プロペシアが性欲減退やEDの原因?薄毛治療薬の副作用

公開日:2019/10/27
更新日:2022/02/09

AGA治療薬の副作用

AGA治療薬として最も多く利用されているプロペシア。
実はプロペシアを利用した事によって性欲減退や勃起不全(ED)を感じる男性が多いという。
プロペシアの効果や可能性のある副作用を紹介します。

  • 記者 WRITERSTERON編集部
    HIROSHI

プロペシアとは

プロペシアとは

最近良く聞くようになったプロペシアという医薬品。プロペシアとはAGA治療薬の一種で様々なクリニックや病院で処方される医薬品です。AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略で男性型脱毛症を意味します。頭頂部やおでこのあたりの毛が薄くなる俗に言う成人男性のハゲや薄毛と呼ばれる症状です。

たくさんあるAGA治療薬の中でもプロペシアは非常にたくさんの男性に処方されている医薬品なのです。2015年にプロペシアの特許が切れている事もあり、後発品も大量に発売されています。

AGA(男性型脱毛症)治療薬として、真っ先に名前が挙がる「プロペシア」は、ほとんどの皮膚科、頭髪専門のクリニックで処方されており、幅広く使われている医薬品です。(出典:メンズヘルスクリニック東京

そんなプロペシアですが、ネットでは使用したことによって性欲が低下した、EDになった等の口コミがたくさん存在します。本当にプロペシアに性欲減退やED等の副作用はあるかを解説致します。

 

プロペシアの効果の仕組み

抜け毛の仕組み

男性の抜け毛やハゲの主な原因はジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる成分が増える事により発生します。ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼと呼ばれる体内に存在する酵素によって変換される事により発生します。

しかしテストステロン自体は肉体面及び精神面の健康促進や精力向上などのメリットがあり、強い男性には必要不可欠な成分です。プロペシアという医薬品は、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5αリダクターゼの働きを阻害する事によって、抜け毛を防止する仕組みなのです[1]

ちなみにですがこの5αリダクターゼと呼ばれる酵素の活動量は大半が遺伝によって決まります。つまりテストステロンが豊富で精力が強く、体毛が濃い男らしい男性でも5αリダクターゼが活発でない場合はハゲにくいのです。ハゲは遺伝と呼ばれるのはこれが原因です。

 

プロペシア利用者の性の悩み

悩んでいる男性

少しネットを調査しただけでもプロペシアを利用した男性の性の悩みをたくさん見つける事が出来ました。特に多かった悩みが勃起力の低下(ED)です。

プロペシアの副作用で勃起力が弱くなりました。プロペシアには性欲減退などの副作用があることは知っていたのですが自分に限ってはそんな副作用は大丈夫だろうと思っていたのに、考えが甘かったようです。すぐにプロペシアを止めたのですけど今も勃起力が弱い状態が続いています。(出典:Yahoo知恵袋

また、20代にも関わらず朝立ちがなくなってしまうような症状が発生するケースもあるようです。

24歳なのですが、朝勃ちすらあまりしなくなってしまいました。プロペシアの服用を止めることで副作用はなくなるらしいのですが、薄毛に対して諦めたくないという思いもあり悩んでいます。(出典:Yahoo知恵袋

プロペシアを利用したことによる悩みで勃起力低下に次いで多かったのが、性欲の減退です。

プロペシア(AGA治療薬)を服用して約3ヶ月経つのですが性欲が大幅に減退しました。服用前は、ほぼ毎日自慰行為に勤しんでいたのですが次第にその頻度は減り、最近は週に一回程度になりました。(出典:Yahoo知恵袋

また、中には性欲やEDではなく、精液が薄くなってきた事を感じる方もいるようです。

プロペシア飲み始めてから精液が水っぽくなってきた気がするんですが、関係ありますか?(出典:Yahoo知恵袋

 

プロペシアの主な副作用

薄毛改善を目的として非常に人気のプロペシアですが、実際に証明されている副作用としてはどのようなものがあるのでしょうか。製薬会社のMSD株式会社による臨床実験では安全性評価対象である276項目のうちの11項目(4%)で副作用が確認されました[2]

 

性欲の減退

仲の悪いカップル

プロペシアの副作用として一番発生頻度が高い症状が性欲の減退です。MSDによる発表では性欲低下の発生頻度は約1~5%未満とされています。アメリカ食品医薬品局によるとプロペシアの利用を停止した場合も、性欲減退は約数週間程度は続くとされています[3]

プロペシアを利用する事による性欲減退の事例は複数確認されていますが、性欲低下の明確な理由は研究段階です。しかし性欲の源であるテストステロン(男性ホルモン)と関わりのある5αリダクターゼの働きを抑えているため、体内でのホルモンバランスを乱す可能性があるようです。

 

ED(勃起力低下)

EDのコンセプト

2012年にジョージワシントン大学の研究チームはプロペシアを利用したことによって性機能の低下を実感している54名の男性を調査しました。調査によると性欲の低下以外にもED(勃起力低下)に悩む男性も確認がされました。

また調査対象のうち、96%の男性はプロペシアの利用を辞めてから1年以上も性機能障害が改善されなかった事が判明しました[4]。もちろんサンプル数が54名とそこまで多くはないため、性格なデータとは言い難いですが、一概に無視する事は出来ない内容です。

 

男性不妊(精液や精子への影響)

精子

プロペシアの開発販売を行っているMSDの発表資料によるとプロペシアの副作用の中には発生頻度は不明だが、射精量の減少や、無精子症精子の運動性の低下の可能性なども記載されています[2]

カナダで行われた調査では、プロペシアの利用を辞めた男性の精子健康状態が利用停止後3カ月で改善したことも確認されました[5]

 

その他の副作用

副作用の危険性

MSDによると性欲減退やEDをはじめとする性機能低下以外にもプロペシアには次のような副作用の可能性があると発表しています。

  • 痒みや蕁麻疹、血管浮腫などの過敏症
  • 睾丸の痛みや血精液症、射精障害
  • 肝機能障害などの重大な副作用

また、厚生労働省はプロペシアの利用に関して次のように注意喚起を行っています。本来男性向けの治療薬ですが、女性の利用は絶対にNGです。

男性型脱毛の治療に使用されている「プロペシア」(成分名:フィナステリド)については、妊娠中の女性では男の胎児の生殖器に異常を起こすおそれがある(出典:厚生労働省

 

性欲減退やEDを感じたら

プロペシアや同様のAGA治療薬を利用し始めてから性機能低下やその他の異常を感じたのであれば、まずは利用を辞めるようにしましょう。副作用の症状が深刻な場合はメンズクリニックではなく、しっかりとした診察をしてくれる病院の医師に相談をする事が大切です。

もちろん性欲の減退やEDはプロペシアの利用以外によっても発生する場合があります。

▼性欲減退とEDの原因についてはこちらをご覧ください。

 

※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERHIROSHI

    STERON編集部
    健康食品のOEMメーカーにて10年間勤務。その後性に関する某ベンチャー企業にて商品の企画開発に従事。
    仕事でもプライベートでも性を医療的側面から見ているので、常に冷静な顔でとんでもないページを見ています。
    過去の経験を生かし、科学的な根拠にもとづいた記事の執筆を心がけています。

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