知らないと危険?バイアグラの副作用と注意点【医師監修】

公開日:2019/11/26
更新日:2022/02/09

バイアグラのトップ画像

バイアグラ、シアリス、レビトラなどのED治療薬。副作用があることが知っていましたか?
また、誰でも服用することができるわけではなく、持病や体調などによっては処方を断られることもあるんです。
そこで今回は、バイアグラなどのED治療薬によって発生する可能性がある副作用を解説します。

  • 記者 WRITERSTERON編集部
    HIROSHI

勃起障害(以下ED)は今や日本人男性の3人に1人が悩んでいると言われています。そんなEDの改善において有名な治療薬がバイアグラです。

バイアグラは日本では医師による処方が必要な医薬品に指定されています。これは、バイアグラに副作用のリスクがあるからです。驚くかもしれませんが、バイアグラによる死亡事例も存在します[1]

今回はバイアグラの利用を考えている方のために、注意点や副作用のリスク、バイアグラ以外のED改善方法を解説します。

 

バイアグラとは

服用

バイアグラはアメリカの製薬会社であるファイザー社が開発をしたシルデナフィルを有効成分として配合したED治療薬です。

主な作用は、血管の拡張です。PDE5と呼ばれる酵素の働きを阻害することで、血管をリラックスさせることができるため、血行促進につながります。その結果、よく知られた勃起力の改善効果や、高血圧の改善などが期待できるのです。

 

バイアグラの副作用は?

勃起力を高める効果があるバイアグラですが、その効果は化学成分の働きによるものです。

体内で、シルデナフィルが半ば強制的に血管を拡張させるため、いくつかの副作用が報告されています。

 

可能性が高い副作用

頭痛

バイアグラの副作用はこれまで多く研究されており、アメリカ食品医薬品局(Food and Drung Administration)のレポートにも記載されています。発生率の高い副作用は次の通りです[4]

1位:頭痛:21%
2位:顔面紅潮:19%
3位:胸やけ、胃の不快感:9%
4位:目まい:4%
4位:腰痛:4%
6位:吐き気:3%
7位:発疹:2%
7位:視覚異常:2%
7位:筋肉痛:2%

これらの副作用と頻度はアメリカ食品医薬品局が511名のEDの男性に50mgのバイアグラを服用させた臨床実験によってわかりました。

リストには含まれていませんが、鼻血、発熱、不眠症、のどのイガイガ感や鼻水などの副作用が発生したと回答をした患者もいました。

これらの副作用は基本的には数時間で解消されます。もし、副作用が数日間継続するようであれば、すぐにかかりつけの医師に相談してください。

 

注意すべき3つの副作用

深刻な症状

バイアグラの副作用は、基本的に生命の危機はありません。しかし、体調や持病がある方は注意が必要な場合があります。

アメリカ食品医薬品局に報告によると、バイアグラの発売後1年間で522の死亡症例にバイアグラがなんらかの影響を与えているとされています[5]

副作用として正式に認められていないものも含めると、次に紹介するような症状が報告されています。

 

視力や聴力の異常

バイアグラの副作用の一つとして急激な視力の低下が報告されています。

もし服用後に片目、あるいは両目の視力の低下を感じたらすぐに医師に診てもらいましょう。

眼球に悪影響を与える可能性があります。同じく急な聴力の低下や耳鳴りを感じた場合も医師への相談が必要です。

 

持続勃起症

バイアグラ服用後に勃起状態が4時間以上継続する状態を勃起持続症またはプリアピズム(priaipism)と呼びます。

ペニスに送り込まれた血液が薬の影響で静脈に戻らなくなっている状態です。

この状態を放置すると虚血状態になるケースや、海綿体内の動脈が破裂して流血する可能性があります。

さらには、ペニスの組織を壊死させてしまい、勃起障害を悪化させる原因になることも[6]

特に、痛みを伴う勃起が4時間以上続くようであれば、急ぎで泌尿器科の医師に相談をおすすめします。

 

心臓の異常

バイアグラの副作用は心臓の機能に影響を及ぼすこともあります。

服用後に胸の痛みや、心拍数の急上昇などの異常が発生した場合は医師に相談してください。

 

バイアグラ使用時の注意点

薬の併用

中高年男性の多くの方が何らかの薬を定期的に服用しているかと思います。バイアグラは他の医薬品と合わせて飲むことにより、副作用の発生や、効果が薄れてしまうなどのことが発生します。

ED治療薬とは基本的に一緒にのむべきではない医薬品は次の通りです。

  • HIV治療薬
  • 抗生物質(エリスロマイシンやクラリスロマイシン等)
  • 高血圧理療薬(アムロジピン等)
  • α遮断薬
  • 抗真菌剤(ケトコナゾールやイトラコナゾール)
  • その他のED治療薬(バイアグラ、シアリス、レビトラ等)

