおすすめです。
うなぎには動物性たんぱく質とビタミンCが含まれています!
4.運動パフォーマンスの向上
うなぎに含まれる『マグネシウム』には、運動パフォーマンスの向上が期待できます。
その理由は、筋収縮及びエネルギー産生に影響する成分だから。
瞬発力を必要とする運動では主に糖質がエネルギー源として使用され、持久力が必要な運動では脂質がエネルギー源です。
マグネシウムは、糖質・脂質どちらの代謝にも関わっています。
そのためスムーズなエネルギー産生が可能になり、様々な運動でのパフォーマンス向上が期待できるのです。
ブラジルのサンパウロ大学では、バレーボール選手25名にマグネシウム350mg/日を摂取させ、マグネシウムと運動パフォーマンスの相関関係を調べました。
4週間経過を観察した結果、ジャンプ力など運動能力の増加が確認されています。
具体的には最大3cmものパフォーマンス向上が確認されました。[7]
また、イギリスの大学が行った実験では、マグネシウムとパワー(力強さ)に関する相関関係も証明されています。
女性2,570名を調査した実験の結果、マグネシウムの摂取が骨格筋量及びパワー低下を防ぐ可能性を示しました。[8]
5.筋力低下の抑制
『カリウム』には筋量の維持が期待できます。
カリウムは体内で合成できない必須ミネラルの一つでありながら、肉体維持に必要不可欠な成分です。
摂取量が少ないと低カリウム血症を発症し、筋力低下や筋肉痙攣、筋肉のこわばりなどあらゆる不調を引き起こします。[9]
アメリカの男女384名を対象に行った実験では、カリウムの摂取量と筋肉量に有意な維持が確認されました。[10]
さらに論文内では、カリウムが筋肉に直接的に作用する可能性も示されています。
つまりカリウムは筋肉の維持に必要不可欠な成分なのです。
また、カリウムは筋トレによって酸性化した肉体を中性化する作用も持っています。
酸性化した状態のままトレーニングを行っても、筋合成はスムーズに行えません。
慢性的な酸性化状態は、筋肉を動かしにくくなるケースも報告されているため、運動パフォーマンスの低下も懸念されます。
鍛えた筋肉の維持や酸性化抑制のためにも、積極的にカリウムを摂取していきましょう。
ちなみに、カリウムは熱に強く水に溶けやすい成分です。
電子レンジでの加熱や、蒲焼などのように直火焼きでも壊れません。[11]
反対に、水にさらしたりお湯で煮たりすると約30%~60%減ってしまうため、調理方法への意識も重要です。
6.運動神経の正常化
うなぎに含まれる『コリン』は、運動時に必要な肉体変化を促す運動神経や副交感神経に深く関わる栄養素です。
トレーニングに合わせて心拍数を変動させたり、運動強度に合わせて発汗を促したりします。
血管を拡張して酸素供給のスピード調節なども行うのですが、神経系に指示を出すアセチルコリンの前駆体がコリンです。
コリンが不足するとアセチルコリンが減少し、神経系に上手く指示が出せなくなります。
運動に合わせて無意識下で行われる肉体変化が起きなくなり、身体の動かしにくさや息のしづらさなど多くの不調が発生するようになるのです。
実際に、コリン低下による筋肉の不調に関する実験結果も報告されています。[12]
血漿コリンの40%低下によりインパルスの伝達量が減少し、持久力への負の影響が確認されました。
また、マラソンランナーにコリン補給を行ったところ、成績がわずかではありますが促進されています。
コリンは運動によって減少する成分のため、トレーニング時間が長い人は特に意識して摂取してほしい栄養素です。
7.効率的な栄養循環を可能にする代謝サポート
『ビタミンB2』には、代謝サポートによる効率的な栄養循環が期待できます。
なぜなら三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)の全ての代謝に深く関わっているからです。
アメリカでは長距離レースに参加する32名を対象に、身体に必要なエネルギー生成とビタミンB2の相関関係の調査を行っています。
レース直前と中間地点でリボフラビン(ビタミンB2)100mgを摂取させ、レース後から3日目と5日目に短距離測定を行ったところ、リボフラビン摂取グループに有意なタイムが確認されました。
ビタミンB2のエネルギー生成促進により、運動機能の早期回復が実現した可能性を示しています。[13]
また、過度なエネルギー消費によって生じる筋肉痛や筋疲労などのダメージ軽減も報告されました。
ビタミンB2は筋トレだけではなく、日常生活のあらゆるシーンで栄養循環を助ける成分。
しかしながら、男女ともに不足しがちで推奨量に到達していません。[14]
ストレスや脂っこい食事によっても必要量が増え、運動している人はさらに多くのビタミンB2が必要です。
過剰摂取による健康被害は報告されていない[15]ため、トレーニーはぜひ積極的な摂取を心がけましょう!
