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- 活力成分アルギニンとオルニチンとシトルリンの違いと相乗効果
天然の活力成分として知られるアルギニン、シトルリン、オルニチン。
それぞれどんな効果があるのでしょうか?
同時に摂取する事でどんな相乗効果があるのでしょうか?
それぞれの関係性を調査しました。
Contents [目次を開く]
精力や活力の維持や向上に必須とされているアルギニン、シトルリンやオルニチン。実はこの3種類の成分は互いに密接な関わりがあるのです。単体で摂取する場合と同時に摂取する場合では効果が大きく異なります。各成分の特徴や関係性、併用する場合の相乗効果を解説します。
各成分の効果や副作用
まずはアルギニンとオルニチン、シトルリンそれぞれの成分の特徴や効果、副作用を紹介します。
アルギニン
アルギニンとはタンパク質を構成する20のアミノ酸のうちの1つです。オルニチン回路でアルギノコハク酸から作り出すことが出来るため、非必須アミノ酸に分類されていますが、成長期の子供や性機能低下に悩む男性の場合は積極的に摂ることが推奨されています。
効果1:血行促進による疲労回復や性機能向上
アルギニンには血行を促進する効果があります。オルニチン回路で血管をリラックスさせ拡張する一酸化窒素を産出するため、血流が促進されます。血行が促進されることで疲労物質を効率的に体から取り除くこと出来るため、疲労の予防や改善が期待できます。また血流が改善する事で酸素や栄養素を体の隅々まで素早く届けられるようになるため、運動能力向上の効果も確認されています[1]。
また血液が集まることで発生する勃起を力強くする効果も期待できます。アルギニンに合わせてフランス海岸松樹皮(ピクノジェノール)を一緒に摂取する事で9割以上の男性がED改善を実感した事例もあります[2]。
効果2:成長ホルモンの分泌促進
アルギニンには成長を促進する成長ホルモンの分泌をサポートする作用があります[3]。実は成長ホルモンが有効なのは子供だけではありません。成人後は成長ホルモンが新陳代謝を促進するため健康的な体質を維持するためにも必要なのです[4]。
「食べるものや運動量は変えてないのに、最近太ってきた」そんな人は、成長ホルモンが分泌されていないために新陳代謝が落ちているのかもしれません。ちなみに成長ホルモンが豊富に分泌されるのは睡眠時です[5]。寝る直前にアルギニンを摂取すると、効果的に分泌されます。
副作用や危険性
アルギニンは比較的安全な成分です。もちろん全く注意しなくていいわけではありません[6]。アレルギーや喘息もちの人は注意が必要です。また低血圧の人も注意が必要な成分です。アルギニンの急な摂取により低血圧症になる可能性があります。腎臓の調子が悪い人も注意が必要です。アルギニンは腎臓内の血流をよくするため、腎臓に大きな負担がかかります。
オルニチン
しじみに多く含まれている栄養素として取り上げられることも多いオルニチン。最近はネットサーフィンをしているとオルニチンサプリの広告を見かける頻度も増えました。
効果1:疲労の蓄積を防ぐ
オルニチンには疲労の蓄積を防ぐ効果が期待できます。疲労が蓄積している状態とはアンモニアが体内に溜まってしまって効率的に処理されていない状態です。肝臓内でアンモニアの無毒化に不可欠なオルニチンを摂ることで、疲労物質を効率的に体外に排出出来ます。
効果2:二日酔いの改善
肝臓で分解されるのはアンモニアだけではありません。アルコールの分解も担っています。お酒を飲む前や寝る前にオルニチンを摂っておくことで効率的にアルコールが分解され、二日酔いを防いだり症状を軽くする事が期待できます[7]。
副作用や危険性
よほど過剰に摂取しない限りオルニチンは安全な成分です。過去の研究でも重大な副作用が発生した報告はありません。他のアミノ酸と同様に授乳が必要な幼児のいる女性は積極的なオルニチンの摂取は推奨されていません[8]。
シトルリン
日本人がスイカから見つけたアミノ酸がシトルリンです。特に性機能向上の作用が強く、スイカを研究していたテキサス大学の教授は、シトルリンを豊富に含むスイカのことを天然のバイアグラと呼んだほどです[9]。
これはシトルリンを摂ることで一酸化窒素の合成が促進されるからです。一酸化窒素を合成するのはアルギニンなのですが、シトルリンを同時に摂ることでより効率的に一酸化窒素が合成されるのです[10]。一酸化窒素には血流を促進する効果があるため、性的な興奮を感じたときにより多くの血液をペニスに送る事が出来るようになります。シトルリンは安全性の高いED治療成分としても知られています[11]。
