ルテインの効果とは?目の保護など7つの効果

公開日:2023/05/28
更新日:2023/06/09

ルテインは目の健康に良いことで有名ですが、実はほかにも健康効果があるってご存知でしたか?
今回は研究データをもとに、ルテインがもたらす健康効果を7つお伝えします。
今後は老若男女問わず、ルテインを積極的に取り入れるべきかも…!?

  • 記者 WRITERSTERON編集部
    ニュース担当

ルテインとは?

ルテイン

目の保護をしてくれることで有名な黄色の色素・ルテインは、スマホやパソコンで目を酷使する現代人にとって頼もしい味方ですね。

特に赤シソ、モロヘイヤ、ヨモギ、パセリに多く含まれるほか、コマツナ、ダイコンの葉、ホウレン草にも含まれています。[1]

ルテインは眼球の奥にある黄班において、ものを見るのに重要な役割を果たしています。

体内で合成できないため食事やサプリで摂取しなければなりませんが、不足すると特に目の病気にかかりやすくなります。

さらに、ルテインには他の病気を防ぐ効果もあると臨床試験でわかってきました。

どんな効果があるか、研究データを見てみましょう。

 

ルテインの効果7つ

それでは、ルテインがもたらす健康効果を見ていきましょう。

目だけでなく、脳や血管の健康、さらには美容にまで期待できるルテイン

研究データをもとにご紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね!

 

1.ブルーライトから目を守る

ルテインを摂取すると黄班色素濃度(MPOD)が高まって、ブルーライトから目を保護できます。

ブルーライトは波長が短く(390~495nm)エネルギーが強いため、網膜にダメージを与える恐れがある光です。

夜間ブルーライトを発するスマホやパソコンの画面を見すぎると、睡眠リズムを崩して睡眠の質を低下させることもしばしばです。

2020年の山形医療技術専門学校と山形県立保健医療大学による臨床試験では、就寝前の1時間ブルーライトを浴びた被験者は白熱電球の照射を受けた時よりも深い睡眠が減り、翌日の作業効率や注意力が低下しました。[2]

そこでルテインの出番。

目の奥にある黄班でブルーライトフィルター機能を果たします。

ユタ大学などアメリカの大学研究グループによれば、ルテインなど「黄班色素」は波長460nmのブルーライトをよく吸収し、さらに抗酸化作用を発揮してブルーライトが生み出す活性酸素も無力化するのだそうです。[3]

2013年マンチェスター大学(イギリス)で行われた臨床試験では、被験者36人が毎日ルテイン10mg入りカプセルを摂取すると黄班色素濃度が上昇。

1年後には0.38から0.53に増え、40%近い増加を達成しました。[4]

2023年には東京医科歯科大学と参天製薬の研究者グループも、近視の人を対象とする臨床試験を行っています。

15人がルテイン20mg入りカプセルを摂取し続けたところ、6か月後には黄班色素濃度の平均値は0.70から0.72とやや改善。

一方、プラセボ(偽薬)を飲み続けた13人の平均値は0.70から0.66に悪化しました。[5]

 

2.目の衰えを防ぐ

ルテイン摂取で黄班色素濃度が高まると、加齢による目の衰えも予防できます。

加齢黄斑変性(AMD)は年をとって黄班の機能が衰え、かすみ目や視覚の異常、視力低下などを引き起こす病気です。

2001年のフロリダ国際大学などの研究グループによる調査では、加齢黄斑変性(AMD)を発症した56人の眼球内の黄班色素濃度は、健康な56人より20%以上低いとわかりました。

さらに、調査対象者のデータを黄班色素濃度が高い順に並べると、上位25%のグループが加齢黄斑変性を発症するリスクは、最下位の25%のリスクより82%も低いことも判明しています。[6]

先述のマンチェスター大学の臨床試験では、黄班色素濃度だけでなく視力も改善しました。

ルテイン摂取グループはlogMARという視力単位が平均0.10から0.09に改善。

これは私たちが使い慣れている少数視力だと0.8弱から0.81くらいの改善です。

一方プラセボ摂取グループは、logMARが0.05から0.09に、少数視力換算で0.9弱から0.81に悪化してしまいました。

一見小さな変化に見えますが、毎年この傾向が続けば大きな差が生まれますね。[7]