8.持久力UPによるトレーニング時間の増加
『鉄分』には持久力の向上が期待できます。
その理由は、ヘモグロビンによる酸素供給がスムーズになるから。
身体を動かし続けるには絶えず酸素が必要です。
良質なヘモグロビンは身体の隅々まで酸素をスピーディーに運搬するため、持久力の向上が期待できます。
そして、ヘモグロビンの生成に欠かせないのが鉄分です。
アメリカのコーネル大学では、18歳~33歳の女性42名を対象に、鉄分100mg/日を4週間摂取させました。[16]
期間中、15kmのサイクリングタイム及び心拍数を計測し、鉄分量(血清フェリチン)と持久力の相関関係を調査。
結果、鉄分量の増加に比例して呼吸交換率や作業率に有意な数値が確認されました。
また、サイクリングタイムも向上しています。
さらにニューヨーク州立大学が行った実験により、鉄分補給による持久力上昇が確認されました。[17]
持久力が向上するとトレーニング時間の増加が可能になります。
少ないトレーニング時間では実現できなかった有酸素・無酸素運動の組み合わせや、ハードトレーニングの追加など、筋トレを進化させられるでしょう。
ちなみに、鉄分はビタミンCやたんぱく質と同時に摂取すると吸収率が高まります。
9.正常な赤血球の生成による血液の質向上
『ビタミンB12』と『葉酸』には良質な赤血球の生成が期待でき、酸素供給がよりスムーズになります。
前項で紹介した『鉄分』は、赤血球の一種であるヘモグロビンの材料。
ビタミンB12と葉酸は協力し合ってヘモグロビンの合成をサポートします。
つまり、鉄分だけを積極的に摂取してもビタミンB12や葉酸が不足していると上手く合成できず、酸素供給も滞ってしまうのです。
また、赤血球数の増加による有酸素能力の改善作用も確認されています。[18]
スピーディーな酸素供給が求められる有酸素系運動を頻繁に行っている人は、特に積極的に摂取したい栄養素です。
ちなみに、赤血球は激しい運動による衝撃でも破壊されます。
足低部に強い衝撃が加わると赤血球が破壊され、酸素供給の滞りが加速する恐れがあるのです。[19]
そのため下半身のトレーニングを重点的に行っている人や、ジャンプやステップワークを必要とする運動をしている人も意識してみましょう。
10.水分バランスの維持
『ナトリウム』は、水分バランスの維持に役立ちます。
ナトリウムはむくみなどを引き起こす”塩”のイメージが強く、減塩を過度に追いかける人もチラホラ…。
しかしながら、カリウムやマグネシウムと同じ電解質(イオン)の一つであり、身体の維持に必要不可欠な成分です。
ナトリウムは体重の約20%を占める細胞外液の浸透圧を調節や、細胞外液量保持に役立っています。[20]
細胞外液が不足すると脱水状態となり、運動機能の低下や循環血液量の減少、酸素不足など深刻な状態になる恐れがあるのです。[21]
脱水症状なら「水分を補給すればいいのでは」と考える人もいるでしょう。
ところが脱水症状には複数種類あり、ナトリウムを摂取せず水分だけを補給すると悪化するケースも…。
- 水欠乏性脱水・・・水分だけが減る脱水症状
- 混合性脱水・・・水分と電解質イオン両方が減少した脱水症状
- ナトリウム欠乏性脱水・・・水とイオン両方が減少し水分のみを補給した状態
ナトリウムが不足した状態で水分を補給するとナトリウム濃度がさらに低下し、ナトリウム欠乏性脱水を加速させる危険性があります。
そのため大量の汗をかくトレーニング前や、ホットヨガなど室温の高い場所で身体を動かす際は、特にナトリウムを意識しましょう。
11.効率的な疲労の回復
うなぎに含まれる『ビタミンB1』と『その他のビタミンB群』には、効率的な疲労の回復が期待できます。
その理由は、疲労を感じさせる乳酸などの疲労物質を分解してエネルギーに変換するサポートを行ってくれるからです。