バイアグラには血管拡張作用があります。血圧低下も伴うため、似たような効果をもつ医薬品を同時接種すると、低血圧症などが発生する可能性があるため、注意が必要です。

 

バイアグラが合わない可能性が高い5タイプの人

胸やけ

バイアグラは血液の流れを半ば強制的に改善する薬です。そのため、持病をお持ちの方や生活習慣が良くない人はのむことが出来ません。

アルコール中毒の人

性行為を行う前に、お酒を飲む男性も少なくないのでしょうか。

適度なアルコールであれば、リラックス効果があるため勃起にもプラスに働くでしょう。

しかし、過度の飲酒は脳からの信号の伝達を麻痺させるため、ED治療薬の効果が弱まる可能性があります。

また、バイアグラとアルコールの併用は、過度に血管を拡張させてしまい、血圧が一気に低下する危険性があります[7]

 

心臓が弱いの人

バイアグラには血圧を低下させる作用があります。心臓に関係のある症状や病気をしたことがある場合はしっかりと医師に相談のうえ、利用を検討しましょう。

 

ぺイロニー病の人

ぺイロニー病とはペニスに良性のしこりができ、勃起時の痛みやペニスの形状変化などの症状がでる病気です。

主に中高年に多く、海外の調査では60代男性の4%が経験があると言われています[8]

ぺイロニー病患者がED治療薬を服用すると、長時間の無理な勃起でペニスを痛める可能性があります。

 

アレルギー持ちの人

ED治療薬には呼吸困難や喉の痛み等のアレルギー反応を引き起こすリスクがあります。

以前バイアグラなどED治療薬の服用時にアレルギーが出た方は、服用は停止しましょう。

 

病気持ちの人

ここまで紹介した持病や体質以外にも、難治性呼吸器疾患・肺高血圧症(PVOD)、非動脈性前部虚血性視神経症(NAION)、胃潰瘍手術などと相性が良くないとの報告があります。

なんらかの持病をお持ちの場合は、ED治療薬の処方を受けるときにしっかりと医師へ報告してください。

 

バイアグラに頼らずに勃起力を取り戻す方法

コミュニケーション

頭痛などの副作用リスクを考えると、できればバイアグラの使用は回避したいと思いませんか?

とはいえ、男性にとってベストなのは、必要なときにしっかりと勃起すること。

そんな体質を手に入れるために必要なことをご紹介します。

まずは精力低下の原因を理解する

勃起力低下の原因の多くは年齢と共に体の機能が低下しているにも関わらず、健康な生活習慣が送れていないこと。

例えば性欲の源となるテストステロンという男性ホルモンの分泌量は年齢と共に低下します。

テストステロンが低下する事により性欲減退精子の質低下につながります。

また勃起力の衰えも、不摂生や運動不足により血液の循環機能が低下が大きな原因です。

つまり日頃の生活習慣を若い頃以上に意識する事により、精力の強い体質を取り戻す事が可能なのです。

 

精力改善におすすめの方法

定期的な運動や筋トレ

定期的な運動

定期的なエクササイズや筋トレは勃起力を低下させる動脈硬化の予防効果があります。

筋肉量を増やすと分泌されるテストステロン(男性ホルモン)が増加するため、性欲を高める効果が期待できます。

 

タバコやお酒を控える

禁煙

タバコやお酒は百害あって一利なしです。

特にタバコは血液の流れを妨げる成分が含んでいるため、勃起力が低下し、昔のように硬くならない原因になります。[5]

 

食生活を見直す

コレステロール

脂肪やコレステロール量の多い食事は肥満の原因だけでなく、血管を詰まらせてしまい、勃起に重要な血液の循環機能を低下させるリスクがあります。

日頃からバランスのとれた食生活を心がけるようにしましょう。

 

バイアグラは副作用のある医薬品であることを忘れずに

「勃起力が低くなってきたらバイアグラでしょ!」と気軽に考えてしまいがちですが、バイアグラはドラッグストアで気軽に買うことはできない程度には副作用がある医薬品です。

勃起力の低下は、体の不調のサインと捉えることもできます。過度なストレスや寝不足、喫煙などが問題になっていることもあるでしょう。

運動不足を解消するだけで、勃起力を取り戻すこともあります。

信頼できる病院でバイアグラを処方してもらうことは悪いことではありません。副作用のリスクもしっかりと説明してくれるので安心できます。

しかし、勃起力が低下した原因をしっかりと特定しなければ、いつまでも副作用のあるバイアグラを手放すことができないことも忘れないでください。

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※記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断及び行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。

  • 記者 WRITERHIROSHI

    STERON編集部
    健康食品のOEMメーカーにて10年間勤務。その後性に関する某ベンチャー企業にて商品の企画開発に従事。
    仕事でもプライベートでも性を医療的側面から見ているので、常に冷静な顔でとんでもないページを見ています。
    過去の経験を生かし、科学的な根拠にもとづいた記事の執筆を心がけています。

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