この試験結果はまぐれ当たりではありません。

2022年にはフィンランドの大学と大学病院の研究グループによるレビューでも、ルテインが加齢黄斑変性(AMD)を遅らせる成分として評価されました。

厳選された臨床試験20件のうち、実に14件がルテインを用いたものです。

ルテインによって黄班色素濃度や視力に加え、網膜の機能を調べる多局所ERG(網膜電位図)検査の結果も改善したと報告しています。[8]

 

3.白内障も予防

ルテインは白内障予防でも効果を発揮します。

2019年、西安交通大学を中心とする中国の研究グループが、被験者総数19万7千人に対する20件の研究の成果をもとに、ビタミンやカロテノイド(天然色素成分)の白内障予防効果を評価しました。

その中でルテインやゼアキサンチン(だいだい、赤、黄色の天然色素)が白内障リスクを19%低下させると評価されています。

これはビタミンCの20%低減の次で、ビタミンAと同等の効果です。

特に注目すべきは、摂取量増加によるリスク低減効果。

ルテインやゼアキサンチン摂取量を日当たり10mg増やすと白内障リスクが26%低下すると評価されており、第2位のビタミンC(日当たり500mg増やしても18%低減)を大きくしのいでいます。[9]

ルテインは目の健康維持では一石三鳥、定番の成分といってよいでしょう。

 

4.認知機能にも効果あり

主に目の健康で注目されているルテインですが、実は認知機能でも効果を発揮します。

2017年にはジョージア大学を中心とするアメリカの研究グループが、ルテイン10mgとゼアキサンチン2mgの混合サプリの効果を検証しました。

18~30歳の被験者37人がサプリを1年間摂取し続けると、認知機能テストの空間記憶の項目で平均9.43ポイント改善。

一方、プラセボを摂取した同年代の14人の改善は4.93ポイントにとどまりました。

複合注意の項目では、ルテイン摂取者とプラセボ摂取者で黄班色素濃度が高い人の成績が平均2.46ポイント向上。

それ以外のプラセボ摂取者では変化が見られません。

論理的思考力でも同じグループのポイントが1.85改善したのに対して、黄班色素濃度が低いプラセボ摂取者では0.13ポイント悪化し、差がついてしまいました。[10]

ルテインの認知機能への効果は若年層限定ではありません。

カナダのトロント大学と農業・農産食料省の研究者によれば、ルテイン摂取の効果は幼少期から一生を通じて蓄積するとの見解があり、高齢者の認知機能維持に注目した研究も蓄積されているとのこと。

認知機能低下がアルツハイマー病や認知症を引き起こさないためにも、ルテインの役割をもっと研究すべきだそうです。[11]

 

5.心臓病や脳梗塞を防ぐ

ルテインは生活習慣病に対しても効果があり、心臓病や脳梗塞などのリスクを低減するとの調査結果も出ています。

2011年のシンガポール国立大学とミネソタ大学(アメリカ)などの共同研究は、狭心症や心筋梗塞など冠状動脈性心疾患(CHD)発症リスクと血液中のルテイン濃度との関連を調べたものです。

1993年から1998年までに調査に協力した6万3千人から、心臓病患者280人と健康な560人のデータをランダムに選び出し、ルテイン濃度で並べて同数の5グループに分けました。

すると、発症リスクはルテイン濃度最下位グループから順に1.00、0.63、0.80、0.54、0.62となり、上位40%のリスクが最下位グループより約40%低いと判明したのです。[12]

エラスムス大学医療センター(オランダ)などの国際研究グループも、2016年に多数の調査対象と研究を使って同じような試算をしました。

それによると、調査対象20万3千人、研究10件のデータでは、心臓病(CHD)リスクはルテイン濃度上位の3分1グループが下位3分の1より12%低いと判明。

脳梗塞リスクは、研究3件の調査対象1,398人では上位3分の1グループは下位3分の1グループより18%低いとわかりました。

リスク低減のメカニズムは完全には特定できていませんが、ルテインの抗酸化、免疫力強化、抗炎症の効果が候補とされているそうです。[13]