アメリカのカリフォルニア大学では、ビタミンB1の疲労に関する作用の調査が行われました。
チアミン(ビタミンB1)欠乏症患者80名にビタミンB1を10mg/日摂取させ、6週間経過観察を実施。
その結果、食欲不振や体重減少など疲労感によって生じる健康被害の大幅な改善が確認されました。
参加者の主観的感情による疲労軽減や、エネルギー摂取量へのポジティブな反応も記されています。[22]
また、イタリアの研究では、疲労感や倦怠感を感じていた患者の約80%に完全な疲労の改善がみられました。
残りの20%にもほぼ完全な疲労回復スコアが示されています。[23]
ビタミンB1の効率的な疲労回復をサポートするのは以下のビタミンB群です。
- ビタミンB2(リボフラビン)
- ビタミンB3(ナイアシン)
- ビタミンB6
- ビタミンB12
うなぎにはビタミンB1と同時摂取が望ましいビタミンB群が全て揃っています。
そのため、各栄養素の相乗効果による高い疲労回復作用が期待できるでしょう!
12.脂肪燃焼によるボディメイクサポート
うなぎに含まれる『脂質』はオメガ3(n-3系)と呼ばれ、脂肪燃焼促進が期待できる成分です。
脂質にもかかわらず、皮下脂肪として蓄積されずに積極的な代謝を促すため、ボディメイクに高い効果を発揮してくれます。
マウスを使った実験では、オメガ3による脂肪分解率の上昇によって肥満進行の遅れが確認されました。[24]
また、エネルギー消費を増加させるベージュ脂肪細胞化の促進と、脂肪細胞の慢性的な炎症抑制も発見されています。
脂肪細胞は大きく分けて以下の3種類。
- 白色脂肪細胞・・・脂肪をため込む
- 褐色脂肪細胞・・・脂肪を燃やして熱を産生
- ベージュ脂肪細胞・・・白色脂肪細胞が変化した熱を生み出す脂肪細胞
代謝されにくい脂肪細胞を防ぎ、熱産生を増加させる有益な脂肪細胞を促進するため、効率的に肥満を防ぐ可能性が示されているのです。
京都大学が行った別の実験では、酸素消費量の増加に伴う体重減少も確認されました。
こちらもマウス実験ではありますが、体重は5%~10%減少。
体脂肪率の蓄積は15%~25%も減少しました。[25]
オメガ3は、たんぱく質と一緒に摂取すると吸収率が高まります。
そのため、サプリメントよりもうなぎのような魚介類からの摂取が望ましいでしょう。[26]
13.ホモシステイン抑制による丈夫な腱を作る
うなぎに含まれる『葉酸』『ビタミンB6』『ビタミンB12』はホモシステインを抑制し、コラーゲン生成をサポートします。
コラーゲンは肌に弾力や潤いをもたらすだけではなく、関節の動きを良くしたり丈夫な腱や筋肉を作るためにも重要です。
また、骨の深部を担っているのもコラーゲン。
コラーゲン繊維にカルシウムやミネラル類が付着し、骨が形成されています。[27]
つまり、筋トレに耐えうる肉体を作るにはコラーゲンの生成が必要であり、ホモステインの抑制が必要なのです。
ホモシステインとは、血中に存在するアミノ酸の一種。
必須アミノ酸の代謝過程で発生する中間的な代謝物のため、あらゆる人の体内に存在するごく一般的な成分です。
しかしながらホモシステインが次の代謝工程にスムーズ移行できないと、ホモステイン高値状態になりコラーゲンの質低下を招きます。
LOX(lysyl oxidase)と呼ばれるコラーゲンに必要な酵素が少なくなってしまうためです。[28]
ホモステインに正常な代謝を促すには、葉酸とビタミンB6、ビタミンB12が必要になります。
さらに、酸化ストレスを抑えてコラーゲンの質を高めるビタミンCとの同時摂取がベストです。
14.血圧の正常化によるトレーニング維持
『ビタミンC』には、血圧の正常化によるトレーニング継続が期待できます。
理由は、血管弾力維持作用と酸化ストレス緩和効果が期待できるから。
