カフェインでED改善?カフェインと勃起の関係性を大解明

公開日:2019/01/20
更新日:2022/02/09

カフェインと勃起力の関連性

コーヒーなど身近なドリンクに含まれるカフェイン。勃起力と関係はあるのでしょうか。実はカフェインと勃起不全の関係性を調査した研究があったんです。今回は、その研究内容を基にカフェインが勃起力向上に効果を発揮するのか、カフェインには勃起力向上のほかにどのような効果があるのかをお話していきます。

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    MASAJI(STERON編集部)

カフェインと聞いて、何を思い浮かべますか?コーヒーに含まれていて、脳を覚醒させる効果があること。そのために、朝や仕事の休憩タイムに摂取することでリフレッシュ効果があることなどを思い浮かべるのではないでしょうか。

カフェインが勃起力の向上に効果があると聞いたら、びっくりしますよね?

実は、2015年にアメリカ、テキサスの研究機関から、カフェインがED改善に効果があるかもしれないという内容の論文が発表されました。

そこで、今回は、カフェインが本当にED改善に効果があるのかをお話します。

 

カフェインは勃起力の改善に効果があるの?

カフェインは勃起力に効果がある?

早速ですが、カフェインには勃起不全の改善に効果があるのでしょうか。

結論としては、勃起不全の改善に効果が期待できそうだが、メカニズムはよくわからないとのこと。

テキサスの大学で行われた研究では、毎日170〜370mgのカフェインを摂取している人は勃起不全に悩む割合が著しく低かったことはわかっていますが、明確な理由までは突き止めることができませんでした[1]

この研究では「傾向として、一定量のカフェインを摂取する人は勃起の問題に悩まない」ということがわかりました。

カフェインが作用しているのか、カフェインを摂取する生活をしている人の生活習慣が適切なために勃起不全に悩んでいる人が少ないのか、どちらなのかわかっていません。

ただし、カフェインの健康作用はベッドでの活力と関連するものも多くあることは事実です。

例えば、運動能力向上や疲労を感じにくくする効果。

「セックスはスポーツだ」という人もいるほど体を使う作業です。そのため、射精後はそのまま寝てしまってパートナーから怒られた方も少なくないのではないでしょうか。

このような状況もカフェインを摂取することで回避できるかもしれません。

ちなみに、170mg〜370mgのカフェインはコーヒー2〜3杯に含まれています。朝食で食パンと一緒に一杯飲んで、仕事の休憩中に一杯飲むだけで、あなたも勃起力を改善することができるかもしれませんよ。

 

カフェインの健康効果

さて、勃起力との直接的な関係性は不明確なままのカフェインですが、様々な健康効果があることはわかっています。

ここからは数あるカフェインの健康効果から、勃起ともしかしたら関係しているかもしれない効果効能をご紹介します。

覚醒効果

カフェインの覚醒作用

カフェインには、覚醒作用があることはよく知られていますが、どのようなメカニズムが働いているのか理解している方は少ないのではないでしょうか。

この覚醒作用にはアドレナリンと呼ばれる興奮作用がある神経刺激伝達物質が関連しています。

カフェインを摂取することで「アドレナリン」の生成を促進されることで、興奮状態になるために眠気解消の効果があるのです。

カフェインの覚醒効果は摂取30分後から始まり、4〜5時間ほど続くと言われています。

夕食後のリラックス時に摂取すれば、その晩のセックスの時間までは効果の持続が期待できるでしょう。頭が冴えることでいつもよりも興奮して力強い勃起ができるかもしれませんね。

 

運動能力の向上

運動能力の促進

カフェインには運動能力の向上効果があることもわかっています。

特にマラソンやトライアスロンなど、断続的に動き続けるスポーツでのパフォーマンス向上に有効です。その有効性から、アメリカのスポーツ団体(NCAA:National College Athletic Association)からは、禁止薬物として指定されているほど。

実際にいくつもの研究論文も発表されています。

2キロ〜3キロの中短距離走では、400mgのカフェインを摂取した選手の方がプラシーボを摂取した選手よりも明確に良い記録がでたとのことです[2]

自転車競技でも有効性が報告されており、カフェインと炭水化物を摂取した選手は水だけの選手に比べ9%もいい成績でした。また、炭水化物のみの選手と比較すると4.6%の向上が見られました[3]

このように、カフェインは運動能力の向上効果が多く報告されています。これらと同様に、ベッドでのパフォーマンスを向上させることができるのではないでしょうか。

 

