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- 筋トレにとってビールは良い?悪い?知っておくべき5つの事
仕事やスポーツをして疲れたあとの、キンキンに冷えたビール…たまりませんよね!
でも、筋トレをしながらビールを飲んでも良いのか気になっている方は多いはず。
そこで今回は研究データを基に、ビールが筋トレに与える影響をお伝えします。
筋トレ民はこの記事を参考にして、ビールを飲むかどうか決めてくださいね。
Contents [目次を開く]
筋トレとビールに関する知っておくべき事5個
筋トレの時にビールを飲んでも良いのかどうか、気になる方は多いのではないでしょうか。
結論から言えば、飲んでも良いとも言えず、絶対に飲んではいけないものでもありません。
なぜなら、筋トレにとって良い影響もあれば、悪い影響もあるからです。
どのような影響があるかを知って、その上でビールを飲むかどうかは個人の裁量によるでしょう。
この記事ではビールが与える影響を、データをもとに説明していきます。
しっかり把握して、ビールを飲むか否かの参考にしてくださいね。
1.筋トレ超ガチ勢は基本ビールNG
ボディビルに取り組むくらいのガチ勢にとって、ビールは悪影響と言い切れます。
なぜなら、ボディビルにとってはマイナスに作用する要素が多いからです。
具体的には、アルコールには以下の作用があります。
- 男性ホルモンであるテストステロンの分泌量低下
- ストレスホルモンであるコルチゾールの増加
- アルコール摂取によるインスリン抵抗性の増大
- アルコール摂取による抗酸化物質の消費、それに伴う皮膚の炎症
これらは全て、ボディービルにとっては悪影響です!
一つ一つ見ていきます。
まずテストステロンの低下は筋肉を育てる上でデメリットしかありません。
なぜならテストステロンとは、筋肉量を増大させる作用があり筋肥大に関わる男性ホルモンだから。
テストステロンの分泌量が減る=筋肥大の効率が悪くなるのです。
事実、オクラホマシティ大学のK.W.Chung氏によると、ラットにエタノールを注入した実験ではテストステロンの量が低下したと報告しています[1]。(※エタノール…アルコールの一種)
つまり、アルコール摂取が筋肥大の効果を低下させると示唆しているのです。
大きな筋肉を見せつける競技であるボディービルにとって、筋肥大の効果低下は何よりも避けたい事態ですよね。
また、コルチゾールの増加も同じような影響があります。
”ストレスホルモン”とも呼ばれるコルチゾールは、血糖値の維持に働くホルモンです。
血糖値の維持は、筋肉にとってマイナスに作用する場合があります。
なぜなら血糖値を維持するために、筋肉を分解する作用があるからです。
実際にスペインのクリニコ大学で行われた研究では、コルチゾールが飲酒によって増加すると判明しました[2]。
コルチゾールの増加は、常に筋肉の分解が引き起こされる可能性を示します。
筋肉の分解がボディービルダーにとってデメリットであることは、説明するまでもありませんね。
このように、筋肉に直接関わる作用以外にも問題点があります。
それが、インスリン抵抗性の増大です。
インスリン抵抗性の増大とはつまり、インスリンが効きにくくなる状態に。
本来インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、血糖値を下げるために筋肉内に糖分を蓄える性質があります。
筋肉の成長を助けてくれる、ボディービルダーにとっては有益なホルモンです。
つまり、インスリン抵抗性が増大すると筋肉の成長が妨げられる可能性があります。
アメリカのマウントサイナイ病院が行なった研究では、アルコールがインスリン抵抗性を増大させると判明しました[3]。
この研究結果も、アルコールによるインスリン抵抗性の増大が筋肉の成長を阻害する可能性を示唆するものです。
直接筋肥大に関わるわけではありませんが、筋肉の成長を助けてくれるインスリンの作用低下もボディービルダーにはデメリットでしょう。
さらに、アルコールによって肌の見た目が悪くなる可能性があります。
アメリカのマイケル・グレガー医学博士の研究では、アルコールは摂取後8分で肌の抗酸化物質のレベルを劇的に低下させると発表しました[4]。
抗酸化物質が減少すると肌の老化が加速し、皮膚の炎症やしみ・たるみなどの原因となるのです。