アメリカのジョージア医科大学では、健康な住民168名を対象に血中ビタミンC濃度と血圧の関係を調べました。
その結果、ビタミンC濃度が高いほど収縮期血圧が低くなるなど有意な逆相関性が報告されています。[29]
また、イギリスがまとめたデータによって、ビタミンC濃度と高血圧の直接的な関連性も証明されました。
この研究では1993年から1997年にかけて、40歳から79歳の男女20,926名を調査。
血中ビタミンC濃度によるランク付けを行い、上位者と下位者の高血圧発症率を調べました。
データを分析したところ、血中ビタミンC濃度が濃い人は下位に比べ、高血圧への可能性が22%も低くなると判明。[30]
ビタミンCと高血圧、酸化ストレスとの深い関係性が証明されました。
ちなみに高血圧になると、場合によっては筋トレができません。
筋トレは体内で分泌される一酸化窒素(NO)によって血圧が下がる場合もあれば、血圧を上昇させる種類も存在するためです。[31]
15.関節痛・炎症の抑制
うなぎに含まれる『マンガン』には、関節痛・炎症の抑制が期待できます。
マンガンはコラーゲン生成に関わるミネラルであり、コラーゲンには軟骨修復作用があるからです。
アメリカの研究では、痛みや腫れなどの症状がでる変形性膝関節症患者93名を対象に、アスコルビン酸マンガンやコンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン塩酸塩を6か月間投与しました。
その結果、52%の被験者に症状の緩和が確認されています。[32]
また、マンガンは様々な酵素の合成や活性化に関わる成分です。
三大栄養素全ての代謝サポートにも関わっています。[33][34]
そのため、マンガンが不足するとエネルギー代謝がスムーズ進まなくなり、運動機能の低下や身体的不調の回復が遅くなる恐れもあるのです。[35]
ちなみに食事から摂取したマンガンは、約1%~5%しか吸収できません。
さらに、男性は女性よりも食事によるマンガン吸収率が低いとわかっています。[36]
現代社会においてマンガン不足は発生しづらいといわれていますが、運動機能の低下や回復が遅れるなど筋トレにデメリットをもたらすため意識したい栄養素ですね。
16.筋肉損傷の緩和
『ビタミンE』は、筋トレなど運動によって生じる筋肉損傷の緩和に効果を発揮します。
抗酸化作用に加えて、細胞の免疫機能や酸素供給にも関わっているためです。
ドイツの医学研究機関では、トップクラスのサイクリスト30名を対象に5か月間α-トコフェロール(ビタミンE)を摂取させ、ビタミンEと激しい運動におけるパフォーマンス変化を調査しました。
結果として、パフォーマンスの大きな変化は見られませんでしたが、筋肉損傷を表すCK(クレアチニンキナーゼ)は大幅に減少。[37]
また、毒性作用を持つマロンジアルデヒドのレベルも大幅に低下しています。[38]
マロンジアルデヒドは激しい運動による筋肉の脂質酸化を示す酵素ですから、この結果によってビタミンEの抗酸化作用が筋肉を保護すると確認できました。
ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、皮脂や汗で体外に流れ出てしまう成分です。
そのため、定期的に筋トレを行っている人や日常的な汗・皮脂が多い人は特に積極的に摂取しましょう。
17.皮膚・粘膜の健康サポート
うなぎに含まれる『ビタミンA』と『ビタミンB3』には、皮膚や粘膜の健康サポート作用が期待できます。
まずはビタミンAの作用を解説しましょう。
ビタミンAには、シワやシミの原因となる活性酸素を抑える作用があります。
さらに、活性酸素を取り除くはたらきも報告されました。[39]
続いてビタミンB3ですが、活性化したメラノサイトから生じるメラニンの過剰生成をブロックしてくれます。
さらに、紫外線カット作用も!