記憶力の向上

記憶力の向上効果

記憶力の向上もカフェインの摂取により期待できる効果の1つです。

2013年にアメリカで発表された論文によると、200mgのカフェインを摂取することで、前日に出した問題を覚えている確率が格段に向上しました[4]

ちなみに、200mgのカフェインは、およそ2杯のコーヒーに含まれる量になります。

試験勉強中の学生は、毎日2杯のコーヒーを飲んでから、勉強を始めると覚醒作用も相まって勉強の効率があがるかもしれません。

 

脂肪燃焼の促進

脂肪燃焼の促進効果

カフェインを摂取することで、脂肪燃焼が燃焼されやすくなると言われたら、ダイエット中の方は非常に気になるのではないでしょうか。これは、カフェインの覚醒作用も関係しています。

カフェインは神経を刺激する物質であるアドレナリンの生成を促進することは先にお話ししました。

このアドレナリンは血液にのって体中を巡ります。そのときに、脂肪組織に対して、脂肪を脂肪酸として燃えやすい状態に切り離すようにシグナルを送るのです。

ただし、注意してください。あくまでも脂肪組織はエネルギー源として使いやすい脂肪酸になっただけであり、まだ体内にあります。それを燃やさないと体重は減少しません。

つまり、カフェインだけでは脂肪が減るわけではないのです。カフェインの作用はあくまでも脂肪燃焼をしやすい状態にするだけなので、しっかりと運動や食事制限などで脂肪を燃焼させないと実際の体重は落ちません。

ちなみに、勃起力と肥満は密接に関係しています。勃起と肥満の関係性はこちらの記事をご覧ください。

 

意外と恐ろしい副作用

カフェインの副作用

さて、ここまでカフェインのメリットの中で、勃起に関連しそうな物をお話してきました。

では、たくさん飲めばいいのかというとそういうわけではありません。過剰に摂取することで副作用があることもわかっています。

例えば、中毒症状。70kgの男性の場合、450g以上を一時間以内で半数が、1200g以上を3時間以内に摂取すると全員が、視覚異常や聴覚異常などの中毒症状を発生します。

コーヒーからの摂取では心配する必要はありませんが、カフェインの錠剤を服用している方は注意が必要です。

また、その他にもカフェインには次に挙げる副作用があります。

  • 不安感・焦燥感
  • 不眠症
  • パニック発作
  • 胃痛・胸やけ
  • 吐き気
  • 頻尿

また、カフェインにはカルシウムの吸収を阻害する効果があるため、過剰に摂取することで骨のカルシウム濃度が下がり、骨粗鬆症になる恐れがあります。

妊婦にも悪影響があるので、奥様が妊娠しているときはカフェインの摂取は避けさせる方がよいでしょう。

 

カフェインを多く含む飲み物

カフェインを多く含む飲み物

カフェインを多く含む飲み物には次のようなものがあります。

品目カフェイン量
コーヒー(ドリップタイプ)150ml60mg
コーヒー(インスタント)150ml60mg
玉露茶150ml150mg
抹茶150ml45mg
ウーロン茶150ml30mg
コーラ500ml50mg
レッドブル250ml80mg

ドリップタイプもインスタントタイプも配合されているカフェイン量に違いはありません。

ご紹介した研究で勃起力に効果が見られた170mgのカフェインを摂取するためには、3杯のインスタントコーヒーを飲まなければいけないですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、勃起力とカフェインの関係性についてお話しました。

調査によって、170mg〜350mgのカフェインを摂取することで勃起不全の可能性が下がる傾向にあることはわかっていますが、明確なメカニズムはわかっていないという結論でした。

勃起力の向上効果の有無にかかわらず、カフェインには多くの健康効果があることはわかっています。そのうちのいくつかは、ベッドでのパフォーマンスにも効果がありそうでしたね。

ただし、中毒症状も報告されているので、過剰摂取は避けることと体調に合わない場合は摂らないようにしましょう。

ちなみに、筆者は一時期カフェインを摂取すると気持ちが悪くなる症状に悩まされました。短時間にコーヒーを大量に飲んでいた時期があったので、それによる軽度の中毒症状だったのだと考えています。

カフェインはうまく付き合うことで、多くのメリットをもたらしてくれるので、賢く利用するようにしましょうね。

 

※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERMASAJI(STERON編集部)

    STEORN編集部
    「性をロジカルに」をモットーに記事を執筆。これまで感覚的に語られてきた”性”というテーマを学術的・科学的根拠に基づいて伝えていきたい。ティーコンシェルジュの知識を活かし、健康問題の解決に向けたハーブティーのブレンドもこなす。

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