見た目を競い合う競技であるボディービルダーにとって、肌の衰えは良い印象を与えません。
見た目の面を考えても、ボディービルダーはアルコールを避けるべきでしょう。
以上がアルコールによる悪影響です。
筋肉に全てを捧げていく必要があるボディービルダーにとって、アルコールを避けるべき理由がわかっていただけたかと思います。
2.一般の筋トレ民でもビールの飲み過ぎはマイナス影響
ボディービルダーだけでなく、一般の筋トレ愛好家の方もビールの飲みすぎはマイナス影響になります。
なぜなら、アルコールの摂取によってタンパク質の合成が減少するから。
つまり、筋肉が作られにくくなるのです。
具体的な数字は、オーストラリア・カナダ・イギリスの大学の共同研究により明らかになっています。
この研究では、トレーニング後にプロテインのみを摂取した場合と比較して、アルコールとプロテインを摂取した場合には37%ほどのタンパク質減少が確認されました[5]。
なぜそのようなことが引き起こされるかというと、アルコールによって「mTOR」と呼ばれる酵素の働きが悪くなるためと考えられています。
mTORは細胞増殖・成長していく上で、非常に重要な役割を果たす酵素です。
そして、mTORはアルコールによって働きが悪くなるとわかっています。
上記の研究による、運動後に1.5g / kgのアルコールを摂取した影響を示すグラフをご覧ください。
ALC-CHOはアルコール+炭水化物、ALC -PROがアルコール+タンパク質、PROがタンパク質のみをそれぞれトレーニング後に摂取した結果です。
グラフが縦に長いほど、mTORの発現を意味します。
見てわかる通り、PROのグラフが一番縦に長いですね。
この通り、細胞増殖に関わる酵素であるmTORが発現しなくなることが、アルコールによってタンパク質合成が減少する理由と言えるでしょう。
この結果がアルコールが筋肉の成長を妨げる根拠となります。
ただし、これはあくまで1.5g / kgのアルコールを摂取した場合の話。
1.5g / kgとはどのくらいなのかというと、73kgの方でビール8杯ほどです。
そのため、飲みすぎなければここまでの影響はないと考えられます。
運動後のアルコールはどのような方でも筋肉の合成を妨げる可能性が大きいですが、ほどほどであれば大丈夫でしょう。
したがって、ビールを飲むとしても飲み過ぎに注意してください。
3.飲み過ぎでなくともカロリー過多になるとボディメイクが台無しに
ビールを飲むとき、ほとんどの方がおつまみも一緒に食べるのではないでしょうか。
このおつまみがとても厄介で、食べ過ぎるとボディメイクが台無しになるかもしれません。
なぜなら、おつまみはカロリー過多になる可能性があるから。
おつまみは味が濃いものが多く、カロリーが高めなものが多いです。
実際にカロリーを確かめてみましょう。
- 鶏の唐揚げ(3個)・・・240kcal
- カマンベールチーズ(3切れ)・・・194kcal
- フライドポテト・・・350kcal
- ソーセージ3本・・・346kcal
- 柿の種1袋・・・157kcal
- 焼きおにぎり2個・・・290kcal
この通り、そこそこ高いですね。
まして、1つだけでなくたくさん食べようものなら1000Kcalは軽く超えます…
さらに注意が必要なのが、ビール自体のカロリー。
主なアルコール類のカロリー一覧はこの通りです。
- 生ビール中ジョッキ・・・200Kcal
- 生ビール大ジョッキ・・・320Kcal
- ビール中瓶・・・197Kcal
- ハイボール・・・100Kcal
- 梅酒ロック・・・100Kcal
- 焼酎・・・90Kcal
- 日本酒1合・・・190Kcal
加えて、アルコールのカロリーはエンプティカロリーと言われています。
エンプティカロリーとは、アルコールが高カロリーである反面、カロリー以外の栄養素が乏しいこと。
つまり、即座に吸収されてエネルギーとして使用されることを意味します。
そのため脂肪として蓄積されにくいのです。
アルコール由来のカロリーは、脂肪として蓄積されにくい「エンプティ・カロリー」。体に蓄積されず、優先的に分解されてすぐに熱に変わります。お酒はアルコール度数が高くなればなるほどカロリーも高くなりますが、摂取してもすぐに消費されるので、直接“太る”ことにはつながらないのです。(引用:日本ビール株式会社)
しかし、アルコールがエンプティカロリーとして消費されている間、おつまみで摂取した脂肪は身体に蓄積されやすい状態とも言えます。