紫外線のカットはDNA修復を強化し、皮膚がんリスクの低下にも繋がります。
オーストラリアの研究では、過去5年以内に皮膚がんを患った386名を対象にニコチンアミド(ビタミンB3)を1,000mg/日投与した結果、新しい皮膚がん発生率が最大23%も減少しました。
シミやそばかすを防ぎ透明感のある肌を実現するだけでなく、皮膚がんリスクも軽減するとわかったのです。[40]
トレーニーの中には、日中のランニングを習慣にしている人もいれば、日焼けマシンで肌を焼くなど皮膚を酷使している人が少なくありません。
そのため、一般的な生活を送る人よりも肌トラブルリスクは高い傾向にあります。
ぜひうなぎを食べて、肉体の造形美と一緒に肌のコンディションにもこだわってみましょう!
18.甲状腺サポートによるアスリート病への備え
うなぎに含まれる『セレン』には甲状腺サポートが期待でき、アスリートが発症しやすい病への備えを整えられます。
甲状腺疾患は、アスリートが発症しやすい病気として有名です。
女性ランナー1,222名を調査した結果、12.2%に甲状腺機能低下症が確認されたデータもあります。[41]
甲状腺疾患を患うと動悸や多汗、気力の衰えなど様々な不調が発生。
さらに激しい運動が難しくなり、甲状腺機能が安定したのち一部の軽い運動のみが許される状況になってしまいます。[42]
セレンは甲状腺ホルモンを活性化し働きをサポートする成分です。
アメリカでは既に重要度が認知されているため、大多数の人々が栄養補助食品などを活用し積極的に摂取しています。[43]
ちなみに、甲状腺疾患は発症者の80%~90%が女性。[44]
そのため、筋トレを行う女性は特に意識して摂取したい成分です。
19.抗ストレス作用によるメンタルサポート
『ビタミンB5』『ビタミンB6』『ビタミンB3』にはメンタルサポートが期待でき、辛いトレーニングを支えてくれます。
まずビタミンB5(パントテン酸)は、ストレス耐性を強化する成分。
ストレスを感じたとき、体内では対処するために副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールの合成に関わるのがパントテン酸です。
雄のラットにパントテン酸を9週間投与した実験では、コルチゾールをはじめとする副腎皮質ホルモンの分泌量の増加が確認されました。[45]
続いてビタミンB6は、気分の浮き沈みが代表的な症状の一つであるうつ病の発症リスクを低下させます。
アメリカの研究では、高齢者869名を対象に血中ビタミンB6濃度とうつ病発症リスクを調査した結果、ビタミンB6の血中濃度が低い場合にうつ病リスクが約2倍も高まると判明しました。[46]
また、ビタミンB3(ナイアシン)は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌に欠かせません。[47]
つまりうなぎを食べるとストレスに強く、気分のコントロールが容易になり、自分でモチベーションを高めやすくなれるのです!