3種類の成分の関係性
アルギニンとシトルリンとオルニチンはいずれもアミノ酸の一種で、互いに密接に関わっています。
関係1:アンモニアの排出
アルギニン、オルニチン、シトルリンは肝臓内で有害なアンモニアを無毒な尿素に変換する作用を担っています。この作用は主にオルニチン回路や尿素回路など呼び方は異なります(本記事ではオルニチン回路として説明をします)。
オルニチン回路の中では、アルギニンとオルニチン、シトルリンが相互に変換し合いながらアンモニアを無毒化しています。具体的には、肝臓内でアルギニンがオルニチンと尿素に変換され、オルニチンはシトルリンへ、シトルリンはアルギノコハク酸に換わり、アルギノコハク酸がアルギニンに再変換されるプロセスです[12]。いずれの成分も欠如してしまう事で疲労物質であるアンモニアを効率的に体外に排出できなくなり、体調悪化の原因になってしまうのです。
関係2:一酸化窒素の産出
オルニチン回路の中で行われているのはアンモニアの無毒化だけではありません。重要な作用の一つが一酸化窒素の産出です。オルニチン回路の中で、アルギニンが酸素と一酸化窒素合成酵素(NOS)と反応すると、一酸化窒素が産出されます。一酸化窒素は、平滑筋と呼ばれる血管の壁にある筋肉に触れると、血管を弛緩させる物質を作り出すため、血流が良くなるのです。
体中の血行がよくなることで、疲労の蓄積を防ぐ効果や、男性機能向上効果などが期待できます。そのためこれら3種類の成分は男性向けの活力サプリや精力剤の主成分として活躍しているのです。
同時に摂取する事による相乗効果
それぞれでも多くの健康メリットがあるアルギニンとオルニチンとシトルリンですが、一緒に摂取することで、相乗効果がでることがあります。世界中で行われてきた研究で裏付けされている相乗効果をいくつかご紹介します。
アルギニンとシトルリンの組合せ
アルギニンとシトルリンの相乗効果は様々な専門機関によって確認されています。医薬品原料メーカーの協和発酵バイオが協賛して行われた実験では、アルギニン単体だけで摂取する場合よりも、シトルリンとアルギニンを同時に摂取する事で20%程度多く一酸化窒素が産出されていました[13]。
疲労回復やパフォーマンス向上、下半身の元気を取り戻すためなどの目的がある場合は、それぞれの成分を単独で摂取するより、目的別に各成分がブレンドされた専用サプリを利用する方が効果的でしょう。
オルニチンとアルギニンの組合せ
アルギニンもオルニチンも体内では同じ回路内で活動するアミノ酸です。特に新陳代謝や筋骨の成長に欠かすことが出来ない成長ホルモンは、アルギニンとオルニチンを同時に摂取する事でより効率的に分泌されます[14]。アルギニンとオルニチンを同時に摂取する事で、脂肪が少なく筋肉質な体質作りを促進する効果がある事が確認されています[15]。
アルギニンはオルニチンの体内濃度に合わせて吸収率をコントロールしてくれます。例えば過度に体内にあるときには吸収率を下げ、足りていないときにはより多く吸収させる作用があるのです[16]。つまり過剰摂取による副作用が発生する可能性は極めて低いのです。
【まとめ】各成分の組み合わせが重要
アルギニン、シトルリン、オルニチンはそれぞれ体の健康の維持促進に効果的な成分です。しかし組み合わせる事でより高い効果が発生します。ドラッグストアやAmazon等ではそれぞれの成分が単体でサプリメントとして販売されていますが、より確実な効果を得るためにも摂取量に加えて組み合わせを意識する事が重要です。
特に加齢による活力の衰えや性機能の低下に悩んでいる場合は、専用にブレンドされた男性向けサプリが効果的です。精力サプリは数多くありますが、効果を得るために大切な事は継続して飲む事です。いずれの有効成分も効果が体に現れるまでに約1~3カ月程度の期間が必要とされています。
毎日継続するためにもコスパが良く豊富な成分が最適な組み合わせで配合されている製品を選びましょう。
※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
記者 WRITERMASAJI(STERON編集部)
STEORN編集部
「性をロジカルに」をモットーに記事を執筆。これまで感覚的に語られてきた”性”というテーマを学術的・科学的根拠に基づいて伝えていきたい。ティーコンシェルジュの知識を活かし、健康問題の解決に向けたハーブティーのブレンドもこなす。
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