これがおつまみでボディメイクが台無しになってしまう理由です。
そのため、おつまみを食べるなら低カロリーのメニューを選びましょう。
低カロリーなおつまみはこちらを参考にしてください。
- 冷奴・・・60Kcal
- 枝豆・・・60Kcal
- 刺身盛り合わせ・・・150kcal
- もも串・・・70Kcal
- サラダ1人前・・・50Kcal
ビールをたくさん飲んでおつまみも食べるとなると、カロリー過多なだけでなくおつまみのカロリーが体に溜まりやすくなります。
アルコールがエンプティカロリーである点を考慮しつつ、おつまみを食べるようにしましょう。
そうでないと、せっかくボディメイクを頑張っても台無しになりますよ。
4.どうしても飲みたいなら運動後が良いかも
運動していくうえでどうしてもビールが飲みたくなった時は、運動後にしましょう。
理由は2つあります。
1つは単純に、運動前に飲むと危ないから。
アルコールの摂取は判断能力やバランス能力が低下する恐れがあり、怪我の危険が高まります。
福井工業高等専門学校の山次俊介氏らによる研究では、日本酒3合を飲んだ後の重心バランスの検証しました[6]。
その結果がこちらです。
飲酒前では目を閉じた状態でも1分近く片足で立てていたのに対し、飲酒30分後では10秒も立てていません。
これほどバランス能力が低下するため、運動前の飲酒は危険と言えるでしょう。
シンプルに、ふらふらした状態でバーベルをもったりすると危ないのは、想像すればわかりますね。
もう一つの理由は、ビールを飲んでも運動後の回復速度や体重の減少に影響がないから。
スペインのグラナダ大学で行われた研究では、高温下での運動後に、水分補給としてビールを飲んだ時の影響を調査。
結果として、通常の水分補給とビールとでは、体重や体液・血液に大きな差がないと判明しました。[7]
つまり、ビールを飲んでも運動後の回復速度に大きな影響がないことを意味します。
この研究から、運動後のビールは適量であれば問題ないとわかりますね。
上述した2つの理由から、どうしてもビールを飲むのであれば運動後がおすすめ。
飲みすぎないように、適量を楽しんでくださいね。
5.ビールと水を交互に飲むのがおすすめ
ビールを飲むのであれば運動後が良いと、前項で説明しましたね。
加えて、運動後に飲む場合はビールと水を交互に飲むと良いでしょう。
なぜなら、ビールに含まれるアルコールには利尿作用があり、体内から水分が失われてしまうからです。
世界最大級の健康メディアであるヘルスラインも、運動後のアルコール摂取には警鐘を鳴らしています。
運動で汗をかいて減った水分・電解質・血液は水分補給で回復する必要がありますが、ビールを飲むと回復が遅れる可能性があるそう[8]。
ビールには糖質や電解質が含まれているため運動後の栄養補給にはなるものの、同時に利尿作用もあるので水分補給にはならない可能性が高いでしょう。
ビールに足らない水分を補うために、水を一緒に補給すれば問題点が解消されますね。
前項で説明したとおり、適量で抑えることに加え一緒に水も飲んでください。
そうすれば、ビールのデメリットを解消して安全にビールを楽しめますよ。
筋トレをしている人でもビールは楽しめる!ただし適度に!
筋トレしながらビールを飲んでも良いのか。
結論から言うと、適量であれば飲んでも大丈夫です。
なぜなら、ビールのデメリットは対処できるから。
ただし、以下のことを遵守しましょう。
- 飲むのであれば、筋トレ後
- ビールだけでなく、水も一緒に飲むようにする
- ボディメイク目的の筋トレならば、おつまみのカロリーに注意する
これさえ守ってもらえれば、筋トレをしている人でもビールを楽しめますよ。
筋トレ前に飲むリスクや、タンパク質の合成が阻害されるデメリットがあると踏まえたうえで、ビールを楽しむ分には問題ありません。
筋トレをしつつ、快適なビールライフをお楽しみください。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
記者 WRITERfucdam
理学療法士兼Webライター。本職で培った健康知識で男性の筋肉から性の悩みまで解決できる情報を発信していきます。
ネットにある浅い知識でなく、深掘りした知識を披露していきますので、お楽しみください!
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