筋トレの継続が難しいと感じる人や、気分の浮き沈みによりトレーニングメニューが安定しない人は、ぜひ一度試してみましょう。
うなぎの筋トレ効果をより高める4つのポイント
栄養素が豊富に含まれるうなぎ。
実は、もっと栄養を高める方法があります。
そこでここからは、うなぎの筋トレ効果をより高める4つのポイントをご紹介しましょう。
うなぎは「どのくらいで食べ過ぎ?」は気にしすぎ?
うなぎを調べてみると「どのくらいで食べ過ぎ?」など、食べる量に関する疑問が見つかります。
ビタミンAに耐容上限量が設けられているため、過剰摂取が懸念されるからでしょう。
ビタミンAの耐容上限量は下記のとおりです。(12歳以上)[48]
- 男性・・・2,100㎍RAE~2,700㎍RAE
- 女性・・・2,500㎍RAE~2,700㎍RAE
うなぎを200g以上食べると、ビタミンAがオーバーする可能性があります。
しかしながらビタミンAの吸収率は70%~90%なので、食べた分全てが体内に吸収されるわけでもありません。[49]
また、豚肉や牛肉、鶏肉などビタミンAを豊富に含む食材は多いにもかかわらず、平成27年の国民健康・栄養調査では不足が報告されています。
ビタミンAは高温に弱い性質があり加熱調理によって減少するため、食べ過ぎを気にしすぎる必要はないでしょう。
ただし、妊娠中のビタミンAは一般的な生活時よりも注意が必要です。
1日1食よりも1日3食でたんぱく質UP
うなぎはたんぱく質量が多いため、1日1食で済ませる人や、残りの2食を手軽またはジャンクなもので済ませてしまう人も珍しくありません。
しかしながら、たんぱく質は同等量を複数回摂取するのが理想的です。
2014年、たんぱく質の摂取量と吸収率の調査が行われました。
朝昼晩30gずつたんぱく質を摂取したグループと、朝昼晩10.7g~63.4gと不均等なたんぱく質を摂取したグループとで吸収率の違いを調べた結果、30gずつ摂取したグループのほうが25%も高いと判明。[50]
別の研究では、不均等グループは除脂肪体重量が少ないと確認されています。[51]
つまり効率的に筋肉を合成するなら、1食だけうなぎでたんぱく質の摂取量を高めるのではなく、3食同等量のたんぱく質を摂取するのがおすすめです!
食物繊維と一緒に
うなぎを食べる時は、食物繊維と一緒に摂取しましょう。
なぜなら、唯一うなぎに足りない成分だからです。
食物繊維には腸内環境を整える作用があります。[52]
そのほか、コレステロール値の改善や排便をスムーズにするなど魅力がいっぱいです。
血糖値を緩やかに上昇させるのも、身体にとっては嬉しい作用。[53]
より完璧な栄養と効果を獲得するために意識してみましょう。
カロリーを気にするなら白焼きより蒲焼き
トレーニーの中には、うなぎのカロリーを気にする人もいるでしょう。
カロリーが気になる人は白焼きよりも蒲焼きがおすすめ!
甘く香ばしい蒲焼きはハイカロリーに思われがちですが、大人の魅力を持つ白焼きよりもヘルシー。
- 蒲焼き・・・293kcal[54]
- 白焼き・・・331kcal
また、たんぱく質の含有量も蒲焼きが勝っています。
- 蒲焼き・・・23g
- 白焼き・・・20.7g
そのため、ボディメイクを気にする人やたんぱく質量の摂取量を少しでも高めたい人は蒲焼きにしましょう。
スタミナ食材として有名なうなぎは筋トレ効果も凄かった!
スタミナ食材として古くから愛されてきたうなぎ。
約5,000年も前の縄文時代から、日本人の身体を支え続けています。
そんな歴史あるうなぎは、やはり栄養価が高く筋トレにも最適だと判明しました。
ぜひ今後の食事メニューに、うなぎを取り入れてみましょう!
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記者 WRITERGen
ボクシング歴9年の猛者。独学で学んだ筋トレの知識はプロのボディビルダーに匹敵する。専門知識に基づいた情報をお届けする。
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