 

6.メタボ対策でも注目

上記オランダのレビューでは、メタボリックシンドロームのリスク低減効果も判明しています。

6件の研究の調査対象8,133人では、ルテイン濃度上位3分の1グループのメタボ発症リスクは下位3分の1グループより25%低いとのこと。

その中の1件は2010年日本の藤田医科大学での研究です。

中高年男女(39~70歳)931人の中で、特に女性のルテイン濃度が高いとメタボリスクが63%も下がるとの結果が出ています。[14]

2021年にはカゴメと弘前大学と花王も、日本人男女805人を対象に同様の報告をしました。

全体的に血液中のルテイン濃度が高いほど内臓脂肪面積もBMIも低下する傾向があり、その傾向は特に30代までの若い世代と女性に顕著とのことです。[15]

 

7.肌の健康にもよい

ルテインの効果は体の中だけでなく、お肌の健康や美容でも期待されています。

抗酸化作用で紫外線などの酸化ダメージを防いでくれるカロテノイド。

中でもルテインとゼアキサンチンはブルーライトを吸収するため、肌の潤いも増すとされているのです。[16]

2010年タフツ大学(アメリカ)の研究グループによるレビューでは、肌の健康に役立つ植物栄養素の一つとして紹介されています。

2007年のサンエウジェニオ病院(イタリア)による臨床試験では、毎日ルテイン10mgとゼアキサンチン0.6mgを経口摂取し肌にも塗ったところ、12週間後には肌の表面の脂質、潤い、日光からの保護、弾力などが大きく改善したそうです。[17]

 

サプリとの併用で効率よく摂取しよう

以上、研究データからルテインの7つの効果をご紹介しました。

目の健康はもちろん、認知機能にも生活習慣病予防にも効果があり、肌の健康と美容にもよいとなれば…積極的に摂取したい成分ですね。

身近な野菜でも摂取できますが、日本人の意外なルテイン摂取源が判明しています。

カゴメと弘前大学と花王の研究によると、男性被験者は漬物・のり・納豆から、女性は納豆・焼き魚・豆腐の順で多く摂取しているとのこと。

食事でもそれなりに摂取できそうです。

ただし、はっきりした目的がある人や多忙で生活習慣を変えられない人は、ゼアキサンチンなどルテインと相乗効果を発揮する成分を含んだサプリを摂取したほうが効率的かもしれません。

ルテインは天然色素なので副作用の報告はほとんどありませんが、過剰摂取の例がないわけではありません。

2016年ユタ大学(アメリカ)では、60代女性が目がチカチカすると訴えた事例が報告されています。

この女性は8年間ルテインを毎日20mg摂取し続けた上に、フィッシュオイル4g、さらにルテインが豊富なケール、ブロッコリー、ホウレン草、アボカドを入れたスムージーを毎朝飲んでいました。

これはさすがにやり過ぎだったらしく、受診当時の眼球の黄班色素濃度は通常の3.5倍、皮膚のカロテノイド濃度も2.7倍に達していたとのこと。

しかし摂取を中止すると異常はなくなり、体内のルテイン濃度も平均値に近づいたそうです。[18]

摂取量については、ジョンズホプキンス大学の研究グループが46件の臨床試験をレビューした上で、目の健康のためにルテインを1日5mg以上、ゼアキサンチンとともに3か月以上の摂取を推奨しています。[19]

なお臨床試験では、ゼアキサンチンの摂取量はルテインの5分の1とするケースが多く、ルテイン自体の投与量は最大20mgです。

どんな成分も効果には個人差がありますが、体調に合わせて適量摂取すれば、ルテインは目だけでなく全身の健康を守ってくれそうですね。

 

※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERニュース担当

    STERON編集部のニュース担当チームです。
    恋愛やセックス、雑学など男性が気になる世界のニュースを毎日お届けしていきます。

FOR YOUあなたにおすすめの記事